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sannoun
結婚。競争からの解脱
結婚だけが幸福ではない世界で、あえて結婚の良さを語りたい。
恋愛市場の競争から降りられること、これに尽きる。
モテ、つまり「自分は恋愛市場で男としての価値があるのか」を悩まなくても済む。
僕は元々、他人と比べたり競争するのが嫌いだ。
世の中のおもな競争は社会と恋愛、この2つの市場だ。
普通に社会の枠組みで生きるなら、年収やスキルといった社会での競争からは逃れられない。これは仕方ない。でも、恋愛というプライベートでまで競争するのは勘弁だ。
30、40代の独身男性が飲み会で「俺まだイケるよね?」といった雰囲気を出してるのを見ると、あの争いから降りられてよかった、と胸を撫で下ろす気持ちになる。
だが、恋愛市場から降りたから楽だ、というわけでもない。今度は夫婦という関係維持の戦いが始まる。
結婚1年目、夫婦仲は極めて良好だ。でも、これを何十年と継続するのは困難なことだと感じる。
結婚してるんだからちょっとやそっとじゃ関係は切れやしない。そう侮った瞬間に崩れてしまうくらい脆いものだろう。
恋愛市場では「今はまだいいや」と保留にすることもできるし、一生独身を貫くという離脱も可能だ。
だが、夫婦関係はそうはいかない。「いったん離婚しよう」なんてことは無理だ。これから死ぬまで関係維持が続く。
それでも、これは素晴らしいことだと思う。
妻という1人の人間に愛されるために努力すればいい。1人の人間を愛するために努力すればいい。長い道のりだし辛いこともあるが、登る価値のある山だ。
宇多田ヒカルの『誰にも言わない』の歌詞は僕がつらつら書いたことを端的に表している。
一人で生きるより永遠に傷つきたい そう思えなきゃ楽しくないじゃん