アルティメットありがとう、幸あれ。
"年の瀬"を感じる瞬間は、人によって違うと思う。色づいた葉っぱが地面に落ちた時? 街がネオンに染まる頃? お店におせちが並び始めた時? 自分にとっての"年の瀬"は、"M-1"。今年もついにやってきた。いよいよ今週。予選からずっとソワソワしているのだから、秋から"年の瀬"なのかもしれない。今か今かと待ち遠しい反面、終わってほしくない気持ちもあって、それくらい自分にとって大切な日なのだ。
"M-1"はとにかくブランディングやPRが上手だなと、素人の自分でも思う。各ステージのネタ動画の配信、TVerのワイルドカード制度、各種関連情報やPVの制作。当日に至るまで、ファンがドキドキワクワクできるコンテンツを多く揃えているなと感じる。だからこそ、決勝当日の画面越しにも伝わる緊張感と大爆笑の渦は、観る人すべてを引きこむのだと思う。
にしても、今年はこれまでになく緊張している自分がいる。ワクワクよりもドキドキが勝る。漫才師でも審査員でもない、ただの視聴者でしかないのに。「なんでだろう?」と考えた時、お笑いに費やした時間が多かった1年だったからなんだと気づいた。これまでの人生で、お笑い番組にはたくさん触れてきた。きっと世間一般並みに話がわかるくらいには触れてきたと思う。しかし、本格的にお笑いにハマった昨年。いろいろな番組やネタ、ラジオなどをとにかく漁った。好きな芸人もできた。そうして迎えた昨年の"M-1"は、これまでになくワクワクしながら観ていたと思う。今年はその熱が冷めることを知らず、いろいろなコンテンツに触れ、合間を縫っては現場にも足を運んだ。だからこそ、より好きが大きくなったし、お笑い芸人のすごさ、かっこよさをたくさん知ることができた。しんどい時にたくさん救ってもらったし、自分の暮らしに欠かせないものになった。
準決勝生配信、決勝進出発表会見を観た。全組ありえないくらい面白かった中で、応援していた漫才師が複数呼ばれた。勝手に1人で嬉しくなって喜んで、思わず画面越しにガッツポーズをしたのを覚えている。この文章を書く直前、SNSでとある人のnoteを見つけて読んだ。元芸人の方だそうで、とても文章が上手でウルッときてしまった。ほんのひと握りの世界、その中でも売れる人はごく少数。シビアな世界でもあるんだなと痛感した。芸人はすごい。きっといろいろな苦労や葛藤を経験しながらも、目の前の人を笑わせることだけに向き合っている。とにかくかっこいい、そしてすごすぎる。
と同時に、「1組しか優勝できないのか。」と切なくなった。賞レースなのだから当たり前なのだけど、一視聴者がそんなことを憂う必要はないのは分かっている。それでも憂いてしまった。全員同時優勝すればいいのに、10/10330ってだけで、すごすぎるのだから。でもこんなこと言ったら、人生を賭けて挑んでいる人たちに失礼だ。尊敬しているからこそ、言わない。だったらせめて、誰が優勝したとしても、これまでで1番最高な大会になってほしい。そうなることを心から願って、テレビの前で全力で笑って、全力で応援する準備をしよう。2024年12月22日が楽しみだ。
全ての漫才師に幸あらんことを。
p.s トム・ブラウン、真空ジェシカがんばれ!ママタルトも。しんどい時、勝手に沢山笑かしてもらいました。アルティメットありがとう、ガツンガッツ、あでしゃ。