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鶴瓶が日銀に提訴されるとか福山雅治が重体とか詐欺広告を放置するFacebookの闇

FacebookやX(旧Twitter)等のSNSに表示される有名人の広告がことごとくフェイクや詐欺的取引への誘導であって開いた口が塞がりません。
(Google検索の表示結果にも有料枠で詐欺広告が表示されています)。

そのフェイク広告に使用されている有名人の画像は無断掲載であり、当の本人がFacebookを運営するMeta社に掲載を止めるよう申し入れしても改まらない無法かつ無策ぶりです。

しかもフェイク広告から誘導されるウェブページには、詐欺的な投資商品や代金だけを詐取して商品を送らない文字通りの詐欺など、違法行為を公然と行う業者の広告が表示されています。

このような詐欺的な広告が何ヶ月も放置されているのは異常です。

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(2024年6月20日 追記)
2024年6月に犯罪対策閣僚会議が開催され、広告詐欺への対策を含めた「国民を詐欺から守るための総合対策」を決定したと報道されました。

【SNS詐欺などへの総合対策】
・広告主の本人確認強化や詐欺広告の削除要請への迅速な対応
・クローズドチャットを遷移先にした広告を原則掲載しない
・詐欺広告・投稿の削除やアカウント凍結などの措置
・アカウント開設時の本人確認の強化

 SNSの詐欺広告についてマスコミでも批判の報道が増え、Metaに表示される詐欺広告は激減しました。
 政府の総合対策を厳格に実施し、類似の悪質広告が表示されない仕組みの確立を期待したいところです。
(追記 終わり)
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そこで筆者が2023年12月に実際にFecebookで視認したフェイク広告を3つとりあげ、そのリンク先ページも含めてスクリーンショットを掲載します。

最初にお断りしますが、掲載する有名人は肖像を無断で悪用された被害者であり、フェイク広告から誘導される詐欺的サービスとは何の関係もありません。
当人たちもMeta社に削除を申し入れていますが、それが放置されている実態があるということです。

本記事では、そのようなMeta社の広告審査体制について改善を求め、他のデジタルプラットフォーム運営各社にも広告コンプライアンスを徹底して頂きたいという趣旨でスクリーンショットを掲載しています。

※以下の有名人の敬称は省略して記述します。

フェイク広告事例の3つ

(1)笑福亭鶴瓶が読売オンラインを模したページで暗号資産を勧める対談
(2)福山雅治が暴漢に襲われて重体と報じるもの
(3)三木谷浩史が朝日デジタルを模したページで暗号資産を勧めるもの

これらのフェイク広告について、以下に順を追って掲載していきます。

(1)笑福亭鶴瓶が読売オンラインを模したページで暗号資産を勧める対談

<表示されたフェイク広告>

このフェイク広告では、読売新聞オンラインを模した画面に笑福亭鶴瓶が謝罪する様子の画像を表示しています。
「自分のやったことが恥ずかしい」というコメントも付されており、閲覧者の関心を誘っています。
URLを確認すると読売新聞とは無関係なドメイン名であり、同社のホームページではないことが確認できます。

<リンク先ページ>

リンク先のページでは「生放送での発言で日銀が提訴」と表示し、読み進めると黒柳徹子との対談で36,600円の入金をするだけで簡単に稼げるプログラムがあると語っています。
対談記事内には外部ページへのリンクが表示されています。

<リンク先ページの申込画面>

遷移先のこのページでは仮想通貨取引の申込フォームが表示されています。
ここに名前、メールアドレス、電話番号を入力して送信すると、折り返し電話が架かってきます。
片言の日本語でより高額なプランの契約を勧められたり、クレジットカードの番号を尋ねられたりします。
申込をすると英文のメールが返信されて、その時点で海外事業者との契約をしたと気づくケースが多いようです。

(2)福山雅治が暴漢に襲われて重体と報じるもの

<表示されたフェイク広告>

「福山雅治さんが重体で入院」とか「見知らぬ男が有名人に近づき後頭部を撃った」という衝撃的なコピーが表示されています。
全くの事実無根の内容ですが、詳細が気になってクリックしてしまう衝動に駆られる釣り広告です。

<リンク先ページ>

リンク先ページではiPhneの販売ページになっていました。
事件かと思ってフェイク広告をクリックした人は、さすがに無関係の商品を買うことはないだろうと思います。
しかし、人気商品があまりに格安の表示になっていたら、中には注文操作をする人もいるかもしれません。

これは海外詐欺サイトの可能性が高く、代金を支払っても商品が届かず、業者との連絡も通じず、おまけに海外業者なので日本の法律が通用しないという結果が想定されます。

(3)三木谷浩史が朝日デジタルを模したページで暗号資産を勧めるもの

<表示されたフェイク広告>

実業家の三木谷浩史の画像を使用し、「毎月2,000,000円を稼ぎましょう」という刺激的なコピーが表示されています。

<リンク先ページ>

リンク先ページでは、朝日新聞デジタルを模した画面で「特報:楽天が最新プラットフォームBitcoin360AIを開始-人々がより多くの富を築くための支援を提供」と表示されました。
楽天、Bitocoin,AIなどお金を稼げそうなキーワードが羅列されています。
URLを確認すると朝日新聞とは無関係なドメイン名であり、同社のホームページではないことが確認できます。

<リンク先ページの申込画面>

リンク先ページでは申込フォームも設けられており、「日本在住者の登録はまもなく終了」という早く申し込まなければ間に合わないという心理に追い込むコピーが表示されています。
これに申込をすると海外事業者との契約という形となり、入金後は連絡も取れず放置される結果になるのでしょう。

X(旧Twitter)でも同様のフェイク広告が表示されている

ここではFacebookに表示された詐欺的なフェイク広告について書きましたが、こうした詐欺広告は他のSNSでも表示されています。
以下はXで実際に表示されていた詐欺広告の例です。


FacebookやX等のプラットフォームでの有料広告枠には、アドネットワークと称される広告業者からの広告が挿入されており、Meta社やX社が直接に制御しているわけではないという問題もあります。

それでもプラットフォームが適法な運営を継続するために詐欺広告を排除する体制を設けたり、詐欺広告を供給するアドネットワークからの広告表示を停止するという措置は可能なはずです。

そうした広告コンプライアンスを果たそうとしないプラットフォームの運営姿勢には疑問を感じるところです。

フェイク広告の法律的な扱い

Facebookに有名人の肖像を悪用したフェイク広告が表示されている状態は、有名人の肖像権侵害、消費者被害の発生、Meta社の無作為という3つの問題があります。

肖像権を悪用された有名人たちはMeta社にフェイク広告の削除を求めていますが、今のところMeta社は誠実に対応しているとはいえない状況です。
これはMeta社が多数の有名人の肖像権侵害行為を放置し、新聞社等の信用棄損行為に加担しているといえます。
これは民法上や不正競争防止法の不法行為となる可能性があります。

フェイク広告のリンク先は、ほぼ海外の詐欺サイトになっていて、対価を支払ってしまった消費者が被害回復をするのが困難になっています。
契約相手が海外業者であることから日本の法規の適用が難しかったり、外形上は通信販売であるためにクーリングオフ制度の適用も困難という特徴もあります。

このようなストレートな不法行為をMeta社が放置するのは、フェイク広告であっても広告収入が見込めるからに他なりません。
各方面から苦情があっても、実入りの良い広告収入の案件を手放さないということです。

そのようなコンプライアンス違反の経営をする事業者には行政処分があってしかるべきですが、特定デジタルプラットフォーム透明化法も取引デジタルプラットフォーム消費者保護法も、こうした状況でのプラットフォームの不作為に対しての処分規定は未整備です。

この状態はまずいという認識は各方面で共有されているので、いずれプラットフォーム規制の法改正はあるでしょうが、今のところは放置という状況が継続しています。
早期の対応が望まれるところです。

なおフェイク広告によって、クレジットカードを用いて契約をした場合のカード会社に対する返金請求の経緯書の書き方については、以下のテキストリンク先で解説をしています。

Facebookの詐欺広告からクレジット契約したカード会社への返金請求の経緯書の書き方


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