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少し早めに書いてみるLCK 2022 Summer 1Round決算

1.はじめに

 こんにちは。LCK 2022 Summer 1Roundも残り5試合。そこで少し早めではありますが、LCK解説陣、KRファンコミュの評価と自分なりの考えを加えて、1Roundをまとめてみようかと思います。それではよろしくお願いいたします。

2.順位

2022年7月11日現在のLCK順位

 現在の順位は1位GEN、2位T1、3位LSB、4位DK、5位DRX、6位KDF、7位KT、8位NS、9位HLE、10位BROとなります。2強3中3弱2最弱の形でレースを続けている中、T1がGENの全勝を防ぎ、首位争いをより激しくしています。

2-1) 首位争い

 先ほども述べましたが、マッチ35 GEN vs T1の対決でT1が勝利を獲得し、GENは全勝を維持することが出来ず、今シーズン初の敗北を記録しました。この結果によりGENとT1は勝敗同率を記録。ただ、setの得失差によりGENはギリギリの1位を守ることが出来ました。GENとしては春決勝のリベンジ、今までの天敵関係の終了を狙える絶好のチャンスでしたが、惜しくも敗北を記録してしまいました。1Rで陣営選択権をGENが持っていた分、この負けは後々の首位争いでより痛く感じる負けとなるかも知れません。
 一方、春シーズン無敗で10回目の優勝を達成したT1は、MSI後にBP面、パフォーマンス面で不安定な部分を表す等、不調な時期もありましたが、GENを倒し、その評価を消すことが出来ました。特に、新人のZeusとOnerは相変わらずフィジカル活かした主導権の獲得と集団戦でのキャリー能力を充分発揮していて、その二人を支えるFakerのプレイメイクも未だ健在であることを示しました。まだBotの二人が春の圧倒的なパフォーマンスまでには至ってないとの評価を頂いているので、そこをBPで優先する、またはチャンププール面の改善などで上手く修正する必要はあると思われます。

2-2) PO進出を賭けた6位争い

 春に続いて夏の6位争いも激しくなっています。現段階で有力候補はKDF、KTの2チーム。春では最後で奇跡的な下剋上を起こしたBROが6位の座を獲得しPOに進出しましたが、そのBROは現在全敗を記録して絶不調。そこでKDFがKTとの直接対決で勝利を獲得し、6位の座を取っています。
 特にKDFはコロナにより選手たちが会場に来れず、万全なコンディションではない状況にもかかわらず、斬新なBPと戦術を活かして連勝を記録し、6位まで登ってきた分、貴重な記録とも言えるでしょう。しかし、今の上昇気流の中でも不安な点としてはsetの得失差が挙げられます。BRO戦を除けば、勝った試合は2-1勝利、負けた試合は0-2敗北を記録していて、7位KTより1勝多い状況でも、setの得失は同率であるため、今後6位の座を守るためにも、これからの試合では最後まで集中して2-0勝利を獲得する必要があると思われます。
 一方、KTは毎試合改善された点と改善すべき点両方を表す試合の連続となってます。敗戦の中でもBotのパフォーマンスが健在であることを見せたのは今後の6位争いでも期待できる点と言えるでしょう。またBP面でも春と比べて凄く改善された展開を見せているのでファンの間でも、解説陣からも好評されている点の一つです。ただ、LSB戦やKDF戦で現れた問題として、相手の隠しピックや独特な戦術に対応することに苦労しているように思われます。Hirai監督が率いた最初のシーズンを除けば、リーグがフランチャイズ化して以来、一度もPO進出を達成していない分、チーム全体が危機感を感じる時点と言えるでしょう。

2-3) 期待を超える活躍を見せたチーム:Liiv Sandbox(LSB)

 Summit、Croco、FATE、Prince、Effortが中心であった2021のSandboxはファンの間で「勝っても負けてもガチンコの真正面勝負で勝敗を決める浪漫溢れるチーム」との評価からLiiv 浪漫boxとの愛称で呼ばれるチームでした。そのチームが2022の春ではCroco以外の選手と契約終了となり、T1の有望株で会ったClozerとチームの創立メンバーでもあるDoveがTopとしてチームに戻ったものの、新人選手の限界を見せながら9位を記録しました。その悔しさを乗り越えるためでしょうか、2021年Liiv 浪漫boxのメンバーでもあったPrinceがチームに復帰すると共に、あの浪漫溢れるチームカラーを取り戻しています。半年を休んで戻ってきたPrinceは優れたキルキャッチ能力を活かしてスノーボールを加速し、リソースを投資した分、チームにリターンをしっかり与えるチーム最後の砦としての役割を期待以上に果たしてくれてます。1Roundの最後の試合はリーグ首位のGEN。GEN相手にも引かずに真正面勝負で激戦を見せてくれれば、今のパフォーマンスがまぐれではないとはっきり証明できるでしょう。


2-4) 期待に沿えなかったチーム:Damwon Gaming KIA(DK)、Fredit BRION(BRO)

 Nuguriの復帰による期待が大きかったのでしょうか。個人的にはもう少し高い位置で首位争いをするDKを予想していたのですが、現在5勝3敗で4位を記録しているDKです。今のDKの問題点として指摘されているのはチームのプレイスタイルが予想しやすい点と言われています。僕も一度Twitterで自分の意見を載せたことがあるのですが、20年全盛期のDKは、Ghost-BeryLが強いレーン戦から、Canyonが自由にルートを選べる基盤を作ってくれて、その予測しずらいルートを活かしてMid-Topを支援し、Mid-Top二人の優れたフィジカルを活かしたキャリー能力を100%引き出すチームでした。今はShowmakerのキャリー力をある程度犠牲して、Botカバーをするためのルートを常に心掛けなきゃならないため、Mid-JGの主導権から出る威力が半減していて、上位チームを相手する時には、相手チームがDKのゲームプランを予測し、CanyonのBotケアを中心としたルートを狂わせ、全レーンへの影響力が抑えられてしまう傾向がみられます。Botのチャンププール面、特にKellinのエンゲージチャンプを取らない点もあり、20年当時のMid-Top中心のBPではBotが耐えれず、Botに後半キャリーピックを置いてもそれほどリターンが大きくないと言えるでしょう。直近の試合ではアフェリオスやタムケンチなどを利用してBotのチャンププールを増やしている分、2Roundでは挽回できるDKを見てみたいですね。
 もう一つの期待に沿えなかったチームは春に奇跡的なPO進出を達成したBROとなります。直近の試合ではコロナ問題に苦しんでいたKDF、首位争い中のT1に負け未だにシーズン全敗、早めに1Round最下位を確定してしまいました。春のBROはUmTiのドラゴンを中心とした視界管理とLavaのレーン戦主導権を活かした序盤からのドラゴンファイトでスノーボールを加速させるチームでした。しかし、夏になってそのルートやマクロが読まれてしまったの上に、メタの変化によるLavaのパフォーマンス低下で前の様にMidの主導権が取れず、オブジェクト前での集団戦を有利に持っていけなくなり、オブジェクトを取ったとしてもそのまま負けて行く試合が増えています。前シーズンPOに進出していたチームには過酷な状況ではありますが、今は取り敢えずレーナーのレーン戦でのパフォーマンス改善が最優先であり、コーチ陣もその点を踏まえたBPを準備する必要があるでしょう。1Round最後の相手が同じく不調で苦しんでいるNSである分、まずは1勝を取り連敗を終わらせるべきです。

3.Ban / Pick

 BPはパッチバージョンによってその傾向が急変することも多いため、直近の傾向をまとめてみたいと思います。まずはパッチ12.12でのBP率上位のピックから見てみましょう。

  1. ウーコン BP率98% 勝率39%

  2. ルシアン BP率94% 勝率69%

  3. コーキ  BP率89% 勝率50%

  4. ナー   BP率77% 勝率45%

  5. ジェリ  BP率74% 勝率71%

  6. ヴィエゴ BP率74% 勝率57%

  7. グウェン BP率72% 勝率48%

  8. アーリ  BP率70% 勝率31%

  9. カリスタ BP率69% 勝率35%

  10. アジール BP率67% 勝率66%

 全体的な傾向を見てみると、まずTopは未だにナーとGPが両分しています。特にナーは先出しとして安定で、プレイヤーの能力次第では集団戦でもCCを用いて一気に挽回を狙えるチャンプでもある分、多くのチームから使われてます。その他にはフロントライン役を務めるセジュアニやオーン、そしてナーフでも健在を示しているグウェンなどがあるでしょう。
 JGでもウーコンとヴィエゴで両分されてます。特にウーコンはナーフにもかかわらず、1コアタイミングから発揮できる万能な所を未だに活用するチームが多いです。しかし高いBP率とは逆で勝率は落ちてる傾向であります。ポッピーやトランドル等、序盤から高いガンク性能を持った上に集団戦でもウーコンをカウンターできるチャンプがピックされることも多く、ウーコンの強いタイミングが来る前に対策をしているチームが増えましたね。
 Midでは特有のアグロ管理能力を活かしてスノーボールを作りやすいアーリ、後半キャリー&ポーク役として優秀なコーキとアジール、そして多様なCCを利用して相手のキャリー役を上手く抑えられるスウェインとリサンドラが主流と言えるでしょう。相手の構成を見てから後出しとしてピック出来るサイラスも挙げられます。
 ADCは、ナーフによって少しずつピックされているルシアンとジェリが1ティアと言えます。上記2チャンプがバンされた場合は、各構成によってカリスタ、エズ、アッシュ、アフェ、ジンクス、ザヤなどがピックされていて、隠しピックとしてドレイブン、非ADCチャンプとしてセラフィーンやタムケンチがピックされています。
 最後にSupは強いレーン戦とultによるカウンターエンゲージ、そしてWの活用から予想外の戦闘結果を生み出せるレナータが1強と言えます。その他には味方のADCに合わせたチャンプが多く、ルシアンに合わせるナミ、カリスタと合わせるアムム、ハイパーキャリを守るタムケンチ、断食セナと合わせるタムケンチ&セラフィーン、ジェリとエズのキャリー力をもう一段回上げてくれるユーミなどがあります。

3-1)注目のチャンプ1:アジール

 全チャンプの耐久力が上がってから、アジールはティアが急上昇したチャンプの一つです。耐久力が増えた分、終盤まで持続的にダメージを出すことが重要となった現在、レーン戦が強力で後半にも強く、JGとの組み合わせによっては序中盤でもultで有利な展開を作れるアジールは無難に出せるチャンプと言えるでしょう。アイテムもリアンドリ - 抱擁のビルドで後半持続的にダメージを出せるようにするビルドが主流となり、ルーンでもファーストストライクを活用して早めにキャリー力を引き出しています。LCKではBP率も勝率も高い分、今後も試合のキャリー役として使われるピックと言えるでしょう。

3-2)注目のチャンプ2:ルシアン

 必ずバンされるチャンプであったルシアンが、直近の12.12パッチでは試合に少しずつ姿を現しています。基礎ステータスとQダメージのナーフにより、レーン戦からの主導権を活かせてオブジェクトを取れなかった場合、後半ダメージを出せる環境を作るのが難しいため、必Banリストからは消えたと思いますが、それでもその環境が整った場合はどれほどの威力を出せるのかを昨日GEN Rulerが充分見せつけてくれたため、チームのコンセプトによっては引き続き姿を現せることが多いと考えます。パートナとしてSupがナミに固定されることが多い分、ルシアンピックによるBPでの心理戦なども楽しめることが出来るでしょう。

3-3)注目のチャンプ3:カリスタ

 ルシアンを除けば、現在ピックされるADCチャンプの中で最も序盤主導権を握りやすいチャンプはカリスタと言えます。強いレーン戦、オブジェクト狩りでの優位、エンゲージ要素の追加、ルシアンよりも自由なパートナ選択などで、チームコンセプトをより自由に作れるチャンプとも言えます。特に現環境でよく出るジェリ、ザヤ、エズなどを相手してレーン戦主導権が握りやすく、JGのルートでより自由度を与えられるカリスタピックは、アムムと合わせてよりBP率が増えていくのではないかと思われます。

4.まとめ

 今回は1Roundを総括する感じで順位争いでのポイントや現環境でのBan / Pick、注目のチャンプなどをまとめてみました。長い文章になってしまいましたが、よりLCKを楽しく観戦できる資料として活用して頂ければ幸いです。お読みいただきありがとうございました。

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