【独立して仕事をすること】会社をやめるタイミングとお金、葛藤
2007年に会社をやめて写真屋として独立して今年で17年。よくまあここまで続いてきたものだなぁ。。と思う。
いつの時期でも大変だけど、思い返せばスタートはとても重要でした。
時代が違う、といえば違うけれど、写真に限らず、これから独立しようとする人たちに少しでも参考になれば、と思い、その時のことを書きます。
会社をやめるタイミング
自分は、ドイツの会社で働いていました。写真とはまったく違う商社という仕事。そこでのキャリアは7年。ただどうしてもその生活に感じた違和感がどんどん大きくなり(そのことについてはまた別の機会に書こうと思います)、とにかく早く飛び出さなくては、という気持ちばかりが大きくなって行きます。写真の道で食べていこうということは決めたものの、技術も経験もない人間に仕事なんかあるはずがない。
そこで思ったのがまずは技術を身につけるということ。ということで、写真の専門学校に通いました。と言ってもフルタイムではなく、仕事が終わって夕方から行ける社会人向けのところ。
会社勤めの最後の2年間をほぼ週に3日ぐらいのペースで、渋谷にある学校に行きました。
よく、「ボーナスもらってから」とか「やめてもバイトしながら」という話も聞いたけれど、それでうまくできた人たちにはほとんど会ったことがない。ボーナスに関しては、もらったはずなのにまだ会社にいるし、飲食店でバイトしていた人たちも気がついたらそっちばかりに時間を取られている。そもそもこんな100%がんばっているつもりでもそれでも苦戦する世界で、なにかと掛け持ちでうまくいくなんて(自分には)ありえない。
会社。。1,2年で辞めてしまうとただ続かなかっただけとも思われる。5年ぐらいやってみてやっと自信も落ち着いた判断ができるのではないか、と。自分は7年かかってしまいましたが、もう少し早くても良かったかもしれません。
お金のこと
当時自分で勝手に作ったお金に関する今思えばかなりどんぶりな計算。
それまで特に考えずにお金を使ってきたけれど、会社をやめると決めてから貯金し、最終的に500万円。それを軍資金としました。
せっかく会社をやめて時間ができた、ということでチベットやインドまで行ってしまったのでそれでいきなり100万円マイナス
カメラやレンズ、照明機器、業務用モニターなど、機材で100万円
名刺を作ったり、写真の作品集を作ったりの、プロモーションに50万円
そうすると、手元に残ったお金は250万円
このお金はなんのために使うかというと、当面の生命維持費。独立したばかりだから仕事が全くないかもしれない。そしたらご飯食べたりするのはこの250万から使っていく。
やっぱりお金は大切な要素の一つだと思った。250万あれば、1年ぐらいは食べ物は食べていけると考えていました。
お金=持久力、という考え。貯金ほとんどない状態で独立した人たちが早々に諦めて戻っていくのもたくさん見ました。
自分への厳しい約束
でも、この250万を全部使い切るわけではありませんでした。
すっからかんになったら、再就職活動をする交通費すら出せない。
なので、250万から切り崩して行って、それが100万を切ることになったら、「強制終了」。つまり、どんな理由があろうが、写真家になるという夢は捨てる、という自分への約束。その100万をもって再就職活動をする。
(・・・ところが、実際には、最初の月の売り上げは7万円ぐらいでやばかったものの、翌月以降、ある程度の収入があり、250万円はほとんど手をつけずに進むことができました。)
葛藤
会社を辞めると決心してからは一心に写真家への道を頑張っていくはずなのですが、会う人たちからはことごとく「いや、今からじゃ年齢的に遅いよ」、「そうとう苦労するよ」、「できるはずない」、「悪いこといわんからやめとけ!」という、ネガティブな意見。
正直、なんども心が折れそうになりました。
一方、会社で感じている違和感も日に日に大きくなり、もう限界かな、と思うことも多く、その時の自分の心の支えは「自分は写真でやっていくんだ」という意思。もう完全に外を向いているのに、その写真のほうにも行けない。。。となると、いまさら会社には気持ちが戻れない。。。出られないし戻れない。。。自分の居場所がなくなっていくのをひしひしと感じました。
でも、もともと単純なのか、すべては「できないはずはない」という根拠のない自信で、自分を騙し騙し乗り切って行った気がします。
「絶対に成功する方法」というのを教わったことがあります。それは「成功するまでやりつづけること」。一見乱暴な理論ですが、あながち間違ってもいないと今は思います。
人間だれでも、なにかと理由をつけて逃げたくなります。精神論はあまり好きではないけれど、結局強い意思を持つことが重要で、もっと重要なのは、その意思を途切れることなく持ち続けることなんだと思います。
・・・なんだか、参考になるんだかならないんだか。
でも、自分はスタートを切ることができました。
こんな感じで、今後も、自分の経験を残していきたいと思っています。