認知症チームケア推進加算ができた背景は、グループホームの意義が曖昧になっているからかも
グループホームを運営している立場として、考えさせられた記事を読んだ。
この記事を投稿した、おおさわさんの着眼点は全体的に非常に鋭い。
そして、認知症対応型共同生活介護と銘打っているのに、なぜ今さら「認知症チームケア推進加算」なんてものが登場したのかを考えてみた。
これは個人的な考えであるが、おそらく、高齢化社会はもちろん、社会も利用者も多様化していることから、グループホームの役割が曖昧になりつつ
あることが要因であると思われる。
おおさわさんの記事にもグループホームの定義が掲載されているが、入所される方々の中には「概ね自立している」という前提がある。
しかし、必ずしも自立しているなんてことは昨今は少ない。
複数の疾患あり、意思疎通困難、食事も排泄もすべてが全介助・・・もはや特養のほうが適切ではないかという、介助量マックスの状態のが入所されることも珍しくない。
このような介助レベルが高い人が「認知症である」という理由から、施設入所の選定としてグループホームになることもある。
もはやグループホームの意義なんて関係なく、「とりあえず施設に入ればいいです」など要望を受けることもある。
もちろん、そのような方が入所されたとしても、自立支援の考えはおろそかにしないし、その方のできることや笑顔になれることを模索する。
それでも一気に医療的な処置を要する状態となる場合もあり、入所してすぐに支援困難となり退所(というか入院)となることもある。
このような流れが続くと、グループホームの意義が分からなくなってくるし、やはり介護業界からみてもグループホームの役割が理解されていないということを実感する。
そのような時世において、改めて認知症ケアはチームであること、そして時代に即して多様な連携が必要であることから、冒頭のような加算ができたのではないかと(勝手に)推察している。
なお、運営しているグループホームでは算定していない。将来の算定に向けて、まずはカンファレンスを充実させようと試行錯誤しているが、おおさわさんがおっしゃるように「毎月、全利用者について協議する」というのは実質的に困難である。
実現できれば質の高い介護になるし、算定要件も胸を張って満たせると思うが、そのためには時間と人員確保のための体制づくり、そして職員への啓蒙が優先であると思う。
グループホームのあり方も時代に即して変わっていくだろう。
そう考えると先は長い、ゆっくりやろう。
ここまで読んでいただき、感謝。
途中で読むのをやめた方へも、感謝。
おおさわさんにも、感謝。