ドローイング
線描が好き。
三次元世界に輪郭はないなどと言う人がいるが、線描のキモはそこにない。"へのへのもへじ"が人の顔に、平安の落書きが現代人の目にも烏帽子姿の人物に見えるところに面白さがある。
一本の線が地平線であったり、女性の柔らかな二の腕であったりする。自分のイメージが一本の線で伝わり、認識が共有される。そこが面白い。
マチスやピカソのドローイング、小出楢重の挿絵や園山俊二の漫画。どれも少ない線で豊富な内容を掴み取っている。
細密な線でリアルな絵を描くのも凄いと思うが、線描を選んだ時点で、法律の条文ではなく"詩"に向かうべきような気がする。