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【検討/購入/故障/修理】Canon 初代5D今さらレビュー!名機にまつわるエトセトラ

ライターをしつつベストなカメラを探して色々買い替えていた僕、その流れは下記の記事に詳しく書いてありますのでザックリというと、途中でネオ一眼という種類のジャンルのカメラを買っていたのですが、いろいろあってフルサイズカメラも使ってみたいという流れになりました。

結果として買ったのがキヤノンのEOS 5Dの初代。非常にいいカメラだったのですが、いかんせん古い機種だったので、いろいろエピソードがあり、こちらの記事にて書いていきたいと思います。

長いので先に結論を言ってしまうと、初代5Dは画質は素晴らしいので買ってもいいのですが、現在のカメラから見ると色々不便。もし買うという人は、かなりの覚悟をして自己責任での購入をお願いします。


フルサイズというカメラを触ってみたくて買った初代5D

僕がEOS 5Dの初代機を買ったのは2019年なのですが、今さら状況はあまり変化しないと思います。もし今から買うという人がいた場合には、ぜひ参考にしてみてください。

ただし、やっぱり古い機種なのでハッキリ言ってオススメはしませんし、壊れても修理できない覚悟の上で購入してください。

キヤノンの5Dというシリーズはある意味、フルサイズの代名詞的な存在。2024年現在では現行でマーク4が販売され、価格は新品だと大体本体だけで30万円弱くらい。

それが僕が買ったのはマーク1、無印というか初代。発売年は2005年ということで、2025年には発売20周年。個人的には僕がカメラを使い始めたのが2008年なので、それよりさらに古い機種となっています。

購入の決め手はとくかく安く撮れるフルサイズ

そんな古い古い5D初代、購入の動機は「とりあえずフルサイズで1度写真撮ってみたい」という感じ。そこでなるべく安く買えるフルサイズのカメラを探していたところ、5D初代のAmazonで発見。

2019年当時に3万円で売っていたので「これなら失敗してもいいか」くらいの軽い気持ちもあって購入しました。マーク4が30万近くするのに、初代が3万円なのでザックリと1/10。それなら試してみる価値ありそうじゃないですか?※2024年現在で確認してみると2万円してませんでした。1/15ですね。

なおメーカーの正式修理はとっくの昔に切れてます。それは知っていました。故障しても修理できないというタイトロープな状況、僕個人としてはそういう状況も楽しそうと思って購入しました。

ちなみにレンズには、まぁそれしかないという選択肢として、別名撒き餌レンズの「Canon 単焦点レンズ EF50mm F1.8 II フルサイズ対応」を買いました。

この時点ではネオ一眼の方をメインとしていたので、幅広くいろんな写真を撮りたいという感じではなく、とにかくフルサイズの画質の威力を知りたかったので当然の選択として単焦点レンズを購入しました。ちなみにこちらのレンズは今でも現役で活躍しています。

初代5Dの作例集

とりあえず、ますは作例をいくつかごらんください。

キヤノン EOS 5D 作例

なんというか、5Dで写真を撮ると。

キヤノン EOS 5D 作例

全部が優しくてサブカルな世界観になります。ボケ味も最高。

キヤノン EOS 5D 作例

もし購入をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

キヤノン EOS 5D 作例

背中をグイっと押してくるテイストの写真だと思います。

キヤノン EOS 5D 作例

どこを撮っても何を撮ってもゆるくてフワフワしてて優しくてマイナー。高精細なのにふんわりという不思議なテイスト。

キヤノン EOS 5D 作例

岩井俊二やウォン・カーウァイの映画やスピッツのマイナーな曲のような。単館映画のような雰囲気。

キヤノン EOS 5D 作例

Instagramなどのタグに「#ファインダー越しの私の世界」というのがありますが、まさにそんな感じ。このフィルターのメガネを掛けて生活したい。そう思わせる写真が撮れます。

キヤノン EOS 5D 作例

オシャレ写真を撮りたい人にはめちゃめちゃオススメ機体です。

ただしハードルも多い初代5D

ここまで作例を含めて絶賛した初代5Dですが、実はすんなり写真は撮れませんでした。カメラ本体とレンズも買ったので撮れると思っていましたが、まさかの事態。

よくある手違いとしてレンズとカメラの規格違いかと思われるかも知れませんが、そこはミスなく購入できていました。バッテリーも問題なく動いてました。

ではどこに問題があったのかというと実は記録媒体。本体にレンズをセット。SDカードを入れようと思っていると、メディア用の穴の大きさが全然合わない。SDカードよりも遥かに大きいサイズとなっています。

ガジェットを新たに買ったら常に規格には注意しているつもりですが、まさかそんな部分に違いがあると思っていませんでした。調べてみると初代5Dに採用されているメディアの規格はCFカードという媒体、コンパクトフラッシュの略でCFだそうです。

現在人の感覚からすると「え?これでコンパクト?」という感じの物理的に大きなメディアで、カメラ歴が昔からある訳ではない僕は正直初めて聞きました。

というわけでCFカードの存在を知ったのでAmazonで調べてみると、5000円くらい。CFカードに変換する用のアダプタも販売されていました、その価格は2000円弱、というワケで変換アダプタを探して購入。

もしかするとCFカードにも細かい規格があるのかと思って調べてみるとCFカードというのは従来型のType1に対して、読み書き速度の速いType2が存在してCanon5Dは初代でもCFカードのType2に対応とのこと。

無事にType2を買って準備完了。と思ったのですが、今度は写真をPCに読み込む度にアダプタからSDカードを抜くのが面倒というわけでCFカードをPCに接続できるマルチなカードリーダーも購入。

カードリーダーの現物を手にしてCFカードに差し込んでみると、まさかのカードリーダーの方がtype2非対応。ものすごく微妙に差込口の形が合いません。

ガジェットを新たに買ったら常に規格に注意という教訓をさらに強く思い知らされることとなり、次はCFカードType2対応のカードリーダーを購入。これで無事に今度こそ準備完了となりました。

そんなワケで本体とレンズを揃えてから無駄に10日くらい浪費という今どきのカメラにはない苦労を味わいましたが、これもいい経験。こういう失敗体験を積み重ねて自然と勉強をすることで人は機械に強くなれるとも思っています。

ただ、今から後に続く人がいるのであれば、僕の二の舞にならないようにご注意を。

規格がかなり複雑な上、価格にもバラつきがあるので可能であればAmazonなどのネットで買うより、家電量販店にカメラを持って行って店員さんに聞きながら購入するのをオススメします。

苦労の先には素晴らしい世界

キヤノン EOS 5D 作例

そんなこんなでCFカード問題を無事クリアした先に待っているのは優しいアンニュイでサブカルな世界。

キヤノン EOS 5D 作例

よき。何撮ってもいい感じ。色んな物撮ってます。

キヤノン EOS 5D 作例

日常の何でもない物もいっぱい撮って、明らかに写真撮影の機会も枚数も増えます。よい。

キヤノン EOS 5D 作例

現行モデルとは違いまくりの初代5D

どんな写真を撮っても素晴らしい初代5D、今のカメラを使っているとビックリするポイントが1つ2つ。まず1つ目が液晶周り。

今のデジカメ感覚からいうと初代5D液晶はなかなかの驚きポイント。まずチルトやバリアングルなど液晶が動く仕組みは一切ありません。まぁそこは「あるワケないな」という感じで知ってました。

ところがビックリしたのが次、ライブビュー撮影がないという概念。今のデジカメには当たり前すぎで「ライブビュー」という言葉に馴染みがありません。

ライブビューといえば、みんなでワールドカップのサッカー見るスタイル?という認識もあるくらいですが、デジカメにおけるライブビューというのは背面液晶を見ながら写真を撮る機能。今では当たり前すぎてファインダーもないカメラの方が多いくらい。

5Dにも背面には液晶が付いてます。でも見ながら撮影できません。では何のために付いてるんでしょう?この答えを即答できる人は、ちょっと頭の柔らかい人かも知れません。そう、答えは撮った写真の確認用です。

何というか当たり前の当たり前すぎてしばらく気が付けず、買った最初は「どうやって液晶とファインダーの撮影を切り替えるんだ?」と結構調べました。まさか機能がないと思いませんでした。搭載されていない機能は検索にはヒットしませんし。

あとサラッという事でもない気もしますがISOのオートモードがありません。ISOは自分で決めるものだそうです。まぁフルサイズ写真を撮りたい人はF値低めのボケ味の強い写真を撮る予定の人も多いと思うので、ISOも低め固定でもいいと思います。あとISO上限も現在のカメラからいうと高くなく、夜間撮影にも不向きな気もします。

まぁここもカメラ任せだと理解し辛いISOの勉強のいい機会になると割り切りましょう。

5D、故障

思わぬ規格や機能の違いなども楽しみつつ写真を撮っていると、カメラから突然「シャラリカシャーン」という甲高い異音。

最初何が起こったのか分からなかったのですがレンズを外してみると、カメラ本体の中に小さな鏡。これ、どういう故障かというとミラーが取れました。

ザックリとしてカメラの構造としてカメラは中にミラーが入っていいて、撮影の度に回転します。ちなみにこのミラーがない機種がミラーレスですね。

話は戻って5D、購入から2~3か月くらいで、この故障が発生しました。これは調べて分かったんですが、カメラ内部の回転盤にミラーが接着剤でくっ付いてるらしいんですが、これが取れるそうです。

メーカーのサポートが切れてて故障したら修理できないっていうのは、覚悟の上での購入でしたが、そこは現代っ子。トラブルに向き合ったら、まずは検索。「5D ミラー 外れる」。するといっぱい出てくる検索結果。

Google検索「5D ミラー 外れる」

あきらめかけたところに突然の光明

どうも5Dは構造上、ミラーの接着が甘いそうで2015年まではキヤノンで無償補強してくれたらしい。しかし時はすでに2019年。

諦めかけたところ、自力にて接着剤で直した猛者もいるというブログ記事なども発見。「嫌だけど自力で修理かなー?」って思っていたら1つのサイトがヒット。それがキヤノン修理技能技術認定店のヒガサカメラ様。

スゴイ、5Dのミラー脱落というピンポイントな症状にも対応しているそうです。料金は当時20000円。まぁそれくらいしますよね。というか住所を調べると大阪市内。日本でも5Dのミラー剥落の修理は、ここくらいしかヒットしないのに僕の家からまさかの1時間圏内。

キヤノン EOS 5D 作例

持ち込みも可能ということで実際に持って行って直してもらいました。持ち込んだついでにチョイチョイと話してみたところ、ヒガサカメラさんとのやりとりは以下のような感じ。

Q.ミラーは取れやすいらしいので、補強してもらうことって可能ですか?
A.昔は補強してたけど、今はその補強材もない。

Q.くっつけた後にまた取れる故障の再発しないですか?
A.今まで再発の報告は来てない。

Q.初代5Dでほかの修理ってできますか?
A.パーツがないのでできない

キヤノン EOS 5D 作例

という感じです。つまり5D買った人はミラーが取れるまで普通に写真撮ってて、ミラーが取れたらヒガサカメラさん、という流れになると思います。ちなみに修理条件が1個あって、それは接着剤を使用しての自力修理を試してないこと。とのこと。
いいですか。
修理条件は接着剤で自力修理してないこと。
修理条件は接着剤で自力修理してないこと。
大事なことなので2回言いました。
くれぐれも自分で修理しようとか思わないように。

ということでボディだけなら本体代と修理代を合わせて4万円強、修理代こめてもまだお得ですね。ちなみに中古市場を見てると、ミラー剥落対応済みとかって明記してある5Dも見つかります、世の中は広い。

【悲報】初代5Dまた壊れる

キヤノン EOS 5D 作例

そんなこんなで色々あって内部のミラーが取れて修理された初代5Dですが、また故障しました。今度は、ある日、突然。電源が入らなくなりました。

というわけで初代5Dが壊れたといえばヒガサカメラ。まずは先ほどのヒガサカメラさんに泣きついてみました。答えは予想も覚悟もしていましたが「前にも申しましたが。修理できるのはミラーの剥落だけ」、「ほかの症状はパーツがないので、残念ながら修理できません」との返信。

キヤノン EOS 5D 作例

そうかー、ミラーの修理までしたし写真も好きで愛着出てたのに。ちなみにヒガサカメラさんのwebサイトを見てみると、5Dよりさらに昔のフィルムカメラは修理可能で昔のデジタルカメラは修理不可とのこと。

その後も微妙にあきらめきれなかったので、街を歩いててカメラ屋さんとかに見付ける度に「5Dって直らないですか?」って聞いてみたんですが。やっぱりどこも直せるところはなかったです。

キヤノン EOS 5D 作例

ちなみに当然の処置として「バッテリーが壊れたのか?」と思って、5Dのバッテリーも買って試してみましたがダメでした。原因は本体の方だそうです。

また、どこだったか歩いてて見つけた、かなり古いフィルムカメラの修理をやってるお店で聞いてもダメでした。「それでも、それでも」と半ば興味本位で色々聞いてみました。

そもそも5Dよりさらに古いフィルムカメラが直せて5Dが直せない理由は、「フィルムカメラは機械寄り、どっかの部品が壊れても、そこだけ交換すれば使えるので修理可能。ところが今のデジタルカメラは機械というより電化製品や電子機器的、そもそも一部分だけの交換ができない」という感じだそうです。

キヤノン EOS 5D 作例

より厳密に言えば違う部分があるかも知れませんが、機械にバリバリに強いわけではない私にはこのくらいの解釈となりました。

またカメラ業界では「本体は消耗品、レンズは一生モノ」という不吉な言葉も聞いたことあります。

そんなワケでフィルムカメラの修理屋さんでも断られたので、とりあえず初代5Dは蘇生を諦め、我が家の棚に眠ったままとなっています。

初代6Dを購入しました

キヤノン EOS 6D 作例

それで結局、僕のフルサイズカメラはどうなったかというと6Dの初代ということに落ち着きました。価格や重さなど色々あるのですが、決め手はやっぱり修理期間。

5Dのマーク2のメーカー修理期間も2019年の11月まで。つまり購入してすぐにメーカー修理が終了して壊れても直せないという状況なので、6Dの方を買いました。※いま確認すると6Dの修理期間は2025年9月まででした、当時よりかなり短くなっているので、その点には注意を

キヤノン EOS 6D 作例

そして6D、こちらは普通にオススメ。写真は5Dほどエモさはありませんが、その他諸々は便利です。当たり前ですがライブビューイング撮影可能、ISOもオート、記憶媒体がSDで便利。

キヤノン EOS 6D 作例

修理期間のない5Dマーク2に変わって、キヤノンのフルサイズの入門機としてウェイトが急増すると思います。その後、僕は6Dのマーク2も買いましたが、この6Dシリーズ、これはこれでベストな選択だったと思うので、フルサイズカメラ購入を検討中の方は参考にしてもらえれば幸いです。


キヤノン EOS 6D 作例

こういう感じで僕の初代5Dにまつわるエトセトラはとりあえず終わりです。この長い話を読んでもなお、初代5Dが欲しいという人がいれば、それはもう止めませんので、ぜひ参考にしてみてください。

もし購入したら写真も見てみたい気もします。それでは、長々とありがとうございました。

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