髪と爪
気づいたら髪と爪が伸びていた。いや、正確に言えば伸ばしていた。
成人式が終わって、衝動的にショートヘアにしたことを後悔して、髪を伸ばすことに決めたのが5月。クリスマスに向けてネイルをしたいから、爪を伸ばすことに決めたのが先週。
ふと鏡をみたとき、手元をみたとき、自分の体の一部がなんの違和感もなく伸びていることが不思議になる。
ベタな言い方をするけれど、ああ、髪や爪も生きてるんだなぁ、わたしも生きているんだなぁなんて思ってしまう。
こんな、特に脈絡もない話を延々とするのが女子の性だと思うのだけれど、この話を姉にしたら「いや、髪と爪は死んでるよ。死んだ細胞だから、切っても痛くないんだよ」。
違うんだよなぁ、違うんだよ。そうゆうことじゃないのよ。髪と爪が死んだ細胞の集まりだったとして、わたしはそれを知ってもなお、たぶん髪と爪は生きているって思うんだよ。だって、伸びてるんだもの。わたしの素知らぬところで、伸びてるんだもの。生きてるよ。髪と爪は、生きてるんだよ。だから、わたしも生きてるんだよ。
ねぇ、わかってくれる?
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