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2021 LCK Summer Final Preview

1.試合情報

2021/08/28 17:00 (放送は16:20から)
LoL parkではなくCJ ENMスタジオで決勝が行われる。コロナの影響もあって無観客で行うこととなった。

2.注目ポイント

・LCKにWCS優勝カップを取り戻した新強豪DK vs 歴史と伝統を誇るLCK黄金期を率いたT1
・LCK V10を先に達成するのは誰?
 KkomaはT1で8回優勝、DKで1回優勝を果たしており、T1での8回優勝を共に達成したFakerはT1で通算9回優勝。今回優勝した方は初の10回優勝となるので注目が集まっている
・同シーズンで決勝に進出した両チームに所属経験のあるDaenyも注目ポイント。去年DKのWCS優勝の大事な鍵でもあったDaenyは、今年から新たにT1で監督を務めたがSummer途中でT1フロントから一方的に更迭を告知され職場を失うことになった。その後、共にWCS優勝を達成したDKのアナリストとして復帰。T1選手たちを指導してた分、彼らのスタイルもよく知っているはずのDaenyがDKにどのような影響を与えるかにも注目。
・2020年世界最高のMidレーナーShowmaker vs 歴代最高のMidレーナーFaker
・各チーム優勝時のWCSシード権の構図
DKが優勝する場合:第1シードDK 第2シードGEN 
T1が優勝する場合:第1シードT1 第2シードDK
第3、4シードはRegional Qulifiers 2R(NS vs HLE or LSBの勝者)の勝者と第3シード決定戦を行い、勝ったチームが第3シードとなる。
DKが優勝した場合、T1は第3シード決定戦行き。T1が優勝した場合、GENが第3シード決定戦行きとなる。MSIでDKの活躍のお陰で今年は第4シードまでがWCS参戦可能となるので誰が優勝してもDK、T1、GENは既にWCS進出を確定しているが、第3シードか第4シードかによってWCSの日程が変わるのでT1とGENにとっては決勝の結果が大事となる。

3.決勝までの流れ

3-1.DK

 Springで優勝してMSIに参戦、グランドスラムを狙ったが惜しくも優勝に届かずSummer突入となった。MSIから不調だったbotレーンがSummer序盤でも調子を戻せずチーム全体の足を引っ張る構図が続いていた。一部からは18年のKZを見ているようだ、との評価もあり、難しいスタートを切ることになった。
 その難関を打開したのはKkomaの用兵術。Ghostの調子が正常に戻るまで、Bot Showmaker、Mid Canyon、JG Malrangと言う構成で時間を稼いだ。そしてパフォーマンスを回復したGhost、Daenyが合流してから柔軟性を持つようになったBPなどを活かしてリーグ後半4連勝を達成、1位を勝ち取ることが出来た。
 POの相手はNS。リーグ中に2戦とも敗戦となったチームとの対決だったが、DK特有の強いレーン戦とフィジカルを活かした集団戦で3-0圧勝、3回連続決勝進出と共にWCS出場を自分の手で確定した。

3-2.T1

 ストーブリーグで復活を宣言したが、コーチ陣選任段階でフロントが好むPolt-LS構成はファンの批判に直面し、ファンの抗議の意味を示す花輪やトラックなどがフロントに送られたりもした。その抗議を受け止めて、去年WCS優勝を達成したDaenyとZefaを選任。Zefaは2度目のT1コーチ挑戦でもあった分、ファンの怒りを抑えることに成功した。
 しかし、Springから多くの選手を使い、いろんな構成を試したT1ではあったが、Summerでもスタメンを決めれず、不調が続いたT1だったため、決勝どころかPO進出を心配する段階まで落ちてしまった。そこでT1フロントはコーチ陣変更を断行、Daeny-Zefaを更迭しStardustを監督代行に立てた。その後、T1はある程度固定されたスタメン(Canna-Oner-Faker-Gumayusi-Keria)を構成し、SummerでT1ファンが主張したJGの交代とSpringでT1ファンが主張したスタメン固定、そして一部からのFaker固定を達成しつつ、調子を取り戻しPO進出を決めた。
 POの相手はLSB。リーグでは元T1所属だったEffortのバロンスティールなどもあって劣勢だったが、ベテランTeddyの復活と共に3-0圧勝。久々の決勝進出と共にWCS復帰を確定した。

4.各レーン優劣予想 

Top - Khan vs Canna(Zeus) Khan微優位予想

Most Pick
Khan:1st ジェイス、2nd ナー、3rd ヴィエゴ
Canna:1st ナー&ジェイス、3rd ヴィエゴ

 2019年T1の守護神とも呼ばれた元T1のTop Khan vs 新人TopとしてT1の20LCK Spring優勝を果たしたCannaの対決。
 Khanの場合、面白い記録もあって、17年KZ所属で優勝する際に、決勝でT1を撃破してT1初の準優勝を与えたのがKhanであり、2018年は対T1戦8戦8勝全勝を記録。KhanがT1に移籍した19年当時、T1ファンから「Khanを防ぐ方法を探せなかったからT1はKhanを自分のチームに取り入れたんだろうな」との声もあった。そして再びT1の前に立ったKhanは、今年第2の全盛期と言えるほどDKでいいパフォーマンスを見せており、Summerからはタンクチャンプだけではなく、元々Khanのシンボルともいえるジェイスを筆頭とした攻撃的なピックを使い、チームを支えた。
 一方、CannaはSpringでの不調を克服してSummerにはスタメンに復帰。デビューシーズンに見せてくれたあのパフォーマンスをある程度回復した姿を見せながらSummer後半、チーム第2のキャリー役を上手く果たしてくれた。
 試合の展開としては、Topを崩したいCannaとそれを凌ぎたいKhanになると予想。T1は最近、最序盤全レーンのプレイヤーがレーン戦主導権を持ってからは殆どの資源をTopに投資している。FakerとKeriaのロームは勿論、Onerも最序盤からTopをケアする動きが多い。そこでKhanは今シーズン攻撃的なチャンプをピックしつつも、相手のダイブなどを上手く耐える場面が多かったのでKhanの優位を予想するが、正直、ここはJGの力量やチームの方向性も大きく影響するレーンなので微優位と示す。
 それでも一つ注目したいポイントはジェイスの取り合い。両方ともMost pickがほぼ一緒の中で1stを記録しているのがジェイス。Khanは当然で、Cannaもジェイスの好成績を記録している分、BP段階での取り合いを見るのも楽しみの一つであろう。

JG - Canyon(Malrang) vs Oner(Cuzz) Canyon優位

Most Pick
Canyon: 1st ダイアナ、2nd シンジャオ、3rd リーシン
Oner:1st ヴィエゴ、2nd リーシン、3rd ニダリー

*Onerがスタメンである前提で述べてます
 20WCS MVPを獲得したCanyonは、Summerの序盤、メタの変更によりプレイスタイルを上手く変えることが出来ず不調となった時があったが、2R以降、Ghostの復帰と共に自分のパフォーマンスも回復に成功し、あの最強JGとしてのパフォーマンスを取り戻した。そして同じく、2Rからチーム運営の要となり、新人らしいフィジカルを活かしたプレイでT1を引っ張っているOner。両方ともチームマクロの中心であり、特にTopの優劣を決める鍵を握っているレーンと言っても過言ではない。両方とも序盤Topカバールートを好み、そこでの優位を活かしてスノーボールする能力に優れたJG。ただ、ガンクには少し差があり、Canyonの方がよりTop-Mid中心で動くイメージで、T1はPOでTeddyが出場してからは上半身で得た利益をBotに投資していることが多い。
 チャンププール面ではほぼ一緒で両方ともリーシン、ニダリー、ヴィエゴを好み、トランドルやシンジャオ、ダイアナも使いこなせる。最近、DK側がヤスオ-ダイアナの構成をよく出してた分、CanyonのMostでもあるダイアナピックをT1がどのように対抗していくかも注目ポイント。

Mid - Showmaker vs Faker Showmaker優位

Most Pick
Showmaker:1st ルブラン、2nd ルシアン&ライズ
Faker:1st ライズ、2nd TF、3rd アジール&レネクトン

 ある意味、今回決勝のコンセプトとも言える、新時代 vs 旧黄金期の代表を務めている二人。シーズン途中Botに出張したのにも関わらずLCK 1st Teamに選ばれた新時代最強候補Showmakerが、今回はBO5で魔王と呼ばれるくらい圧倒的なパフォーマンスを披露するFakerの挑戦を受け入れる形となった。
 試合の展開はレーン戦で主導権を取りCanyonを楽にさせたいShowmakerと、それをある程度抑えながらサイドレーンに影響を及ぼしたいFakerになると予想。魔王と呼ばれた時期のFakerは確かにレーン戦から相手を押しつぶすタイプのプレイヤーだったが、今のFakerはチャンププールからも分かるように、レーン戦をある程度有利に持って行ってサイドレーンにロームすることを好む。そのお陰である程度レーン戦能力が保証出来る+ダイブに特化したチャンピオンを多く使った。
 一方、Showmakerは今シーズンMidで14種類のチャンプをピックしていて、ロームプレイに特化したライズ、ルブランは勿論、レーン戦重視のルシアン、チームを補助するためのルル、カルマ、そして謎のトランドル…ピックまで様々なチャンピオンを使いこなしつつ、違う役割を殆ど上手く果たしている。ロームを好むMid相手には特にレーン戦を強く持って行って、相手を抑えるプレイをしたShowmakerでもある分、決勝でもレーン戦段階で勝負が決まると予想する。
 BPでの注目ポイントはシンドラ。Showmakerがシンドラを好むのはもう秘密ではないし、リーグ後半からMidで、そして他の地域ではBotシンドラも活用されている。Fakerの場合、アマチュア時代からシンドラを上手く使うプレイヤーとして有名で、WCS優勝スキンの持ち主でもあるが、2020LCK Springで1回プレイしたシンドラが3年ぶりのシンドラピックでもあり、またそれ以降シンドラをプレイしていない。Ghostも非ADCチャンプを好むプレイヤーでシンドラを使いこなせる分、T1コーチ陣からはBPで注意が必要な所である。

Bot - Ghost/BeryL vs Teddy(Gumayusi)/Keria  引き分け

Most Pick
Ghost:1st ヴァルス、2nd カリスタ、3rd アフェリオス
BeryL:1st レオナ、2nd レル、3rd タムケンチ&ブラウム
Teddy:1st エズリアル、2nd ジンクス、3rd カリスタ
(注:Teddyの場合、出場が少なかった影響でセナが2ndですが、その間のメタ変更を考え、除外しました。)
Keria:1st レオナ、2nd ブラウム、3rd タムケンチ

*Teddyがスタメンである前提で述べてます
 両チームとも逆境から戻ってきたADCとKR最高Supの組み合わせ。ADCの場合、両方BBQ、JAG時代から今までの対戦記録を見てみると26:17でGhostが優位を取っている。プレイスタイルから起因するとの分析もあって、Ghostはチームからのケア無しでもある程度チームを支えられるコスパが高いADCであり、それを可能とする強いレーン戦とAPチャンプまで使いこなす広いチャンププールが持ち味の選手。一方、Teddyは、成長が保たれている環境では、不利な状況も個人のスーパープレイで打破するほどの高い後半キャリー力が特徴で、Ghostとは真逆のプレイスタイルを持っている。今回も展開はほぼ一緒と予想されている中で、Ghostが得意とする非ADCチャンプが出た場合、Teddyがどのように対策するのかも一つのポイント。
 Supのマッチアップはこの2年間LCK 1st Supを両分した二人。BeryLはMSIに続きSummer序盤までの不調を乗り越えて、今はチームのエンゲージや集団戦での積極的なコールなどでリーグ後半、チームの上昇気流を作った選手とも言える。KeriaはSummer序盤チームが苦しい環境の中で、チーム唯一の打開策と呼ばれるくらいで、今シーズン絶好調のパフォーマンスを維持してきた。Ghostの安定なレーン戦を利用したBeryLのロームプレイがDKの強みでもあるが、似たような強みを持つLSBを相手した時のKeriaは相手を上回る予想でEffortのロームに一足早く対応するなどで完封した経験がある分、DK戦でもBeryLに合わせたプレイを見せると予想している。
 BPでのポイントはAPチャンプとレル。上で述べたようにGhostは今シーズンのジグスは勿論、過去にカシオペアやシンドラもbotで使った経験がある分、APチャンプを出す可能性も充分考えられる。また、BeryLのレルは通算15戦全勝で15連勝を記録しているが、Keriaは通算1勝7敗で不得意チャンプであるため、DKの隠し札をT1がどう対応するかが大事になってくると思われる。

MINの予想 3-1 DK

余談(豆知識)

・Khanは兵役が残っていて、今年のWCSを最後に引退する可能性が高い分、この決勝戦が最後のLCK試合となる。
・Khanは今回優勝すれば通算6回優勝で、それぞれ違う3チームで2回ずつ優勝したことになる。そして決勝に進出したら必ず優勝するジンクスを維持できる。
・Showmakerの通算1000キルまでは残り11キル。この決勝で通算1000キルを達成する可能性が高い。
・Showmakerは優勝した場合、LCK3回優勝&3回連続優勝を達成した2番目のMidとなる。(1番目はFaker)
・Canyonは優勝した場合、LCK3連続優勝を達成した2番目のJGとなる。(1番目はBengi)
・PoohManduはコーチとして3回目のLCK優勝となり、Kkomaの次にLCK優勝回数が多いコーチとなる。
・T1は優勝するとLCK10回優勝を達成
・Fakerは優勝した場合、LCK10回優勝は勿論、LCKを優勝した最高齢Midとなる。(優勝した時の歳が基準)
・Teddyは優勝した場合、LCKを優勝した歴代ADCの中で2番目の高齢者となる。(優勝した時の歳が基準、1位は23歳109日の時優勝したNuclear)
・T1が優勝した場合、監督代行の状態で優勝を達成した2番目のチームとなる。(最初の例は18年ZanDarC監督代行の時期に優勝したKT)

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