ドキュメント岐阜羽島軍10.4決戦 6回ウラ〜試合終了

6回のウラ、岐阜羽島軍の攻撃はイツキ選手から始まった。先ほどの守備で良いところが出た流れでシングルヒット。これも何もかも金のためである。

しかし後続のかなち選手ゲッツー、岐阜選手がクソみたいな三振でスリーアウト。

ここでふじみ野ポヨ達ラッキー7の攻撃ということで、球団歌の「MR.アンディ -party style-」が羽島スタヂアムに流れる。レフトスタンドのポヨ達ファンによるMR.アンディ -party style-の大合唱。

そんな中7回の表にはたかねち選手が登板。本来たかねち選手は先発だが、出せる選手はどんどん出す、と監督。
たかねち選手は慣れない中継ぎに戸惑っていた。
戸惑いすぎてポヨナンデス選手、マーくんのポヨバーガー選手、ポヨ(公式)選手に三者連続デッドボールを献上。これにはふじみ野ポヨ達ベンチからもヤジが飛ぶ。
しかし三者連続で人に球をぶつけると人は逆に冷静になるもので、ここからポヨわさ選手ライトフライ、ポヨッテリア選手をゲッツーに抑え無事無失点。こういう試合はゲッツーがお互い多くなり観てる側としてはストレスが溜まる。本当に球遊びは精神に良くない。

7回ウラの前、岐阜羽島軍球団歌の君が代が流れる。ここで試合開始前にも君が代を流していたのでタイムリープが発生してしまったが、なんとか時間軸が元に戻って試合再開。ポヨ達の投手は先発のポヨ揺れ選手からポヨちゃむ選手にスイッチ。

7回ウラの岐阜羽島軍の攻撃は2番あきやま選手がセンターへのシングルヒットでノーアウトからランナーが出る。
続くみきちゃんさん選手も右中間へ大きな当たりを放つ。しかし中堅手のポヨわさ選手が決死のダイビングプレー。頭から地面に落ちて人ならざる首の曲がり方をしたが、ボールはグラブに収まっている。アウトだ。
このプレーでポヨわさ選手は首の骨を折り、交代となった。代わりにポヨ沢亮選手がセンターの守備に就く。

ワンナウト一塁でポヨ選手が四球、にとも選手はか弱いセカンドゴロが進塁打となり、ツーアウト二、三塁となった。

続くバッターはまとも選手。同点のチャンスに球場も大盛り上がりである。

そんなまとも選手はプロ野球選手としての矜持を持っていた。
高校野球のようなプレーはしない。一塁までの全力疾走こそすれど、一塁へのヘッドスライディングはしないし、プレー一つに対して派手な喜び方もしない、全てのプレーをそつなくこなし淡々と試合を進めていくのが自分がプロ野球選手として生きていく上で大切にしていることだった。

今この瞬間も、みんな盛り上がっているが自分は自分の仕事をするだけと打席に立つ。

カウントツーワンからの4球目、ポヨちゃむ選手の武器であるツーシームに手を出す。バットの下を掠めたボールはショートへの弱い打球になった。

ショートのポ太郎選手が前に出てきてランニングスロー。

駆け抜けて間に合うかどうか微妙なタイミングだった。まとも選手は無我夢中だった。気が付けば頭から一塁ベースに突っ込んでいた。

審判は横に手を広げる、セーフの判定だ。
タイムリー内野安打で岐阜羽島軍ついに同点。

立ち上がったまとも選手は今までグラウンドで見せたことのない喜びの表情とともに叫んだ。岐阜羽島軍のベンチに向かってガッツポーズもした。1つのプレーにこれだけ熱くなるのはプロ野球人生で初めてだった。意識外のところでこの試合に対する、優勝を決めるという熱い想いがあったとは、まとも選手は自分でも驚いた。次のバッターが打席に立つ頃にはいつも通りに戻っていた。

すこやか選手はセカンドゴロに倒れチェンジ。

8回表〜ウラ 特になし(本当に書くのが面倒なため)

9回表、すこやか選手に代わりになみぷ選手がレフトに入る。投手はえちご選手。危なげなく三者凡退に斬り、サヨナラ勝利に向け流れを作った。

9回ウラ、ふじみ野ポヨ達の絶対的守護神である、ポヨ川ポヨ児が登板。ここまで80登板80S防御率0.00を誇るバグみたいな投手である。

イツキ選手、かなち選手が手も足も出ず連続三振に倒れる。

続くバッターは、岐阜選手。
岐阜選手は今日一日ずっと恥ずかしかった。「僕に憧れるのは辞めましょうw」と言った後、ここまで全打席空振り三振であった。もうここで打たないとさすがにヤバイ。契約もチーム内での立場も何もかも終わる。そう考えて打席に入った岐阜選手の目は、ガンギマリ状態だった。

第1球目、外角高めへのストレートをファウル。
第2球目、スライダーが高く浮いてボール。
ここで岐阜選手がタイムを取る。緊張で汗が大量に出ており、バッターボックスが軽く泥になっていた。ふじみ野ポヨ達のキャッチャーの深田ポヨ美選手もこれにはちょっと嫌な顔をしていた。

気を取り直して第3球目、釣り球のストレートに空振り。この時点で大体球場にいた全員もうダメだなと思っていた。まぁ延長戦あるし…みたいな空気感が漂っていた。

そして第4球目、内角高めにストレートが来た。
ボール半個分甘く入ったそのボールを岐阜選手は振り抜いた。岐阜選手は打球の行方も見ずにとにかく一塁へ全力疾走した。


誰もがレフトスタンドの方を観ていた。全力疾走を続けている岐阜選手の目に、動かないふじみ野ポヨ達の選手が飛び込んできた。どうしてこの人たちは守備を諦めているのだろう?岐阜選手ははっとして打球が飛んだであろう方向を見た。

打球はレフトスタンドにそびえる5mのフェンスの向こう側へ届いていた。

サヨナラホームラン。羽島スタヂアムを今までにないほどの歓声が包んだ。岐阜選手は一塁を回ったあたりで絶叫した、高く跳ねた。ベースの踏み忘れが無いかめちゃくちゃ確認した。

ホームベース付近では仲間たちが待っていた。ヘルメットを放り投げホームベースを踏む。この瞬間岐阜羽島軍創設70年目にして初の優勝を成し遂げた。






しーな監督は歓喜の輪に加わらず、「たかが球遊びだよ。」とだけ呟いたらしい、逆張りがよ。

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