日本全国駅アルバムVol.5@塩町
0.はじめに
あけましておめでとうございます。「あけまして」ってちょっと特殊な日本語ですよね。「チャンネル登録者数10万人達成しましておめでとうございます」とかは聞いたことない気がします。今年もよろしくお願いします。
※注意事項
・書いてあることは9割5分筆者の妄想と願望と虚言です
・行ってから時間が経っていて執筆時の状況と違う場合があります
1.基本情報
駅名:塩町
読み:しおまち
所在:広島県三次市塩町2183
開業:1930年4月22日
所属路線:JR芸備線、福塩線
停車種別:普通
隣駅:神杉(広島方面)、下和知(備中神代方面)、三良坂(福山方面)
2.なぜこの駅?
今回は広島県の塩町駅です。広島県内陸部を走る芸備線の駅で、この駅から福山へ向かう福塩線が分岐しています。西日本旅行で芸備線から福塩線に乗り換える際、始発駅の三次駅で乗り換える方が楽なところを「小さい分岐駅ってなんかエモくね?」とか言ってこの駅で1時間15分も列車を待っていました。みなさんは時間を大切に生きてください。
3.駅名の由来
山間部なのに「塩」の字が使われているのは、かつてこの地域が海の底だったころの岩塩がまだ残っており、塩神神社という神社の池から塩分を含んだ水が湧いているからだと言われています。
…という内容の記事が「塩町 由来」とググると一番上に出てきます。三次市立田幸小学校の6年生が書いたようですが、なぜネットの海に流れているのでしょうか。ちなみに「田幸」はこの駅が開業してから4年間だけ名乗っていた名前で、それまでは隣の神杉駅が塩町駅を名乗っていました。「神杉」もなかなか壮大な名前ですね。
4.路線について
「芸備線」という名前は「安芸」と「備後」から取られており、山間部を経由して岡山県と広島県を結んでいます。正式な起点は伯備線の備中神代駅ですが、全列車がそのまま伯備線の新見駅まで乗り入れるため、新見駅が実質的な起点となっています。備中神代と新見の間には布原という「伯備線の駅なのに芸備線の列車しか止まらない」というおかしな駅があったり、新見~備後落合は営業係数(100円の営業収入を得るのにいくら営業費用が必要かの値)が驚異の10万を叩き出すなど、なかなかキャラの濃い路線です。
↓芸備線の備後落合行き。新見からは1日3本しかない。
「福塩線」という名前は起点の福山と終点の塩町から取られていますが、塩町を通る福塩線の列車は全てそのまま三次まで乗り入れるため、三次が実質的な終点となっています。福山~府中は両備軽便鉄道という私鉄の路線として開業し、電化もされているので、あまり府中以北と同じ路線という感じはしません。広島から芸備線・塩町経由で府中まで行く列車がありましたが、少し前に無くなってしまいました。
↓福塩線府中駅。左が電車で右がディーゼルカー。
5.駅の様子
分岐駅ですが、ホームは1つだけで、かなり狭いです。
反対側から。点字ブロックなどというちゃんとしたものはなく、白点線です。ホーム自体もかなりガタガタなのがわかります。
駅名標です。隣駅は2列に分けて表示されています。西日本の小さな駅では、このように外枠は国鉄時代のまま中身だけ差し替えたものが多いです。
方面標示です。ほぼこの看板を見るためにこの駅に来たようなものです。こういう「古いけど替える必要が無いから残ってる」みたいな看板が大好きなんですよね。本当に替える必要が無いのかは知りませんが。
乗ってきた三次行きの芸備線です。もう少しかわいい見た目をしていたはずなのですが、JR西日本お得意の体質改善工事によってロボットみたいになってしまいました。内装も京阪神地区の最新型車両と全く同じなので違和感が凄まじいです。
ホームを出ようとするとなんと地下道。高架駅でもないのにホームの端に地下入口があるのはちょっと珍しい気がします。
出口。一人でいると明るくてもちょっと怖いです。
今は使われていない改札設備です。丸いくぼみのところに駅員さんが立って切符を切っていたと思われます。後から付けられたサッシ扉も含めて有人駅から無人駅に変わった駅ではよくみられます。
待合室の中にあるいかにも切符を売ってくれそうな場所です。有人駅時代のものが比較的そのまま残っているものと思われます。駅によっては窓の部分はカーテンか何かで塞がれていることが多いです。
塩町の時刻表です。11時台は何も来ないので実質フリータイムですが、何も来ないからといって線路で遊ぶとちゃんと犯罪になるのでやめましょう。
塩町駅の歴史が貼ってありました。あまりに達筆なのである程度事前知識が無いとなかなか読めないです。よく見ると作られたのが平成13年なので21世紀の情報は一切掲載されていません。
待合室に貼ってあるレトロなカフェの広告です。Googleマップだと出てこないので、ここに行く人はあらかじめ塩町駅待合室の中にあるこれを見に行くか食べログを閲覧しましょう。
駅舎全景です。立派な瓦屋根と木造駅舎がいかにも国鉄の地方駅って感じでいいですね。自販機とかあると思ったら大間違いです。
国鉄時代からのものと思われる看板です。小学校の図工室にある古い道具って大体こんな色してますよね。
旧改札口に戻ってくると右に新しめの設備で封鎖された通路が。地下道ができる前はここがホームへの道だったかも…?
正解でした。地下道ができたのが1984年らしいので、それまではこの構内踏切を通る通路が使われていたものと思われます。なぜホーム側の柵だけ錆びだらけなのか、なぜそんなところに駅名標を設置したのかは分かりません。
6.終わりに
この駅の探検(?)中に来た乗客は待合室で音出しながらYouTubeを見始めた女子高生一人だけでした。1人の時間邪魔してごめんなさい。一人でこういう古い設備の残っている駅にいると脱出ゲームをしている気分になるのでワクワクするとともにちょっと怖さも感じます。田舎のちょっと大きめの無人駅、おすすめです。