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売れる脚本という概念
アメリカの脚本指南書を読んでいると、日本語訳が全編「そう、そのとおりさ」みたいな口調でウッとなることが多い。『SAVE THE CATの法則』も、中身はいい本だと思うけど、どうもその口調がどうにかならんかと思ったりする。外国人スポーツ選手とかの吹き替えもそうですよね。「さすがのボクもおったまげたよ!」みたいな感じ。いくら敬語がないと言っても、そんな言い方なのかなぁと疑問に思ったりする。
さて、その『SAVE THE CATの法則』で開いたページを読むと、構成をしっかりしよう、とざっくりと書いてある。アメリカと日本の脚本の立ち位置とか、文化がずいぶん違う。アメリカでは、脚本はあるデータベースに放り込まれていて、誰かに買われ、それを第三者の改稿を経て、スクリーンに映し出されるということがあるようだ。僕は脚本を「売る」という感覚がなく、ある種「この人なら書けるかな」みたいな緩い依頼を受けて書くので、話が一番に面白いから採用されるのではなく、まずは人で採用されているところがある。
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