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バルコニー ・ベランダの隠れた雨漏れ

雨漏れ被害の問合せで全体の2割程度あるのが、建物から張り出したところのバルコニーやベランダからの雨漏れがあります。
バルコニー ・ベランダによく使用されているのがシート防水やFRP防水と言われる防水材。常日頃、雨風や紫外線にさらされて経年劣化で痛んでしまうことがあるので定期的なメンテナンス、施工時も充分に注意する必要があるところです。
ご近所の方から以前、問い合せがあったのが、このバルコニーからの雨漏れでした。が、よくよく話を聞いてみると少し不可解な雨漏れでした。

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防水層のひびが入ってしまいそこから雨が流入、下の居室の天井が雨漏れした。という予測で、お施主さんが自分でコーキングを打って補修してとのことです。一旦は防水層にコーキングを打って雨漏れが止まったそうですが、お盆休みの8月15日に襲来した台風10号でまたもや雨漏れ。。。という経緯で近所だったぼくのところに問い合せをもらいました。

いざ現場を見させてもらい話を伺うと、普段雨が降っても雨漏れすることはなく、風が強く特に南風が吹くと雨漏れするとのこと。お盆休みの台風10号の時は雨漏れしたけど、先日の台風19号では雨漏れしなかったとのことでした。

名古屋・東海・いつ上陸

台風10号の進路が↑。愛知県の左側に進路をとっていたので、反時計回りで動く台風の風は南寄りの風となって吹いていた台風10号。

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それに比べ、甚大な被害をもたらした台風19号は、愛知県の右側に進路をとっていたので、当日はどちらかというと北風が強かった印象でした。

台風10号で雨漏れして、台風19号では雨漏れしなかった今回の雨漏れ。

お施主さんが打ったコーキングが防水と相性の良い変性シリコンで打ってあり、切れている様子もなく、問題なし。とすると、台風10号の南風が雨を巻き込み雨漏れする。ということになると、雨漏れの原因が防水層の割れだけではなりました。

ではどこから雨漏れしたのか?もう一つの原因が、バルコニー ・ベランダで一番多くて危ない雨漏れの原因が、

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住宅保証機構というところでは、保険対応の際、こういったバルコニー ・ベランダの雨漏れ被害に対してある基準を設けています。
・床面を1/50以上の勾配を儲けること
・サッシへの防水の立ち上がりが120ミリ以上
・腰壁の立ち上がりは250ミリ以上
・FRP防水の場合は2プライ
・排水口は勾配をとり、排水口は防水補強する
など、細かい基準がある中で、今回のお宅の場合、サッシへの防水の立ち上がりが若干低め。。。10cm弱程度しかありませんでした。
南風が強く吹き、毛細管現象が働き、雨を巻き込んだ際にサッシの立ち上がりから雨が入ってしまったことが、雨漏れの原因になってしまったのでは。

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本来↑これくらいの高さが理想。

とすると、今回防水層を改修しただけでは雨漏れを止めることは難しいと判断し、お施主さんにも理解してもたった上で、提出した見積もりは一旦保留とさせてもらいました。
(外壁をめくり、サッシの高さを変更し、防水層を改修するとなるとなかなかの金額にもなってしまうので、何らかの処置は考えないといけないですが。。。)

バルコニー ・ベランダは建物の繋ぎ目となるところなので、充分に注意して施工する必要があります。充分に注意して施工している以上、雨漏れの原因として割合が少ないことも考えられます。
安易な防水改修をするだけでなく、構造上きっちりとした処置がされているのかも確認することが必要だった雨漏れ物件でした。

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