【ネタバレ有】マンドーS2完結!思索整理
---もくじ---
0. 前置き
1. "マンダロリアンとは"という話。
2. ボ=カターン像について。
3. ギデオン結局ナニモノだったの。
4. アソーカとルークの登場。グローグー。
5. ボバとフェネック。
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0. 前置き
12月の第3金曜日といえば、2015年の『フォースの覚醒』公開以来、毎年Disneyが手掛けるSWのローンチルーティンとなっており、各作品への賛否は様々あるものの、わしを含め世界中のSWファンが待ち望む日となっておった。
去る2019年の『スカイウォーカーの夜明け』で一旦の完結を迎え、今年は劇場公開作品は無かったわけじゃが、Disney傘下Lucasfilmの現社長キャスリン・ケネディは、Disney+での10シリーズローンチ予告という爆弾に加えて、マンドーS2最終話をこのタイミングにぶつけ、今後のカノンSWサーガの拡張を期待させる風呂敷を大きく広げることで、見事今年のクリスマスも"SW祭り"をぶっ込んでくれたんじゃな。
さて、皆さんはS2をどのように楽しんだかの?わしも様々な感情が去来したが、140文字のツイートで誤解なく色々表現できる自身が無いのと、ネタバレも皆さん気にされると思うので、一応自分の気持ちの整理も兼ねてnoteに書き殴っておこうと思うわけじゃ。
さてS1では、最終話であるチャプター8のラストでギデオンが持つダークセイバーが明かされるまで、それまでのカノン作品とのリンクがほぼ皆無じゃった。ヒーロー達が風をまき起こしてメインストリームの風車を回している頃、そんな反乱軍vs帝国・ジェダイvsシスの争いに直接利害の無い一般市民やアウトロー達は、必死に自分の人生を生きている、という、サイドストーリーならではのある種の"軽さ"が魅力じゃと思っとった。
しかしS2ではサーガ史の根幹に関わるリンクが目まぐるしく貼られていき、どんどん「どうなっちゃうんだろう、何に繋がるんだろう」感が強くなっていったよな。
今後の様々なシリーズの展開に期待と憶測で語り合える材料が提供され、このように外野でわしらがああでもない、こうでもない、と持論を飛ばしあうことができるのもSWファンで良かった、と思わせてくれるところじゃよな。
ということでトピックごとに簡単ではあるが徒然なるままに書いていくぞ。個人的見解のオンパレードなので、誤りの指摘や異なる意見があればどんどんぶつけてくれのう!
1. "マンダロリアンとは"という話。
本シリーズが今までのSWシリーズの中でひとつ突出しとるなと感じるのは、"アイデンティティ"というトピックに大きく切り込んどるところじゃろう。
S1ではアーマラーの存在と絡めて『我らの道』という、ディン・ジャリンが何よりも重要視するマンダロリアンの教義が色濃く強調されておった。人前でヘルメットを決して脱がない、という掟に象徴されていたのう。視聴者にとっても、彼にとっても、マンダロリアンとして"他の形"はあり得無い。
ところがS2では、自分が絶対的と思い込んでいた『我らの道』が必ずしも全てのマンダロリアンに共通されるユニバーサルなものではない、という、ディン・ジャリンにとって価値観の崩壊ともいえる展開が用意されていた。
やっとのことで出会えた"同胞"であるはずのボ=カターン達が平然とヘルメットを脱ぐ。ヴァンスから取り戻したアーマーの正統所有者であるボバ・フェットが教義を遵守していない。そしてヘルメットを脱ぎストームトルーパーに変装した彼をメイフェルドが茶化すのじゃ。お前の言う"教義"とは何の意味があるのか?と。
ここで重要なのは『マンダロリアン』="惑星マンダロア出身者"という短絡的な定義ではなく、"マンダロリアンとしての生活様式、思想をバックボーンとして生きている人々"であるという点じゃ。そしてデス・ウォッチ、チルドレン・オブ・ザ・ウォッチ、ナイト・オウル等、マンダロリアンと一口に言っても色々なクランが存在し、教義や生活様式もそれぞれに異なっているということが語られた。
孤児を育てるマンダロリアンは当然多人種化しているし、前述のように部族ごとに教義も異なっているが、通底する『自分たちはマンダロリアンなんだ』という帰属意識としてのアイデンティティこそが、彼らをマンダロリアンたらしめている。
例えば日本出身でなくても、または両親が日本人でなくても、日本文化の中で育てば自分のルーツとして日本を意識する。この帰属意識こそがアイデンティティとしての"日本人"であり、"マンダロリアン"でもある。
ちびヨーダを守るという自分の人生にとって本当に大切なことを見つけ出すことで、自分がマンダロリアンだと思ってさえいればどんな形であろうとマンダロリアンで居られる、ということに気づいたディン・ジャリンは、それまで絶対視していた教義の掟を破ることができたんじゃよな。
チャプター16ではジャリンもマンダロア開放戦争に参加することが仄めかされたが、表層的な差異にこだわらず、"大同小異"をとることができれば、初めてマンダロリアンも一枚岩になれて、本当の意味での繁栄が訪れることじゃろう。そしてそれを中心となって成し遂げるのは、かつてタカ派デス・ウォッチとハト派である姉サティーンの両道の思想を受け継ぐ、ボ=カターン姫をおいて他に居ないというところじゃな。
そこで次に続くんじゃが、
2. ボ=カターン像について。
わしは正直チャプター11でのボ=カターン達の扱い方はどうかと思った。TCWやRebelsでの彼女らの心に燃える炎、そしてそこに感情移入していればこそ、19BBYから約30年にも及ぶ帝国の勃興・激動の時代を跨にかけた割には、9ABYにもなってまだあんな辺境の惑星(トラスク)で小規模なテロに勤しみ、クルーザーを1隻2隻奪取して喜んでいる姿が、どうにも報われない・徒労感を感じてしまった。これじゃ救われないな、と。
脇役の宿命か、やはりアソーカやマンドーといったキャラクターが起こす風を受けないと、自分では風車を回せないのじゃろうかの。TCWのクライマックス、『シスの復讐』と時を同じくしてマンダロアを舞台にああいう出来事が起きていた、というのはとてもダイナミックな展開で熱かったと思うんじゃ。
S2で描かれた彼女は、前述した『ジャリンがヘルメットを脱いだ』ような自分の殻をまだ破れていないと感じた。それはチャプター16でジャリンからダークセイバーを受け取らなかったことに象徴されている。彼女のキャラクターデベロップメントはまだまだ途中ということじゃ。
どうか今後のマンドーS3やアソーカ単独シリーズ等を通して、ボ=カターンも本当に大切なものを見つけ、彼女の長い戦いも無事終わりを迎え、その突き刺すような目に安らかな笑顔がもたらされることを願うばかりじゃ。マンダロア開放とボ=カターンの使命が果たされる瞬間は、これから描くうえで最高のカタルシスをもたらさなければならない、Disneyにとっての大きな大きな宿題の一つじゃよな。
3. ギデオン結局ナニモノだったの。
モフ・ギデオンはS1,2を通して黒幕として活躍したが、結局彼がサーガの中でどのような役割を担わされているのか、ということは明確には語られず仕舞いじゃったな。
ファースト・オーダーの設立に関わる、つまりパルパティーンの操り人形の一人なのか、はたまた単に帝国滅亡のどさくさで独自に権力を築こうとする残党勢力のひとつに過ぎないのか。どちらの憶測も飛んでいる。
単独説は、彼のクルーザーが小さすぎる、従えている勢力が小さすぎるというのが主な主張のようじゃが、やはりS2が終わった今となってはその線は無理があるのではなかろうか。
彼の下でグローグーの研究に従事するパーシング博士は、クローニング技術の権威であることが明かされた。チャプター12で登場したタンクの中の異形、そして語られた"M count (M値=ミディクロリアン値)"という言葉から、彼らがフォース感応者のクローニングに取り組んでいることはほぼ間違いないじゃろう。
さらに決定的と言えるのが、チャプター16で追い詰められたギデオンが自決を図ったことじゃ。私利私欲、独自の帝国を築きたい男が自決するじゃろうか。チャプター11でクルーザーをマンドーらに奪取されそうになった艦長は自決した。これは"誰かのために"動いていることの象徴で、ギデオンもまた壮大な歯車の一つに過ぎないということが示唆されたのじゃな。
パルのクローン復活なのか、スノークの創造なのか、いずれにしても、ギデオンは敗れたがその役割はすでに果たされ、これからグローグーの血が利用されて銀河に大きな闇を落としてしまうことはどうやら避けられそうもないのう。
なお、余談だが新共和国の無能さも頭が痛いところじゃないか?たかだか監獄破りの罪状のレイザークレストを執拗に追っていた割には、あれほど堂々とクルーザーを飛ばす帝国残党の存在を感知できていないというのは。
まあ、今後Rangers of the New Republicでそこら辺の頑張りも描いてくれるんかのう。ファースト・オーダーに盤面をひっくり返されてResistance(=抵抗勢力)とかいう情けない名前になる運命は、もう決まっとるわけじゃが。
4. アソーカとルークの登場。グローグー。
それにしてもアソーカとルーク(とR2)の登場は祭りじゃったな!ドラマということで予算の制限からかどうしてもアクロバティックなアクションが少なく、絵的な物足りなさもあったが、目頭が熱くなる展開じゃった。
(特にTCWやRebelsでアニメの描写を堪能しているアソーカのアクションに関しては、ジャーカイやアタルを思わせるアクロバティックな無双を期待していただけに、槍を持った一般人に苦戦する姿はちょっと..)
9ABYはカイロ・レン事件はまだまだ先の話で、ルークがまだニュー・ジェダイオーダーに精力的に取り組んでいた時期のようで、これからグローグーがどのような役割を演じるのか楽しみであり、ハラハラもするのう。
カイロ・レンとなったベンに殺されてしまうのではないかという考察も目にしたが、さすがにEP9でライトサイドに帰還する彼にそこまでの罪は背負わせまい。再びジャリンが間一髪で助け出す、という展開に一票じゃ。
グローグーとマンドーは離れ離れになったが、次再会するときは涙なしに鑑賞できる自信が無いぞ。「行きたくないとよ」「君の許可を求めてるんだよ」このやり取り。そして自分から行くことを選ぶグローグー、えらすぎる。ここが一番泣いた。
グローグーは旧共和国ジェダイオーダーで訓練を受けていたということじゃが、誰が連れ出したのか、そして記憶喪失の真相はどんな感じなんじゃろうな。この辺が情報が少なすぎて一番妄想の域を出ん部分じゃ。ジョカスタ・ヌーやシャアク・ティあたりが絡むのかなとも思ったが、もっと衝撃的な真相を期待しとる。
しかし、S1冒頭で謎の勢力のアジトからジャリンが連れ出したことと、賞金を懸けていたのがギデオン側であることを踏まえると、ジャリンがグローグーを再び表舞台に連れ出してしまったという過ちを冒している可能性もあるんじゃよな。エンフィス・ネストのように敵と思われた勢力が、実は反帝国の活動だったという展開はじゅうぶんあり得ると思うんじゃが。なぜグローグーはあそこに居たんじゃろうな?
また、アソーカ方面、スローン大提督やエズラの話は、アソーカ単独シリーズでこれから掘り下げるんじゃろうな。一応マンダロア開放という大きなゴールに向けて色々なシリーズが集約されていくとは思うんじゃが、アソーカ自身がS2では新シリーズへのネタ振りとしての登場だけじゃったから、多くは語るまいよ。
5. ボバとフェネック。
まずフェネック、あそこまでキャラクターとして成長するとは、S1でルーキーに不意打ちを食らって退場したときは思いもしなかったな!まじでかっこよかったぞ。
ボバの父ジャンゴも、女性でスナイパーであるザムをパートナーとしていたな。そのオマージュなんじゃろう。ジャンゴとザムの絆は、ゲーム『ジャンゴ・フェット』やコミックで結構しっかり描かれとるんじゃが、EP2では口封じであっけなく殺してしまったがな、ボバとフェネックにはそれ以上の繋がりを感じられて良いよな!
また、チャプター16のポストクレジットで、ボバがタトゥイーンの犯罪王として君臨する姿が描かれたな。The Book of Boba Fettがどういうメディアになるのかまだ謎じゃが、彼も目の前で父親を殺されるところから長い旅を続けてきた男なので、素敵なエピローグを用意してやってほしいと思っとる。
テムエラ・モリソンはオビワン単独シリーズにも出演が内定しとるようで、コーディ役なんかが囁かれとるが、あの顔をもつキャラクターは数万といるので、大変じゃよな(笑)
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疲れたからこの辺で。小ネタは拾ったらキリがないし、もっと整理しようと思えば色々出てくると思うんじゃが、またなんか思いついたら書くんでの。それでは。
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