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7年ぶりの訪韓ドタバタ劇【21】京畿道大探検-韓国はやっぱりバス!

 本当に長々と続けている6月の訪韓記、ようやく「目的としていた訪問地」の周回を終え、あとは余韻の夜と翌日午前の帰国のみに…

 行程の関係で場合によっては「時間がない/別経路での帰路となり訪問すらできない」可能性があり、まともに下調べもしていなかった文山の街が「思わぬ散策」をできてざっくりと見ていたらもう19時半、ここからソウルまで電車で1時間。そろそろ帰らないと…と電車の時刻表を見るも急行電車は既に終わっていて各停ばかり。あの岩みたいな座席のソウルの通勤電車に1時間以上は…と向かったのは結局はバス停。

旧ターミナルバス停に再び…
やってきました赤いバスが

 京畿道直行バス9710番、文山市街地からソウル中心部まで「ぜんぶ下道」で走破する幹線急行バス的な路線で電車が便利になるまでは大いに賑わった路線の様子。京義線電車が走り出して弱るのかと思いきやソウル中心部に直行できるメリットは大きいようで今も20~30分毎に運行。所要時間はソウル光化門まで2時間弱だけど「乗り換えなし・リクライニングシート」につられて…

片道1時間50分…
韓国の通勤電車の岩座席1時間少々に比べたら天国!
街を出て電車の高架線を横目にバスは快走

 街を出ると高規格道を爆走するのも韓国の路線バスの特徴かなと。そして街が近づくとその街なかへ入っていく…

 上記の投稿で「見えた」このマチ、改めて調べてみたらこれまた歴史ある「マチ場」であることが判明…

1930年代の地形図

 このマチ場は「ポミルチョン」、奉日川。地形図で見ると(右下)大きな市街には見えませんが王朝時代からの坡州郡きっての主要市場が立ったところで大韓帝国時代には坡州郡の中心市街となり日本統治時代でも大きな市が立ち学校も置かれた場所だったことが分かります。そして今も、鉄道から離れていても主要道が通りバスはこのマチ場を、通ってゆくと…

電車だったら見えなかった「歴史」

 そんなこんなでバスは昔からの「マチ場」を出て、陵川に沿ってまた新道を爆走してゆきます。陵川を遡って小さな峠を越えた先は三松、そこから旧把撥そして恩平の大盗賊峠。いよいよ首都へ!

1930年代の地形図に加筆

 さて大盗賊峠とか物騒な名を出しましたが、王朝時代ソウルと平壌そして中国大陸とを結ぶ大幹線街道だったのがこのバスの進む道で、旧把撥は「むかし把撥幕(伝令を伝える郵便馬のようなネットワークの中継地)があった場所」ということで主要街道であったことがここからも窺えるのですが、その流動を狙った盗賊がこことソウル(漢陽)との間の山中・峠道に頻繁に現れていたそうで無事に峠を越えてソウルの街が見えたら平壌や中国からの使者たちもホッとしていたということで。その峠をバスは盗賊なにものぞと爆走していくのが現代と…(盗賊が怖くて写真は撮れず)

 そして坡州・文山からバスに乗って1時間半…

ソウルど真ん中!

 着きました、ソウルの真ん中も真ん中、世宗大路/光化門路と鍾路の交差点!ここまで乗り換えなしで90分ならじゅうぶん便利だわ(たぶん京義中央線電車+地下鉄乗り換えとほぼ変わらない所要時間)やっぱ韓国はバスですよバス!

 …とか言いながらこのあと向かったのは地下鉄5号線光化門駅。韓国発行クレジット/デビットカード同様に使えるWOWPASS付随のT money残高と手持ちウォンが不足気味だったのでチャージ&ウォン現金払出をすべく端末機のある駅へ向かい、そこから「なんとなくこっちだろ」と適当に通路を歩いて地上に出たら…

ここドコ?

 わからんトコロに出てしもた。まったく分からん。初めての場所。いや鍾路が間近なはずなんだけど…

鍾路!…じゃないね
適当に歩いてて出会ったビル街のすきま

 なんか分からないまま適当に歩いてて、ちょっといいなと思った「あたらしい鍾路のうら(たぶん)」な演出。

 そうこうしてたら大通りが見えて、おおお鍾路しかも鐘閣和信앞!

鍾路タワーが元「和信百貨店」

 ここに来たらやっぱり青春コリを見たくなったりして…

なんか明洞とかより鍾路の繁華街が好きなのですよね…

 まあ青春コリそして鍾路の呑み屋街にオッサンがホンパp(ひとりメシ)できるような店もなく、雰囲気を味わったらホームタウンの鍾5に戻ろう…アジョッシは鍾3より東が「居場所」なのだ…戻ろうバスに乗ってアジョッシのホームタウンに…

なんか見かけた地下鉄サインで彩った日式居酒屋
バスから見るアジョッシ夢の街な鍾3

 アジョッシタウンの本拠地にも惑わされず、そして広蔵市場の幻影にも惑わされず(深夜はもう寂しいものと学習した)コンビニで適当に調達し、この日は珍しく22時半に定宿に戻りシャワーを浴びてサッパリしてこのたびの訪韓最後の晩酌タイム。結局まともな韓食は食べられなかったけど、こうやってホテルでユルーい格好でダラダラしながらテレビ見てビール呑むのも幸せなのです。現地民になった気分で。

コチュジャンチェユッキンパpおいしかった
레몬津(진)はレモンチューハイでした
ネーミングが秀逸だけど檸檬堂の***とか()

 そんなこんなで、色々あった7年ぶりの訪韓・放浪を改めて噛みしめるホテルの夜でした。夜が明ければ、そのまま帰国。0時を過ぎたけど、もう暫く余韻に…

(夜が明けて帰国のアレコレはコチラに)

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