机上で随想「柄シャツ」
柄シャツをよく着る。
幾何学模様のようなものというよりは、「絵」と言った方がいいようないわゆる「総柄シャツ」と呼ばれるものだ。
元々服など着れればよかった。その価値観は20歳を超えてもそのままだったが、それが変わるキッカケは養成所だった。
猫背で、髪のセットもあまりせず、声も上ずってて、高校生の頃と変わらぬ適当な服装で、猫背で、冴えない見た目だったからか第一印象は「オタク」だった。
間違っちゃないけどね。
オリキャラ帳とか描いてたし。
そういう扱いには慣れてたし「別にいっか〜」と軽く受け取っていたけど、どうもしつこい。
皆の期待に答えられるほどアニメ見てないし、アイドルは同じ顔に見えるし、〝推し〟と呼べる概念もつくってないから(オタクだと言われたのを早口で否定してるみたいで嫌ですね)ちょっとしんどかった。
更に追い討ちをかけるように、養成所の1期上の先輩に「現役アイドルオタクと現役アニメオタクのコンビ」が居ると判明した(〝毎日domingo〟で検索だ!)からさあ大変。
こんな見た目だけの薄っぺらなオタクキャラを演じたとて意味がなさすぎる!早急に脱却せねば!
どうする!?髪型変えるか!?
いや!バイト先接客業だ!派手な髪型はおろかインナーカラーも許さないところだ!
ていうかオタクってどうすれば脱却できるんだ!?
とりあえず服だけでも変えてみるか!?
なんかおもしれーアロハ見つけたし買うか!
あっ楽天ポイント結構溜まってる!ラッキー!
そうしてフリマアプリで初めて服を買った。
袖を通し、ドッキドキで向かう養成所。
果たして、皆の反応は―――!?
90秒後 明らかに!!
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割と上々だった。
「似合ってんじゃん」みたいな。
出会って日が浅かったこともあって、あっという間にオタクイジりはなりを潜めた。
同じクラスの同期に古着好きはいても柄シャツ好きが居なかったのもデカかったかも。
イメージの塗り替えには成功したので、もう何着か買わなきゃな〜と古着屋やフリマアプリを巡る。
いつの間にか手持ちの服はそういったシャツでいっぱいになった。
たまに「もう引き返せないところまで来たな」とは思うが、「いいな」と思った服を来て出かけるのは気分がいい。
ただシャツばかりなので、冬用にパーカーとかスウェットもないと流石にちょっとキツイな…と感じる今日この頃の筆者だァ〜PONPONPON。
(ていうかスウェットって言うんですね…トレーナーって死語なんですか?)
あと無地のやつって何見て買えばいいんだろう。