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7年ぶりの訪韓ドタバタ劇【11】やってしまった!からの…
第10章にして3泊4日の「ようやく2日目の前半」という本当に遅々として進まない6月の訪韓記ですが…
2日目の14時過ぎ、つぎの「水」へと移動開始。中継地の広州市京安へとバスで向かいます。直通便とタイミングが合わなかったので乗継で移動。韓国の都市圏公共交通は乗り継ぎが無料だったり格安だったりするので途中乗り継ぎの行程を気軽に組めるのが有り難い限り。ソウル/首都圏(京畿道)ではバスは30分以内の乗継なら運賃通算(最初の乗車地点から通し計算で運賃を算出)なので乗継は大抵無料か数百ウォン追加のみで済むのです。
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外国人観光客なんていないだろうな…
バスを乗り換え、広州市の中心市街に入ります。路線バスから見えるちょっとした光景に視線が合うたび、ひょいと降りて歩きたくなったり…
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橋を渡れば京安の市街地。ここは以前訪れ、歩いたことがある街。日本統治下での背景を知らないのに色々と語ってしまった反省がある場所です…
ここでもバスの乗継なのですが、次のバスを待つ間に前回未踏だった市街地東北部を、ちょい歩き。
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さて、バスターミナルへ。
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広州総合バスターミナル。いやぁ相変わらず立派な建物。テナントとして大型スーパー韓国トップブランドのe-martが入居するカナリ立派なターミナルビル。
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いやしかし、聞いてはいましたが近郊・地方都市のバスターミナルの経営危機はここにも及んでいたかと…。韓国はバスターミナルの運営はバス会社や地域自治体ではなく「ターミナル運営会社」が運営する民間事業となっていて、コロナ禍でバスが大幅減便した際に発着料金収入が激減したのに運行管理業務は通常通り運営させられることになり、バスターミナルを閉めて実質的にテナントビルにしたり事業自体をやめたりするところが続出、そうか、こんな状況になっているのか…と感傷に浸っている場合ではない!ここから乗るはずだったバスはどこから乗ればいいんだ?どこだ??と…
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ターミナル内にろくな掲示はなくターミナルビル前の路上停留所にある掲示は要領を得ないものだったので慌てて「ひとつ先」のバス停へ駆けてゆき(とはいえ信号を挟んだ「アッチ」程度の距離ですが)40分に1本のバスに乗り遅れることなく乗車、ふぅ良かった…涼しい…あら充電座がある有り難いわと鞄をゴソゴソしながら「あらこの充電座ささりにくいわ…反応にぶいわ」とゴソゴソゴソゴソやったのが、このあとに…
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乗ったのは座席バス(郊外幹線系統)114番で広州京安と京畿道東南部の韓国随一の米どころ利川を結ぶ…はずだったのが近年延長運行となり京畿道の東南方面の端っこの端っこになる長湖院まで行くようになり片道50km超えのカナリの長距離路線となったそうな。今回は利川の「まちの入口」となるバス停で降りて、そこから街を貫通する川に沿って温泉のある池まで歩こうと。ライフワーク的に妄想している「もしも韓国の私鉄電車構想が実現していたら…」の核心部分として、現地を見てみたかったのです。
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おっと充電にかまけていたら(モバイルバッテリーを忘れて訪韓するという大失態をしたのでスマホ充電最優先思考になっていた)降りるべきバス停間近!ということでいそいそとケーブルを外して降車ボタンを押して、いそいそと下車。さあ、利川の川を撮影だ、スマホのバッテリー節約のため認証ショットのあとはデジカメで…って、あ、そう言えば…
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バスで「おおお充電座がある!」となってケーブルを鞄から引っ張り出すときに「手に持ってたカメラを座席に置いて」作業して、そのままだ…アイゴ!ワイの愛機よ!!あのバスと一緒に長湖院に旅立っていってしまったのか!!!
うわ〜やってしもた〜バスにカメラ忘れてきてしもた〜!乗ったバスの車番とバス会社と終着地は分かってるけど電話交渉できるほどの話力ないぞ… pic.twitter.com/NEdil06UA5
— せき のりかず (@kotonoha_s) June 19, 2024
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慌ててバス停に戻り運行情報を確認します。京畿道のバスはこの辺りの最低限の情報は各バス停に記載があり、この掲示から114番の運行は長湖院バスターミナルを起点として広州バスターミナルで折り返す運用形態で事業者は大原高速、問い合わせ電話番号まで分かります。…が、ワダスは残念ながらこんなに渡韓していながらほとんど韓国語は喋れない。電話は無理…無理でござんす…アイゴ!どうしよう…おまけにネットで大原高速の事業者情報を調べると広州市に本社があるとなっていて「え?起点は長湖院じゃなく広州なの?」とまた混乱…
そんなこんなを半ば愚痴半ば「誰か助け船を出してくれないかな…」と思いながら青い鳥がいたSNSに投稿、何にせよ後を追いかけるにも次のバスは40分後(この時点で右往左往してたので30分後くらい)、予定通りに歩いていけば後続のバスが来るバス停を通るし…と、気を取り直して歩きます。スマホで青い鳥がいたSNSをこまめにチェックしながらバッテリー残量を気にしながら…
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…だけど正直気もそぞろ
いやはや、優しきフォロワー様はいらっしゃるもので連絡代行を申し出ていただいた方が幾人もあり、実際に動いていただいた(すがる思いでお願いした)方もいて感謝でちょっと感涙しながら見る利川の中心市街…
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ご協力いただいた方とのやりとりをするうちに後続のバスは乗り過ごし、追いかけるならまた40分後…と思いながら歩く不安な利川市街。
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そんなこんなでご協力いただいた結果は「電話は通じず」。アイゴ…まあ韓国だしなぁ掲示されてる情報を真に受けてもなぁ…と思いながらご協力いただいた方から「運行事業者のサイトの問い合わせフォームにメールを入れた」とのご連絡をいただき、この結果を受けて明日改めて動くことになるのかな…と思いつつも最後の期待「韓国のバスは担当車制(運転手とバスが固定なので自分のクルマに愛着がある≒車両点検は丁寧)」に賭けて、行ってみるしかない京畿道の端の端な長湖院へ!
とは言うものの40分毎のバスなので次の便まで20分以上あるので目的のひとつだった場所へ行ってみます。時間にそわそわしながら…
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この池は「安興池」の名で朝鮮王朝時代からあるもので、池の中央に眺望亭の「愛蓮亭」が設けられ典雅な景色として王族や地元両班に愛でられていたものだそうで。
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(典雅な王朝絵巻も気もそぞろ…)
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おっと本命の目的を忘れかけてた。温泉…
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池の傍から見上げる、利川温泉の元湯たる「ホテルミランダ」の姿。いやぁ、情報としては知っていたんですが温泉端の典雅な池の風情など何もないのですねぇ…。
利川温泉は鶴が足の傷を癒すのを見たとか近所の農夫がここの湧き水で目を洗うと病が治ったとか、韓国ではよくある謂れの「鉱泉場」で朝鮮王朝時代は王の鉱泉浴での来訪もあり、それ故の愛蓮亭だったとのことですが水温が低いこととソウルからの微妙な遠さから来訪が減ってゆき王朝末期にはほぼ忘れられた鉱泉源になっていたようなのですが、日本統治時代に温泉好きの日本人が「再興を」と動くも戦時体制で実現せず韓国成立後に「温水プールのテーマパーク」みたいな形で整備されていったので愛蓮亭/安興池との結びつきは不要、なんですよね…。でもまあ日本人からしたらちょっと興醒め感があり、また逆に日本統治時代にあったこの温泉の「宝塚のような大開発」があったらどうなっていたんだろうと思いに耽ったり…
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さてそんな夢見がちなのにソワソワな時間は過ぎバスの時刻。改めて長湖院ゆき114番に乗り込みます。
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車窓は都市近郊から工場地帯に代わり、そして自然が垣間見える郊外へ。
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そして韓国の都市部のバスはリアルタイム運行状況をアプリで簡単に見られ、この情報には(忘れ物の確認などのために)運用する車両番号も含まれていてカメラを忘れた2471号車が長湖院から折り返して接近してきた…
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頭によぎるのは「このバスの到着をバス停で待って『カメラの忘れ物はないか』と聞きたい」ということ。もしネット情報通り運行拠点が広州で忘れ物もそこまで持ち帰る扱いになってたら厄介だからその前に確認を…との気持ちで焦るも、冷静に冷静に…と気を落ち着けて考えた結果「より遠く行きにくい長湖院に預かられている可能性」を先に当たっておいた方が翌日がラクだしネットというかnamuwikiを信用するのは冒険に過ぎる、ということでこのままバスに乗って長湖院へ行くと決断!
この車両にカメラ忘れたんだよ…すれ違い前のバス停で降りてこのバス止めて運転手に聞いてもよかったんだけど(韓国は大半が担当車制で運転手は固定)、担当車制での愛車心を信じて車庫まで行くよ…(降りたら次のバスまで40〜50待ち) pic.twitter.com/sAcvlTFb8c
— せき のりかず (@kotonoha_s) June 19, 2024
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利川から1時間、ようやく長湖院バスターミナルに着きました。車庫/操車場らしきものもなく一抹の不安がよぎるも、えいやっとターミナルの発券窓口へ出向き(開いててよかった)スマホの翻訳アプリで「114番バスにカメラの忘れ物がありましたか?」と翻訳読み上げで聞くと「아~ 이거예요?」と。
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驚きと喜びで満面の笑みで「デー!」と大声が出てしまい窓口担当氏が若干引くも何か話しかけてくる。どうやら預かり書に引き取りサインが必要なようで「いるぼんお、おーけー?」と聞けば首を縦に振るので日本漢字でサインし無事にカメラが手元に帰ってきました。カメラ自体もちょっと珍しい機種でもありますが、それよりここまで撮ってきた写真が帰ってきたのが、本当に良かった…。そして連絡にご協力を申し出ていただいた方々、実際にお願いした方に、改めて感謝申し上げます…
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さてカメラも無事に回収でき、まだ明るい時間帯だし普段なら「まあ来る機会は非常に少ないであろう長湖院のマチをせっかくだから歩いてみよう」となるはずが、さすがに気疲れしていたことと「ここからソウルまでバスを乗り継いで3時間」というのを考えると「冒険はやめておこう」と珍しく弱気になり(実際に114番バス以外のリカバリー手段がなく冒険はリスクがあり過ぎたのと体力が残ってなかった)暫しターミナルで休んでまた114番に乗って戻ることにするなど、7年ぶりなのに「やらかした」自分に打ちひしがれる長湖院の夕刻でした…
(つづきはコチラ)