KONAMIN ROCK FESTIVAL’ 2023を終えて
みなさん、ありがとうございました。
とーますも参加したKONAMIN ROCK FESTIVAL’ 2023(以下、こなみんフェス)が無事に終了いたしました(2023.12.11-17, @渋谷ギャラリーコンシール)。
写真展なのにロックフェス。
そう言い切る以上、「写真」と「音楽」がキーワードになる。
このイベントに参加するにあたり、これは最初から最後まで意識しました。
そもそも僕にとって佐野小波とは何か。
言わずもがな、ポートレート界の第一人者。
でも同時に僕にとっては誰よりも音楽を愛するひとりの女の子、という認識があります。
実際、僕がこなみんと会話してる時の話題の大半は音楽のことですし。
そんなこなみんは高校時代バンドでギターを担当。
彼女にとって音を変えるエフェクターはギターとともに欠かせないツール。
それならやはりBOSSのこれでしょう。
フェイザーの緑とディストーションのオレンジ。
対になる色の組み合わせもいい。
よしっ、撮影時のテーマは[ phase / distortion ](位相と歪み)に決定!
そこで、
「世界の位相を変え、歪ませることができるデバイスを持つ少女」
という設定で、ChatGPTに英語の歌の「歌詞」を生成してもらいました。
それがこちら。
すごくない?ご丁寧に「1番」「サビ」「アウトロ」とか曲の構成まで指定してきてる。
この実にサイバーな歌詞を事前にこなみんに送り、イメージを作ってもらって撮影に臨んだのです。
さてこれをそのまま現像すれば完成です。
…が、それだけではおもしろくない。なにせこなみんフェスですから。
さらに一段、ロックにしたい。
そこで使った実験的な手法がAudio Glitch(オーディオ・グリッチ)。
これ、僕が勝手に命名しただけなのでググっても出てきませんよ。
JPGの画像データを無理やり音声データとして音楽制作アプリにぶち込み、
そこでさまざまな音楽用のエフェクトをかけます。
フェイザー、ディストーションだけでなくディレイ、コーラス、ワウワウ、波形の前後入れ替え、etc…。
でも、作業しているのはあくまで「波形」ですから、完成の画像がどうなるのかはわからない。
(余談ですが、この波形をそのまま「再生」しても「ガー」「グギギギギ」「ザー」とかのデジタルなノイズにしか聞こえません。スピーカーと耳が壊れるのでやめましょう)
もうこのあたりでいいかな、と思ったらそれを書き出して(ここまでは音声)、今度は強引に画像データに戻すと出来上がり。
と言っても10回中9回はめちゃくちゃで使えない画像にしかなりません。
でも、うまくいけばサイバーかつサイケな画像になります。
何言ってるかわからないですよね?
わからなくて問題ありません。普通の人はやらないです。
はい、もう変態です。
どうしても詳しく知りたい方は、
「画像 Audacity グリッチ」
で検索してください。作り方と作例がたくさん出てきます。
この手法は僕が発明したわけではないので、興味ある変態さんはぜひやってみてください。
ところが、ポートレートでこの手法を使った作品には、僕は今までお目にかかったことないんですよ。
やはり女の子をストレートに綺麗に仕上げるためにふさわしい手法というわけではないのでしょう。
でもね、佐野小波ならうまくいく。
根拠のない自信だけど、そう念じながら仕上げたのが今回の作品です。
かなり強引な手法ですが、出来上がったサイケな写真の中にいるこなみんはやっぱりかわいいんですよ。
結局、どんな設定でも、どんな変態な手法で画像をいじっても、佐野小波はちゃんと佐野小波として凛としてそこに写っていて、やはりこなみんは最強でした。
そんな、考えてみれば当たり前のことを証明できたのが、今回の実験の成果と言えそうです。
最後に、
僕が配置されたのはBeachステージ。
ここのテーマは
「刺激が欲しけりゃバカになれ」
でした。
ここに集まった10名のカメラマンの作品、みんな変態でした!
(あ、猫宮りさちゃんはまともだよ!)
そんな最高な10名をここに指名したのは佐野小波ご本人。
もうね、それに感謝です。
そして最後の最後にもう一度、
このような機会を与えてくれた佐野小波さん、
運営で何から何まで引っ張ってくれたケンタソーヤングさん、
出展したクレイジーなカメラマン諸氏、
そしてわざわざ4階までご来場いただきました素敵なみなさまに最大の感謝をいたします。
うん、フェスはみんなで作るから楽しいんだよね。
ありがとう。