平日の総武線、
太陽が1番高いところから見下ろして数時間、新宿から西船橋まで電車に乗る。
混んでもないし空いてもない。
座席と、対になる2箇所の出入り口の隅にどうやら空きはなく、座りながらスマホをいじる人を下目に吊り革を掴む人は3、4人と言ったところだろうか。
誰かが僅かに下ろした窓から吹き込む風が心地いい。
この、昼と夜の真ん中の時間がすきだ。
行き先を決めずに乗り込んだ総武線の電車の中で思う。
傾いた太陽は、だらだらと沈むのに抵抗しながらゆっくり落ちていく。
昼頃とは打って変わったこの優しい太陽の光と吹き込む柔らかい風の中でうとうととすると、日常から離れたどこか遠い場所にきたような錯覚に包まれる。
そう、私は遠く、どこかとおくに来たかったのだ。
さて、どこで降りようか。