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7年ぶりの訪韓ドタバタ劇【12】ローカルバスから高速電車へ

 遅々として進まないのに「やらかし」案件まであった2日目の行程も、いよいよ終盤。

 バス車内にカメラを忘れて京畿道の端の終点まで取りに行くという騒動を乗り越え、ひと息つくバスターミナルの一角…

空が広い長湖院バスターミナル

 警笛一発「プッ」と合図し、114番が広州へと出発します。結局片道50km超えのロングラン路線バスに、全区間乗ってしまったんだなぁ…そしてまたその道を「折り返して」いるんだなぁ…

なにやってんだかなぁ…な心を流れてゆく夕景
でもまあ地方の「バス乗り場前のプチ市街」とかも見れたし…

 本来この時間帯は、やりたいことがあったのでした。それは…

 この「単線新幹線」の実際の「走行シーン」を、見ようと思っていたのですよね…。

利川の郊外エリアのココで…
単線の高速鉄道がバッチリ見えるのです…

 本来はココに行くために114番に乗ってたはずなのに、長湖院往復をする羽目に…。ああ、世界でも類を見ない「完全単線設計の200km/h級の高速鉄道」なのに見れなかった…残念!ではありますが長湖院までの往復で京畿道南部は内陸部も大規模工場や研究所がある「強いエリア」なんだなという知見を得ました。韓国、なんやかんやで郊外や地方も発展してるんですよね。「ソウル以外なにもない/ソウル一強で郊外や地方はスカスカ」というのは、もう過去のハナシなのですよね…(もちろん遠隔地や産業構造的に低迷している地はありますが)

若年層男性でもバス通勤が結構あって時代は変わったなぁ…と
見たかった単線新幹線をバスで潜ります

 長湖院からソウルに戻るには、1日4往復しかなく夕刻前に最終便が出てしまう単線KTXを除けばこの114番広州ゆきバスから利川バスターミナルでソウル蚕室ゆき広域バスG2100番に乗り換えるか広州ターミナルで千戸・江辺ゆき広域バス1113番に乗り換えるのが最小乗り換え且つスムーズなのですが、鉄オタでもあります私はちょっと手前でバスを降ります。

写真を撮っていなかったのでkakaoのロードビューから

 利川市の郊外、というか田園丘陵地帯に突如現る高架駅の「夫鉢駅」。ソウル南郊の城南市板橋からの新線が開通して突如降って湧いたように出来た駅で、単線新幹線な中部内陸線KTXも開業から暫くはここが起点だったということもあり周辺のバス路線も多数乗り入れ、工場や研究所との連絡バスや送迎車もよく見かける「あたらしい交通拠点」となっている場所です。ここから電車に乗ってソウル方面に戻ろうということでバスを降り駅舎に入り、小腹が減ったので「ローカル線とはいえ高速鉄道の起点だったんだしコンビニくらいあるだろ」と探してみるも影も形もなく、自販機が数台並ぶのみ。アイゴ…この小腹をどうしたらいいのだ…おまけに菓子類のある自販機は故障してて買えず…

しょうがないので糖分が多そうなものを…

 そうこうしているうちに電車の時刻が近づき、自販機でキャラメルマキアートを買ってホームに上がり、通勤電車で高架線をかっ飛ばします。なんか加減速が少々ギクシャクしたり車体共振でビビリ音が鳴ったりしますが、細かいことはケンチャナヨ(たぶん走行中分解とかにはならんだろう)とうつらうつらしつつ…

おお、やばい次が乗り換え駅!

 韓国には今年の春に、もうひとつの「高速鉄道」が開業しています。日本で昔に構想があった通勤新幹線のような、150~180km/h級で走行する通勤電車「GTX(首都圏広域急行鉄道)」のA線が部分開業しているのです。せっかくだから、少々大回りになるけどこれに乗ってソウルに戻ろうと…

城南駅の乗り換え改札を通り
やってきましたGTX-A線!

 ちょっと興が乗って、ソウル市内ではなく終点の동탄(東灘)まで一旦行ってみて平日夜の乗車具合などを様子を見てみました。

 乗車率は平日ソウル市街側から郊外へと向かう流れで、たとえ20時台とはいえ看過ならないほどの低利用率。まあソウル側の起点が暫定的な部分開業なので「ソウル市の端っこ」の水西駅となっており近郊通勤電車としては利便性も劣り…

 8両編成全部の乗車率が「여유(余裕・空席じゅうぶん有り)」なのが悲しいところ。行きつく先の東灘新都市もソウルのベッドタウンというより新産業都市の様相もありかなり高度な事業所/施設の立地もあるので、一般的な通勤路線とは流動が異なるのでしょうかね。

とはいえ170km/h寸前の速度で走る地下鉄はナカナカ刺激的

 終点の東灘駅の様子を見てから折り返し、ソウル側の暫定始発駅の水西へと改めて向かいます。

水西ゆき、まもなく出発。
暫定始発駅の水西のホーム。広々すっきり。

 この時点で21時も過ぎていて、さすがにもう冒険している時間でもないよな…と地下鉄に乗り換えてソウル中心部へと向かうことにします。バスにしようかなと思うも丁度いい路線がなく、ふらふらと盆唐線に吸い込まれ…

盆唐線のりば
おおお新車だ…そして韓国で一般化した「妊産婦配慮席」だ

 韓国であっと言う間に一般化した「妊産婦に配慮する」席、座席を譲るだけでなく周囲の人も色々と配慮してあげてほしい、ということで優先席ではなく「配慮席」ということでピンク色のアクセントカラーで目立つよう掲示されています。この工夫は韓国の車両メーカーの輸出車を通して台湾などにも展開しているようですね…

 などと考えていたら「ソウルスp」という放送が聞こえてきました。ああ、漢江を越えて江北側に戻ってきたんだ…(この時点で21時半過ぎ)

(つづきはコチラ)


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