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ClubhouseをUXデザイナーが分析してみる

こんにちは!のだかつきです。今日は、サービスの分析記事です。今大流行しているClubhouseを分析してみました!

Clubhouseとは、ありそうでなかったコミュニティサービス

Clubhouseは、公式の定義によると

Clubhouse is a new type of social network based on voice—where people around the world come together to talk, listen and learn from each other in real-time.

Clubhouseは、音声中心のあたらしい形のSNSです。Clubhouseでは、世界中の人が集い、リアルタイムで「話し」「聴き」「学び合う」プラットフォームです。(やや意訳)

とのことです。Clubhouseは、ドロップインオーディオチャット(drop-in audio chat)アプリだと自称しており、ライブストリーミングでフラっと立ち寄ることが出来る点が特徴です。(Drop Inはふらっと立ち寄る的な意味)

ちなみに、日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、「クラブハウス(clubhouse)」の意味は、「スポーツや娯楽などのクラブの、諸設備が整った会員のための建物や集会所」です。

現代でいうと、ゴルフに行った際にランチを食べるあの、クラブハウスです。

このClubhouseという命名が、サービスの根幹の思想をまさに表していると思いました。そしてかつその独特なポジショニングがありそうでなかった独自性を産んでいます。後ほど触れますが、データ構造も超シンプル。Clubhouseはまさに「コンセプトと仕組み」で勝っているサービスに見えました。

音声版Twitter/音声版mixi/コミュニティ版Stand.fm
/リアルタイム版Peatix

これ、どれでもなくないですか?どれでも無いんです。そこがこのサービスとして絶妙なポジショニングだと思いました。

リプレイスしているのは、デジタルな体験ではなく、コロナで失われた「リアルな体験」をリプレイスをしています。

そんなClubhouseがどんな体験を提供することでこのコンセプトを守りきってきたのかを自分なりに分析をしてみます!

【構造分析】排他的ルーム中心設計が盛り上がりを生んでいる

今回簡易的にですが、リバースモデリング的な手法を使って、Clubhouseが扱っているオブジェクトと関連性だけを可視化してみました。

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データ自体はめちゃくちゃシンプルです。概念化の記事でも述べましたが、似たようなデータを扱っているサービスはやまほどありますが、コンセプトと少しの仕掛けでClubhouseならではの「意味づけ」をしています。

【User】は【Interests】、いわゆる興味関心のあるテーマや【Club】をフォローします。そして、【User】や【Club】がスタートした【Room】に入室をして音声を楽しむ構造になっています。このサービスのグロースの本質としては、【User】と【Club】を徹底的に拡充することで、関心のある【Room】つまり配信を増やすサイクルを描いていると思います。

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まずひとつ目のハマるしかけが、「招待性の魔力」です。「クラブハウス(clubhouse)」の意味は、「スポーツや娯楽などのクラブの、諸設備が整った会員のための建物や集会所」であると述べましたが、ここの本質は「会員制」です。ゴルフを楽しむ大人同様、「他の人には出来ない体験」を享受している感覚を提供出来る仕組み、それが「招待」です。

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ユーザーになれる、(データベース上だと、そもそもアカウントデータを生成出来る)という事自体を「制限」をすることで1つめの特別感を醸成しています。

また、2つ目の「招待」は、リスナーとスピーカーの差です。

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Roomには、【User】データの属性として「スピーカー」か「リスナー」かという階層を用意しています。これによって、サービスに入会するというハードルだけではなく、コンテンツ提供者になるという体験を提供することで、インフルエンス力の高い人がより配信したくなる仕組みを作っています。

これも、データとしては非常にシンプルな【User】データでありながら、Clubhouseの本質である「権限」の意味づけをすることで人のハートを揺さぶっています。

また、リアルな体験における「Clubhouse」は排他的なコミュニティで、それが人に見せびらかすものではありませんでした。ですが、インターネットによりこの「排他性」を排除し、「特別感」を公開するというイノベーションを生んでいます。深津さんのツイートのように、今後これまで手が届かなかった【User】の増加(例えば芸能人とか)や、【Club】にガンガン投資をすることでコンテンツパワーを上げてくるだろう。というのが短期的なグロースの予想です。


【ユニークコンセプト】アーカイブではなく、期待醸成志向

更に、Twitterをはじめとした文字のサービスにはないコンセプトが「アーカイブ」を残さない点です。本来であればこのサービスの本質である、「Room」のデータをどんどん拡充し、コンテンツにあふれるプラットフォームを作っていきたいと考えるのですが、このサービスはあえて「コンテンツデータ」を刹那的なものにしています。

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そのかわり、フォローするユーザー数と参加クラブ数をストックしまくることで、フォローしている人が今後どんなイベントをやってくれるかな?という「期待醸成」をすることでエンゲージメントを高める戦略を取っています。これもデータとしては非常にシンプルで未来の【Room】には日時データを持たせて予告をしているに過ぎません。

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Youtubeであれば過去の動画を見漁る「アーカイブ志向」を採用していますが、Youtubeには期待醸成の機能はそこまでありません(Youtuberが次の動画を予告するレベルはありますが)。

これがClubhouseなりの情報飽和社会に対するアンチテーゼなのでは?と思っています。

また、そのコンテンツの刹那感の演出のために、チャットすらも排除しています。「聴覚」にUXをあえて制限することで、コンテンツに対する「集中」を産んでいます。これもまた、「今しかない」という特別感の演出を一層際立たせています。

最後に

ここまで説明した内容だけでなく、僕のわかる範囲以上に、このサービスは人の動きを生む天才的なデザインがなされたサービスだと思います。まさにシンプルなデータや技術に意味を持たせてイノベーションを起こした、デザイン的なサービス開発、しびれました!

まだまだサービスは世の中に飽和しているわけではない、どこかに必ずインサイトはある。これからも、良いサービスを生み出せるよう精進していきたいです!!! 

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Katsuki Noda
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