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【全世代、「Z世代化」!?】 ~ ソーシャル・エクスプレス Vol.11
今回は、DXを経て全世代が「デジタルの溶け込んだ生活」である ”デジタル・シャワー” を浴びることで、
かなり後天的ではあれど全世代がデジタルネイティブであるZ世代のような特徴を備え始める("Z世代化" = デジタルネイティバイセーション)のでは、という仮定を論考していきます。
前半では「デジタルネイティバイセーションについて」、
後半では全世代的と判断できるTwitterレポートを参考にしながら「Z世代と他世代の傾向の相関度」を測っていきます。
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「世代」
その最小単位であるわたしたちは、常に変化し続ける動的な存在です。
空中一点の温度や湿度が常に移り変わるように、現代のトレンド、ファッション、音楽、サブカルチャー、デジタルなどの潮流は昨日と今日のそれがまさに空気のように変わり続け、いつしか空気のように社会を取り囲み馴染んで、また知らぬ間に消えていきます。
特に、Webサービスや日常での電子マネー、ECなどを含めたデジタルは今や私たちの生活とは切っても切り離せないほどの浸透度合いを見せています。そしてSNSマーケティング領域からだとネオデジタルネイティブやソーシャルネイティブと呼ばれるZ世代にとりわけ熱い視線が送られています。製品購入の重要なチャネルとして位置付けらたSNSにどの世代よりも精通し、かつ高い購買力と拡散力を備えているZ世代。
注目の的となるもは当然ですが、言うまでもなくデジタルパイオニアと呼ばれるミレニアル世代やX世代にも多数SNSユーザーは存在し、さらに高齢SNSユーザー(70~79, 80歳以上)も年々増加傾向にあり、こちらに至っては無視できない数値にまで増加しています。
年代ごとのSNS利用率・可処分時間を割く度合い・主な利用目的などは異なれど、デジタル環境下に身を置く人は誰であれ膨大なインデックスからAIが選別した情報に身を晒し、日常の至るところで "デジタル・シャワー" を浴び続けていることに変わりはありません。
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【前半】デジタルシャワーが全世代に降り注ぐわけ
これを補強するものとして「DX(Degital Transformation)と現実社会の関わり」を図式化したものを提示しますが、このようにデジタルに触れる機会はデスクトップ上やモバイル端末だけではなく生活 / 社会全体を包むようにしてデジタル領域は存在します。
リアルの一部のみがデジタル化しているのではなく、
現実社会全域を包括的に包み込み、リアルとデジタルが融和した状態こそがDXといえると考えています。
先述したZ世代の特徴(SNSへの精通度合い・拡散力など)を彼らに発見できる理由としては、ネオデジタルネイティブであることに起因します。これはつまり、かつてないほどにデジタル領域への親しみが早く大量に、幅広い領域で デジタル・シャワー を浴びていたから。
『幼少のころから英語を耳にしてきた場合』と『成人後に英語を勉強し始めた場合』を比べると、語彙・読解・殊に発話に大きなアドバンテージが生じます。しかし、あくまで両ケースとも後天的に習得しているものであり、『成人後に英語を勉強し始めた場合』であっても『幼少のころから英語を耳にしてきた』人の能力を追い抜くことに違和感はないでしょう。
以上のことから言えるのは、次で説明する「デジタルネイティバイゼーション [Digital Nativization] 」だと考えています。
Z世代は早くからデジタルに馴染みデジタル・シャワーを大量に浴びていたために "デジタルネイティブ化"(=デジタルネイティバイゼーション)を早々完了させています。
DXが推進され、上図のようにデジタル・シャワーの影響を避けられない現代社会にいる他世代はというと、徐々にデジタルネイティブ化を進めている最中であると言えるでしょう。また最も早くデジタルネイティバイゼーションが顕在化する世代は、Z世代を非常に近しい存在であるミレニアルズだと考えられます。
価値観・インターネットとの関わりでZ世代とミレニアル世代を比べると概して上図のようになるかと思いますが、常時浴び続けるデジタル・シャワーにより日々デジタルネイティバイゼーションが進んでいくのではと考えられます。
もちろん年代によって、年少期やアイデンティティが確立できたタイミングでの思考のファンダメンタルに相違があるかもしれませんがいずれにせよ、どの世代にも同等にデジタルに馴染み続けていく機会があることには違いはないでしょう。なぜなら、世代と静的に括ろうともその最小単位である「人」は、どうあがいても動的に変化し続けるものなのですから。
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【後半】デジタルネイティバイゼーションの端緒
Twitterから興味深い記事が出稿されていました。
『コロナ禍のツイートから読み解く7つのインサイトと、ビジネスに取り入れるためのヒント』(以下「Twitterレポート」)と題された記事には、Twitterユーザーのインサイトを紐解きDXの躍進が見られたアフターコロナの人々の変化についてふれられています。ここでの「Twitterユーザー」は年齢や世代でセグメントされてはいませんが、それがゆえにここで示されている内容は、全世代的な変化傾向と見てとることができるでしょう。
内容については概して7つ(+1)の行動・状況が挙げられました。
ここでの詳細な説明は省きますが、10スクロールぶんもないほどコンパクトなので、気になる方はぜひ上記リンクより一読してみてください。
①共感情の発露
②新たな挑戦への価値増大
③コミュニティの重視
④ワークライフバランスの重要性
⑤一貫した行動で示されるスタンスの重視
⑥オンライン / リアルの充実したブレンデッド体験
(+不完全を受け入れる寛容さ)
⑦「スローダウン」が 1つのライフスタイルに
さあ、見ればみるほどにZ世代の傾向として言われているものが含まれているように感じらませんか?
ここでは、TikTok For Businessから発表されたZ世代白書、マーケティングアナリスト原田 陽平氏の記事、電通若者研究部の調査などを引き合いに、Z世代の特徴としてあげられる部分と比較していこうと思います。全7(+1)項目を見比べることはできませんでしたが、全世代的なTwitterレポートのデータとZ世代の特徴に近似的描写がある点①③④⑤⑦を説明していきます。
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①共感情の発露
Twitterレポートではコロナ禍を経て感情を示す絵文字の増加が報告されており、自身の感情を的確に表現し他ユーザーとの共感(やリアルに近いコミュニケーション)を求めていることが伺えます。
消費、ソーシャルアクトへの参画、SNSでのエンゲージメント(いいねやコメント)など各所において共感をもとに行動することが多いといわれるZ世代は、世間体を考慮しつつも個性を重視する傾向にあります。Z世代白書では『人が自分をどう思っているか気にするか』に対し25歳以上の世代58.5%と比べおよそ15ポイント高い73.4%という結果が出ています。
③コミュニティの重視
Z世代では、家族、中高大学の友だち、アルバイト先などのパーソナルコミュニティ、アイドルやYoutuber、ファッションなどのインタレスティングコミュニティといったように、共通のユーザーとストレスレスなコミュニケーションを主として求めコミュニティを細分化し複数のSNSアカウントを利用する傾向があります。
Twitterレポートではパンデミックによる物理的距離の断絶が原因とされていますが、少なからずZ世代のコミュニティ意識向上を手伝ったのにも同様に影響していると考えられます。
④ワークライフバランスの重要性
Z世代は、新型コロナウイルスによりどの世代よりも早くリモート授業や在宅勤務に就いたことから、リモートネイティブと表現されます。
従来の「会社へ出向きオフィスで働く」という価値観が崩壊した結果、自宅で「住まう・働く」が完結するようになりました。さらに、SDGsの気風も流れ混んだことから、"自分らしいライフスタイル" に大きなウェイトがあることが分かります。
⑤一貫した行動で示されるスタンスの重視
電通若者研究部の調査では、Z世代の思う「かっこいい」の基準は自分のスタンスを持っていることだと発表しています。
Twitterレポートでも「一貫性のあるアクション」「不完全であっても説明責任を果たす」といった強い意志(=スタンス)が重視されているとの見解を示しています。
一元的な価値観だけでは対処しきれない "witthコロナ" の世界を、揺るぎない自身のスタンスを信じ生きていく姿はZ世代のみならず全世代的に魅力的な人物像(ブランド像)であることが伺えます。
⑦「スローダウン」が 1つのライフスタイルに
Twitterレポートによると、ステイホームに伴う外出自粛で出勤はおろか旅行なども敬遠され、多くの人に自宅でゆったりと過ごす(=スローダウンな)ライフスタイルが定着していたようです。
Z世代のこうした傾向は「チル」と表現され、スローダウンなプライベートライフスタイルに "自分らしい過ごし方"・”セルフブランディング” 要素が組み合わさった過ごし方として見られます。(コロナ以前の人手不足の就活市場や ”戦後の根性論" 的要素消失も「チル」発生因子の一つとして考えられています)
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以上、TwitterレポートとZ世代の傾向比較でしたが、
DXを推し進めたコロナ禍の影響値は計り知れないため、近似的描写のあった上記①③④⑤⑦の事例だけから『DX化によるデジタルシャワーを浴びて、全世代が "Z世代化"(=デジタルネイティバイゼーション)している』とは判断できません。
しかしながら少なくとも①③④⑤⑦の事例からは、調査元がTwitterのみとは言えどかなりZ世代と類似した関係性が他世代に確認できたことは紛れもなく、デジタルネイティバイゼーションの端緒をそこに見ることができるでしょう。
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末筆
・コロナ禍が引き起こしたZ世代への影響
・コロナ禍が引き起こした全世代的への影響
・デジタルがもたらしたZ世代への影響
この区切りで考えたら、コロナとデジタル、世代ごとに与えた明確な違いがもう少し深く見えてきそうなんだけどな...。さて、どうしたものか...。
Z世代を中心とした社会変化やデジタルサービスなどが、彼らのインサイトにどのような変化を引き起こしているのか、そんなお話をZ世代本人が考えてみるマガジン【ソーシャル・エクスプレス】。
その他の記事は、当マガジン↓よりご覧いただけます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。