夢の国とは
年が明けて半日も経たないうちに、私たちは地元を後にして、夢の国に向かった。
今回は、そのお出かけについてのお話である。
大部分は、実際に並んでいる間に書いているので、よりリアルな様子をお届けできると思う。
先に移動日の様子を少しだけお見せしてから、本題に移ろうと思う。
1日目 ・ 3日目(移動日)
2日目
過酷
夢の国に行く者の朝は早い。
私たちは、4時半に起床し、6時頃には現地に到着した。
2時間待つことを想定している時点でかなり厳しくはあるが。
しかし同じことを考えている輩も多いようで、駐車場への入場を待つ車がひしめき合っていた。
外周道路が2車線あるのだが入場ゲートに入れるのは左の車線のみである。
今回は初見殺しにも対応できたが、入口のモニュメントから入場ゲートまで辿り着くまでに40分かかっている。
車から降りて歩いてエントランスまで行く方もそこそこ見られた。判断が早い。
今回私たちが訪れたのは、夢の国の中でも「TDS」の方である。
TDLのメインアトラクションがメンテナンス中、
さらにTDSに人気アトラクションが多い、
このような理由から、体感ではTDLと比べて10倍以上の車がTDSに吸い込まれていた。
異変
想定外に混んでいたので、車の中で朝食をとった。
しかし田舎者ゆえ、私は慣れない環境に狂わされる。
なんか満腹にならんのだが
だが食べ過ぎると後の自分が苦しむため、朝食を強制終了し、パークへと向かった。
便意
駐車場を出ると、案の定、人でごった返していた。
すでに人酔いしている。
入場の待機列が長すぎるので、先にトイレを済ませておくことにした。
10分あれば戻ってこれるだろう。
は?これ全部トイレ待ち??
結局、30分ほど時間を要した。用を足しすぎだ。
そもそも、トイレで待つことが前提ならば、「トイレ行きたい!限界!!」になってからトイレに行くこと自体が間違いなんだろうな。
合流
ご存じの方が多いと思うが、TDSの入場ゲートは、北側と南側の2種類ある。
トイレを済ませた私は、送られていた写真を頼りに家族と合流を図った。
後はもう察してほしい。
合流までにも30分かかってしまった。
人の波を掻き分けていくの、嫌な気持ちになる
入場
意外と日本人が多い。正月なのにな
あと寒い
さて、入場にあたってまずセキュリティ検査を受けるのだが、なぜか引っかかったので精密検査を受ける。
特に変なものは持ってなかったので、もちろん、精密検査は即通過した。
その後は電子チケットを用いて改札を通過した。
しかしそこには、パークにできるだけ早く入りたい人が、我先にと押し寄せていく姿があった。
果たして治安はどうなのだろうか。
暴動が起きていないだけマシというべきだろうか…
渋滞
どのアトラクションに乗るにも、待つことは必須だと言ってよい。
最初に乗った「ソアリン:ファンタスティック・フライト」
このアトラクションは200分待ちであった。TDSでは1番人気のアトラクションなのだろう。
アトラクションのある建物内には部屋がいくつかあり、待ち人の行列が通る通路が何度も曲がりながら設置されている。そのため周囲の人口密度は悍しいものである。
嬉しかったのは、通路の至る場所に座れるものがあったことだろうか。
圧巻
本当に200分待って、アトラクション内に来た。
世界観の説明は、本当に力が入っていた。
流石、期待を裏切らない。
しかし、ここまでハードルを上げて大丈夫か?
……
一通り説明が終わり搭乗口を通ると、そこには90人ほど乗れる超巨大な乗り物と、これまた超巨大なスクリーンがあった。
何をされるか見当もつかない。
そして乗り物が動きだす。
うおおおおおおすげええええええ
乗り物が突然浮かび上がり、スクリーンの前へ移動する。そしてスクリーンに映し出される映像と音響に合わせて乗り物が動き、匂いまで放出される。
演出もなかなかに面白い。
飛行機が縦横無尽に飛び回り、何かにぶつかりそうになる。それに合わせて映像が切り替わっていく。
迫力と臨場感を見せるには十分である。
アトラクションが終わった後、自然と拍手が巻き起こったのが印象的であった。
ここまで感動するアトラクションは見たことがないかもしれない。
「圧巻」と形容するにぴったりであった。
百聞は一見に如かず。TDSに行かれた際には、ぜひ乗ってみてほしい。
簡単に…ハードルを超えてきやがった…!
昼食
お昼時になったが、悠長に食べてはいられない。軽食を買って、並びながら食べるのだ。
運転が再開した「センター・オブ・ジ・アース」に並びながら、胃袋を満たす。ちなみに140分待ちらしい。はぁ……
裏側
有料のプレミアムパス?を使って乗る方が多く、キャストの方は、その対応に迫られていた。
体感、進み具合に3倍ほどの差が見られた。時間でお金を買うってこういうことなのか…
さて、なんやかんや200分待った後、エレベーターで地下の乗り場に降りる。
もの凄く深くまで連れられているように感じるが演出がそうさせているだけで、実際はそんなに深くはないんだろうな
そして実際に乗ってみた。
全体的にかなりうるさめ、大人しめ(?)だが、終盤にそこそこスリリングな場所があった。
しかしそれも一瞬だった。思ったよりも物足りない……
幻想
優先券を持っていたので、「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮」にも乗車。
世界観たっぷりの魔宮の中を、縦横無尽に、かつ雑に駆け回っていく。
予測不可能な動きが、まさにアトラクションって感じで良さげだった。
惜しむらくは、前後の車が見えていたところか。場所の余裕はありそうなので、スペースを広く使ってほしかった。
インディ・ジョーンズのアトラクションから出ると、辺りは日が暮れて暗くなっていた。
しかし、闇夜のパークは違った表情を見せる。恐ろしさの中に美しさを感じられる、幻想的で魅惑の風景だ。ここは現世か?
決断
最近新しくできたエリア「ファンタジースプリングス」に訪問。
滝の存在感が凄かった。
乗る予定だったアトラクションに向かったが、なんと80分待ちである。閉園前の80分待ちはかなり痛い。
悩んだ末、これを諦め、50分待ちの「海底2万マイル」に乗ることとした。ちなみに一度体験済みだが、ほぼ記憶はないので初見の気持ちで乗る。
終宴
潜水艇に乗って海中探索を体験するものである。しかし途中でトラブルが発生し、潜水艇が動かなくなる危機に見舞われる。最終的には助かるのであるが、緊張感が伝わってきてなかなかに面白かった。
ちなみに、この潜水艇は言わずもがな濡れていない。潜水艇が水中に潜る場面があるが、もちろん演出である。泡や音はすべて作り物である。これまた「見せかけ」の技術が凄まじい。ええやん。
さて、閉園時間も迫ってきたが、最後に見せ物があるようなので鑑賞してみることとする。
そして夜のショーである、「ビリーヴ!〜シー・オブ・ドリームス〜」が始まった。
このショーには、あるテーマが存在する。「信じ続ければ、願いは叶う」というものだ。この信念に則って、様々なストーリーが展開されていく。
ちなみにどんなストーリーなのかは、私にも理解することができなかった。
ただ「演出がすげぇ…」以上の感想がない。何も分からないうちに、大きな衝撃を与えられていただけかもしれない。ただ終わった後には、なんとも言えない余韻が残っていた。
それにしても、「信じ続ければ、願いは叶う」って、普通に良い言葉だな。座右の銘にでもしようかな
叫喚
ショーが終わり、ショップでお土産を見ることにした。何を買うのかは決めていない。余裕があったら見て、良いものがあれば買うかもしれない。
しかし、考えていることは皆同じなようで、ショップ内はすぐに大変なこととなった。完全にキャパオーバーである。
商品を見られないどころか、まともに身動きがとれない。阿鼻叫喚である。通勤ラッシュの時間帯の山手線か?
結局、何も買わずにパークを後にした。
現実
夢の国などと謳っているが、その実情は闇深い。
その闇深さの原因は、圧倒的に人の多さである。
せっかく高い入園料を払っているので、たくさんのアトラクションに乗るなどして、全身全霊で楽しみたい。誰しもがそう考えているだろう。
しかし、入園者の母数が大きすぎるのである。
どのアトラクションに行くにも、同じ考えの人が多すぎるのだ。
こうなると当然、恐ろしいほどの混雑が発生する。
人の多さは、普通に歩いているだけでも厄介である。
通路は広いが、やはり人が多すぎて通るスペースがほとんどないのである。人の波を掻き分けながら強引に進まなければならない。
身体同士の衝突は上等。とにかく皆が、自分のことだけを考えている。そこにもはや、思いやりなどない。人間として、ダメになりそうだ。
あとは単純に、電波状態が常に良くない。やはり人が多いからだろう。待ち時間にゲームができない、という程度ならまだいいが、今はもうチケットがすべて電子化されているので、場合によっては致命傷である。今更電子化をやめることなどできないので、通信回線の強化を期待したい。
恩恵
高い入園料と人の多さを我慢して、それだけの見返りはあるのか?
私なりの結論は、こうだ。
ないことはない
待ち時間が短ければ「アトラクション楽しい!!最高!!」となるに違いない。
しかし見返りが待ち時間に見合っているか?と言われると疑問である。今回乗った中では、ソアリンくらいであろう。
もちろん、運営側も最大限の努力はされている。リアリティーの高い演出や徹底的な温度・安全管理、臨機応変な対応など、すべて素晴らしいものであった。
だが、それでも限界はある。
各々がどこまでを許容するか?
これ次第だろう。
変化
正直、最初は行く気があまりなかった。道中で人酔いしたこともあり、途中から嫌気が差してきたため、もうアンチになってやろうかなとすら思った。
しかし、実際に行ってみると、価値観が変わってしまった。
冒険心を求めて、子供のように駆け回る。そんな家族の姿を、私は認めていた。
いつしか、私自身も元気をもらった。
なんなんだこの遊園地は。
ちなみに私は今も、自らTDSに赴くつもりはない。行ってみたら案外楽しいというだけで、別に「行きたいとは思わないわ〜」の気持ちは、これからも変わらないだろう。
教訓
最後に、これからTDSに行く予定のある方向けに、私から何点か伝えておきたいと思う。TDLの方でも同じことが言えると思うので、ぜひ参考にしていただきたい。
① 複数人で行くべし
人が多すぎる都合上、どうしても一つひとつの行動に時間がかかってしまう。多くの行動を行うために、人手は多いに越したことはない。
間食を買う、トイレに行く、アトラクションに並ぶ、優先券を手配する、といった行動を、役割を決めて分担することを推奨する。
間違っても、一人で行こうとは考えてはいけない。何もできずに終わる。
② 遠慮してはいけない
夢の国では、現実世界の常識があまり通用しない。例えば「譲り合いの精神」などはない。周りの人を押しのけて歩くことや、先に並んでいた知り合いの元に途中から割り込みすることなどは、よくあることだ。
夢の国の中に広がっているのは、「それぞれの目的に向かって競争する世界」なのである。あらゆる手段を駆使して、競争を有利に進めよう。お金なども含めて遠慮していると、すぐに負けてしまうぞ。
もちろん、法には触れないようにしていただきたい。日本の法律だけは、夢の国でも適用される。
③ 待ち時間の対策をするべし
アトラクションの待ち時間は苦痛である。暇つぶしになるものや、体力を温存できるものを用意しておくことをおすすめする。
例えば、次のようなものである。
・ゲーム機(暇つぶし用)
・本(暇つぶし用)
・軽い飲食物(暇つぶし・体力温存用)
・折りたたみ椅子(体力温存用)
・寒さ対策 or 暑さ対策のグッズ(体力温存用)
・モバイルバッテリー(非常用)
ただし、荷物はできるだけ少なくしておくべきである。頻繁に移動するなら尚更である。
④ 健康であれ
体調を崩したら終わりである。よく寝て、当日は思いっきり楽しんでほしい。
寒暖差を調節できる準備も怠らないように。建物内は適切に温度管理されているが、海沿いにあるので外(特に日陰)は結構寒い。
私から伝えられることは以上である。
十分に気をつけて、夢の世界へ向かってほしい。
皆様方の心からの幸せを願う。