#79 怪人狼男の殺人大パーティー
1971年12月25日、つまり50年前の今日、第一作『仮面ライダー』で、
怪人狼男の殺人大パーティー
が放映されました。
私は例年、クリスマスの時期になると、このお話を鑑賞することが多いです。
仮面ライダーは今年で50周年を迎え、様々なイベントなり商品が出て盛り上がりましたが、やっぱり私が好きなのは、第一作の元祖仮面ライダーです。
この39話目は、ショッカー最初の大幹部・ゾル大佐が黄金狼男となって、仮面ライダー(2号=一文字隼人)に決戦を挑むお話です。
前日のクリスマスイブは、帰ってきたウルトラマンで、初代ウルトラマンとセブンが新マンを助けに来るという、素晴らしいクリスマスプレゼントがありました(坂田兄妹のことを思うと手放しでは喜べない回でしたが)。
そして翌日のクリスマスには、ライダーとゾル大佐=狼男との決戦が繰り広げられたのです。
悪の組織の大幹部が最後に怪人に変身してライダーに挑む、というパターンはライダーシリーズではお馴染みですが、その最初がこの39話でした。
なんと言っても秀逸なのは、追い詰められたゾル大佐が一文字隼人の前で、不敵な笑みを浮かべながら黄金狼男に変身。
驚いた一文字が負けずとライダーに変身して、決戦に挑む場面です。
さすがは大幹部の怪人というべき、黄金狼男のデザインと造形の素晴らしさ。
そして、強さ!
ライダーに変身直後は、いつものようにショッカー戦闘員がバラバラと出現したのですが、何故か一瞬で居なくなり、すぐに狼男との一騎討ちになります。
おそらく、一騎討ちに時間をたっぷり割くために、戦闘員とのいつもの戦いはカットしたのでしょう。
この後のライダーと狼男の戦いは、まさに泥だらけの死闘となります。
最初は指先からのミサイル攻撃を行なっていた狼男も、それ以降はとにかくライダーとの殴り合い、蹴り合いになります。
戦いを見守っていた滝も、思わず心配して
『ライダー!』
と叫ぶほどの死闘っぷり。
最後は両者フラフラになりながらも、一瞬のスキをついて飛び出した、ライダーの
(ジャンプ体当たりの)ライダーパンチ
が炸裂し、狼男は倒されます。
第一作からV3にかけての大幹部怪人で強かったのは、このゾル大佐=黄金狼男と、この後の死神博士=イカデビルくらいで、それ以降は意外と弱かったりします。
この狼男戦は、昭和ライダーのファイトの中でも、特に印象深い死闘だったと思います。
このお話の最後は、クリスマスパーティーを開いている子供たちをライダーとして訪問して、五郎ら子供たちに自らのソフトビニール人形をプレゼントするというおまけ付き。
前日の帰ってきたウルトラマンのラストで郷秀樹が、兄と姉を失った次郎少年がささやかなクリスマスパーティーをしているところに訪れる、なんとも言えない寂しさを感じる場面と対照的に、爽やかで楽しげな場面でこのお話は終わります。
翌週は元旦ですが、仮面ライダーは放映され、しかも子供たちにとってはスペシャルお年玉というべき人物が帰ってくるのです。