スプラトゥーンは続くけど、新年の目標は続かない
新年に立てた目標を達成できたことは1回もない。ピアノも、ボイトレも、キックボクシングも、ジム通いも、瞑想も、食育実践プランナーの資格勉強も、ぜーんぶ中途半端にやめた。そんな自分を変えたいと思って「絶対に5年働こう」と決めて入社した会社を2年半で辞めた。
まぁ、続かない。
この人生は好きなこと、楽して続けられることだけにフォーカスして生きる人生だと割り切って、振り切ろうとも考えたけど、最後のチャレンジとして、自分が最も苦手意識を持っている「続ける=習慣形成」自体について実践と勉強をしてみようと思い立ち、そこまでの記録を残しておくために、この記事を書き始めた。
誰かに読んでもらうためよりも、近い(願わくば遠い)将来、習慣形成の取り組みを途中で辞めようとしている自分に読んでもらうために書いていこう。なので、読みやすさの配慮少なめの長文。
振り返る
2024年1月1日に新年の目標を立てた。
・年間の売上目標と行動目標
・苦手としてるお金の管理方法を変える
・同じく苦手としてるタスク管理方法を変える
・運動習慣をつける
新年の目標は、毎年の恒例行事で、毎年「今年こそはやり切る」と思って、毎年過去最高の熱量だと思って走り出して、毎年途中で辞める・・・を何年も繰り返してきた。今年も「今年こそやり切る」と勢いよくスタートした。
そして2ヶ月で飽きた。
「いや、もうこれ、人として終わってるな」と思ったけど、こんな感じの内省も毎年してる。こうなると「よし、頑張ろう!」じゃなくて、より自堕落な生活になっていくのがパターン。もはや、そういう習慣になってる。
ただ、今年は、ここら辺のタイミングで今後の自分の人生について、二つの選択肢を自分の中で考えた。この取り組みは人生初。
(1)目標と計画を元に日々行動をすることを諦める人生を選択しちゃう
個人事業主生活5年を振り返ると、一緒に仕事をしている方々に恵まれたことが最大の要因で、「目標と計画を元に日々行動をすること」をそこまで強く意識せずとも、なんとか生きてこられた。自分の性質には今のライフスタイルは合っていて、今のままの延長でも楽しく生活できるような気もしてる。
「目標と計画を元に日々行動しなければ!」という自分の信念があるから勝手に凹んでるだけで、その信念を捨てちゃえばもっと楽なのでは?と思った。
(2)「目標と計画を元に日々行動をすること」にもう一度向き合う
ただ、「目標と計画を元に日々行動をすること」に対する信念(というより憧れ)と、過去に何度か自分を律して行動した時期に感じた、日々の充実感と夜ぐっすり寝れた感を覚えていることもあり、スパッと諦めきれない自分もいる。
習慣形成、タスク管理や時間管理などの本を読んではきていて、「毎日の行動を記録に残そう」みたいなアドバイスに対して「いや、そういうのができないから困ってるんだわ」と批判的な気持ちを持ちながらも、本の知識を実践しては途中で辞めてを繰り返してきた。
年を経るごとに、何か新しい試みを思いついたり、やってみようかなと一歩踏み出す時に「どうせまた続かないんじゃない?だって、自分は続かない人だし」と、自分への呪いの言葉が強くなっている感覚と、いろんなことに二の足を踏むようになっている自覚もあった。今のままの延長線上には、慣れ親しんだことしかせず、チャレンジ精神を持っていないおじいちゃんになる未来も想像できてしまう。
「目標と計画を元に日々行動をすることを諦める人生を選択しちゃう」の選択肢はいつでも取れるから、最後だと思って、もう一度自分の課題に向き合おうと思い、自分が一番苦手だと思っている「続ける=習慣形成」について実践と勉強をしていこうと思った。
やってみたこと:実践
自分の強みは「やる!」と決めた時の初速の熱量とスピードなので、とにかく日々の生活に取り入れたい、取り除きたい習慣を考えて、対処し始めた。その際には「やるしかない」環境を作ってみたり、今までやったことがないアプローチを試してみた。
お酒をやめた
きっかけは24年4月に受けた健康診断で肝臓の数字が悪かったこと。
お酒と自分は切っても切り離せず、お酒があったから個人事業主で飯が食えてるのは間違いない。個人事業主としてお取引をしたお客様の多くは、元をたどると一緒にお酒を飲んだことがある人たちか、その人たちからの繋がり。酒の場が好きだし、家でも頻繁に飲んでた。
酒って、朝から飲んだら昼くらいに寝ちゃうし、その後車は運転できないし、二日酔いもある。「あー、二度と飲まない」を二百度くらい言ってきた。
毎年受けてる健康診断で初めて肝臓の数字が悪かったことと、「習慣形成」のアンテナが立ちまくってるタイミングに、お酒をやめることにした。
まずやってみたのは、お酒が飲みたくなったらノンアルコール飲料を飲む。最近のノンアル飲料、もうほぼ酒。アルコールが入ってないだけ。もうこの時点で「あれ、ノンアルでいいじゃん」と思えてしまった。それに加えて、体が軽くなった気がしたので体組成計で測ったら、1ヶ月ちょっとで体重も体脂肪率も落ちてた。
健康診断の再検査で肝臓に問題はなかったものの、目に見えてメリットが出てきたこともあって、「お酒をやめよう」と決めてから3ヶ月間、ひとくちも酒を飲んでない。
今では、ノンアル飲料に加えて、フルーツ酢+炭酸もバリエーションに加えて、家では一切お酒を飲まなくなったし、外食の際に人が飲んでても飲みたいと思わなくなった。
自分なりの過去問を参照すると、律しすぎると少し崩れた時に一気に崩れていくので、「冠婚葬祭と、誰かのお祝いごとやめでたい時だけ飲んでいい」の自分ルールを立ててみてる。
ゲームをやめた
Nintendo Switchが大好きで、特にスプラトゥーン3にどハマりしていて、ビールをチェイサーにして日本酒やワインを飲むように、スプラトゥーン→百英雄物語→新作ゲームを周回したり、オンラインMTGの隙間時間に「あ、2試合できる」でスプラトゥーンやる、みたいな生活が結構長いこと続いていた。
ゲームやってる時は最高に楽しいけど、一日の終わりの虚無感と、深夜までやった翌朝のしんどさを通じて、「ちょっとゲームの時間減らそうかな」とゆるめの決意をして、「明日から減らすから、逆に今日は思いっきりやった方が勢いつくのでは?」みたいなどこの本にも書いてない理論によってゲーム沼から抜け出せない日がずーっと続き、スプラトゥーン3は発売日から2年以上ほぼ毎日やってた。
お酒をやめようと思ったタイミングで、一気に生活スタイルを変えようと思い、ゲームをやめる、今回はかなり固めの決意をした。
今までは、手が届く範囲にSwitchとコントローラーがあって、隙間時間があれば即スタートできる環境だったので、まずはSwitchを押入れにしまってゲームをやろうと思ってもめんどくさい状態にした。
次に、YoutubeとXでフォローしていたスプラトゥーン配信者の方々のフォローをやめたり、レコメンドで出てくるスプラトゥーンの動画や投稿をレコメンドされないようにして、日常で目にするスプラトゥーン情報をシャットダウンした。
最後に、スプラトゥーンを遊ぶ上で必須の「Nintendo Switch Online」の月額課金をストップ。流石にこれはちょっと躊躇した。
ここまでやると、よっぽどのことがない限りゲームを再開できない環境になったので、やめると決めてから3ヶ月くらいは一度もゲームをやってない。
いろんな悪習慣を断つ方法はあるけど、「悪い習慣行動をやろうと思っても、やるのが難しい環境を作る」は自分にはマッチするやり方だったらしい。
週5日ジムに行き始めた
大学に入学した時に嬉しかったのが、体育の授業がないことだった。学生時代に水泳、剣道、ブレイクダンスを経験してきたものの、オフの時間が限られる社会人人生で、あえて運動を選ぶようなことはしてこなかった。
ただ、年々お腹は出て筋肉が落ちてるのは分かるし、個人事業主としては文字通り体は資本なのは明確だし、子供達と一緒に体を使って遊びたいし、なるべく健康寿命は伸ばしたい。
嫌いな運動をやらないといけないのは分かってるので、何度も運動習慣をつけようとしてきたけど、ことごとく失敗してきた。
会社の水泳部に入ったり、カポエラをやってみたり、近所のキックボクシング教室に入会したり、パーソナルトレーニングを受けたり、ゴルフを始めたり、椅子に座ったままできるステッパーやバイクを買ったり。全部続かなかった。
習慣形成の勉強をしてみると、「身につけたい習慣はなるべく毎日、週4日以上やった方が習慣化しやすい」という原則があるのを知り、まずは子供たちが起きる前の早朝に、ジムが空いている日は全部(週5日)行くスケジュールを立ててみた。ただ、朝寝室から出る時に子供が起きちゃったり、ジムに行ってる間に子供たちが起きて奥さんに任せっきりになるようなことが続き、ポツポツとジムに行かない日が増えてきたので、奥さんと相談して朝から夜にスイッチした。
「予定を立ててたのにできなかった」が数回続くと、「あーーーー、もうダメだ!」で全部やめたくなっちゃう自分の性質も相まって、早朝の習慣形成は、少なくとも今の自分のライフスタイルには合わなかった。
夜のジム通いはうまく行きそうな予感がしていて、理由はサウナをセットにしてるから。運動自体は、相変わらずやってても楽しさは感じないけど、その後にサウナをセットにしたことで、あまり好きではない運動も含めて「ジムに行くこと」自体がポジティブな時間になったのが主な要因だと思う。
日記をつけ始めた
食べる→エネルギーに変える→排泄する・・・代謝は肉体的なものだけではなくて、以下のような精神的な代謝があって、3つのバランスが整っている時に精神的な安定が実現できている・・・という自分の体感。
・インプット(体験、人から話を聞く、本を読むなど)
・リフレクション(内省・自分との対話)
・アウトプット(仕事をする、人に話すなど)
インプットとアウトプットは自然とできるけど、リフレクションは忙しいと滞ってしまう。リフレクションの時間が少ないと、「結局自分は何がしたんだっけ?」「なんかモヤモヤするけどなんでだろう?」「今向かってる方向は正しい?」みたいな問いが出てきて、それらに答えられない。
リフレクションに最も効果的なのは、自分の場合は日記だと思ったので書いてみることにした。
ただただ1日あったことを日記に書くのはつまらないから、
(1)人間的な成長につながるような時間にしたい
(2)データに残してAIで分析ができたら面白そう
(3)1日の振り返りから気づいたことを体現するサイクルを回したい
の3つを思いついたので、それらができる仕組みを考えてみた。
結果として、「データに残してAIで分析ができたら面白そう」がはまって習慣化されている実感がある。
実際に「日記を書く」ためにやったことをざっくりまとめてみる。
(1)論語、ニコマコス倫理学、自省録・・・など、聞いたことあるけどあんまり読んだことない世界的に有名な哲学書をChatGPTで100冊洗い出した
(2)全部読む気力はないから、ChatGPTに要約を作ってもらって、自分が大切にしている/したい価値観に近い書籍を絞る
(3)内容をもっと理解するために、絞った書籍の共通点と相違点をChatGPTに出しもらって、特にドンピシャな3冊に絞る
(4)3冊それぞれの価値基準を「質問」の形に変換して、8つの質問を作る(今日はどのような感情が生じ、それをどう認識し、制御しましたか?など)
(5)8つの質問をGoogleフォームにいれる(これが毎日つける日記になる)
(6)Google Spread Sheetに溜まった毎日の日記を、AIツールに読み込ませて、時々振り返りをする(これが楽しい)
手書きの日記もつけてみたけど、あとで振り返るのがめんどくさいのと、手で書くのもめんどくさかったので、定着化はしなかった。
「楽しい」と「めんどくさくない」が、自分にとっては習慣化するポイントなのかもしれない。
また、新年の目標で立てた以下の四つについては、それぞれ習慣にできるような仕掛けを作ってみた。
・年間の売上目標と行動目標
・苦手としてるお金の管理方法を変える
・同じく苦手としてるタスク管理方法を変える
・運動習慣をつける
家族や友人と約束して売上を立てざるを得ない環境を作ったり、キャッシュカード&クレジットカードを整理し直してマネーフォワードで管理したり、タスク管理&整理の定例ミーティングを仕事のパートナーと設定したり。
やる気のアプローチをして失敗してきたことが大半なので、今回は「環境づくり」に注力してやってみて、今のところは大体うまくいってる。
今やってること:勉強
「習慣形成」に関する知識をマインドマップで整理しはじめた
「習慣形成」の勉強をすると決めて、習慣に関連しそうな本を買い漁った。例えば、、、
参考になることはたくさんあったし、実際に取り入れてみた手法もあった。
けど、誰にでも適用できるスペシャルな手法があるわけではなさそうで、人の性格・性質、習慣形成手法を取りいれるタイミング、それぞれが置かれてる環境、育った文化など、いろんな要素を掛け合わせると人によって合う・合わない手法があって、そのロジックが分からないと「習慣形成の勉強をした」とは言えないと思った。
そこで、マインドマップを使って整理するアイデアを思いついた。
まず、ChatGPTで、習慣形成に関連する学術分野(って言うのかな?)を提案してもらい、自分なりに精査して6つに絞った。
・行動心理学
・教育心理学
・進化心理学
・神経科学
・環境デザイン
・エデュテイメント
それぞれについて、習慣形成に関連しそうな要素を、これまたChatGPTで整理して、仮の「習慣形成を構成する要素分解の図」を、macのフリーソフト「フリーボード」で作ってみた。
行動心理学だったら、行動変容理論、行動変容技術、古典的条件付け、オペラント条件付けなど。神経科学だったら、報酬システム、ストレスと習慣、意思決定と衝動制御など。
この時点では、それぞれの領域について何を言ってるかさっぱり分からない。
ので、ChatGPTで調べたり、Google Scholarで論文検索したり、家にある関連しそうな書籍を読んだりしながら、勉強した知識をマインドマップ上に埋めていってる。
この作業が、自分の性質にはマッチしてることに気づいた。
勉強がオープンワールドRPGやってる感覚に近い。ゼルダやSkyrimみたいな。しかも、それらのゲームと違って、無限に世界(知識)を展開できるのがかなり楽しい。
「オペラント条件付けってなんだ?」から、関連する研究を調べ、それらに批判的な研究を調べたり・・・で、飽きたら「聞いたことあるけどよく分からない『ナッジ理論』を調べてみよう」みたいな。
習慣形成に関連する知識のオープンワールドを冒険してる楽しさと、飽きたら他の領域にワープできる気楽さ(でも、全部繋がってるので無駄にならない)が、どうやら自分の性質に合ってるらしい。
ただ、ゲームをやめたのも作用してるはずで、どう考えてもゼルダの方が楽しい、というか楽しませてくれる仕掛けが多いので、手元にSwitchとコントローラーがあったままだったらこんなにハマってない気がしている。
今まで隙間時間や深夜までスプラトゥーンをやっていた行動が、今では習慣形成のマインドマップに勉強内容を記入する行動にそっくりそのまま置き換わってる。
これから
今までは「続けよう」と思ったことが続かなかった時に、とんでもない自己嫌悪に陥っていたけど、今は習慣形成の勉強をし始めたので、続かなかった時の受け止め方が「なんで続かなかったんだろう?」になり、勉強対象になったので無駄に自己嫌悪に陥ることがなくなった。自己認知が「XXを続けたいと思ってる人」から「習慣形成を勉強している人」になったということなんだと思う。
「XXになりたい」や「XXがうまくなりたい」と思った時、今と理想を繋ぐのは習慣。「何をやればいいか」は調べると簡単に分かる。「どう続ければいいか」についても方法はいっぱい出てくるけど、どの方法が自分に合うかを選ぶのがものすごく難しい。
仮にロールモデルを見つけても、その人のやり方・続け方が自分に合ってみるかはやってみないと分からないし、続かなかった場合、本当は他のやり方を試した方がいいけど、「自分には無理だ」と心が折れちゃう人の方が多いと思う。
習慣形成の原理原則はあるはずで、その上で、生い立ち、環境、性格・性質、文化が違うそれぞれの人に適した習慣形成の手法が解明できたら、、、
と、風呂敷広げすぎて畳むのがめんどくさくなるのが自分の続かない王道パターンなので、まずは自分の新しい習慣を実践&観察してみるのと、今楽しいと感じてる習慣形成に関する勉強をちょこちょこやってみよう。で、それらが続かなくても、凹まない。新しいやり方で続けてみる。