侍ジャパン 新ユニフォームについて、忌憚なき意見(=ディス)をぶつけていく特集
2022年1月13日、野球日本代表(侍ジャパン)の新ユニフォームが発表されました。出来れば発表当日に投稿したかったのですが、色々整理する時間が必要ということで、翌日の投稿と致しました。
一応「NPBユニフォームを語る」という名目で始めたnoteですが、目についたものにはどんどん手を出していこうということで、「脱線シリーズ」とでも言いましょうか。
前置きはその辺にしておくとして、さっそく本題にまいりましょう。
新ユニフォーム概要
に行く前にもう少しだけ前置き。
2022年1月7日、侍ジャパンのユニフォームサプライヤーがアシックスから新たにミズノへ変更されることが発表され、それと同時にユニフォームが変更されることも明らかとなりました。
その時点では、第1回、第2回とWBC連覇時のユニフォームをイメージしたものとなることが報道されていたのですが、その時のイメージ写真がこちら。
引用:侍ジャパン06年、09年WBC連覇「紺」ユニホームに一新 イチロー世界一打の感動よみがえる
まあ、連覇時のイメージって言えばこんな感じですよね、っていう感じですね。もうちょっとやり方あるんじゃない?って思いますけど(他人のことは言えない)。胸番号がエンゼルスのやつそのままなのはちょっとどうなんっていう。まあそれはそれでアツいか。
本当に新ユニフォーム概要
さて、ここでようやく本題です。
13日、実際に新ユニフォームの発表が行われました。その新ユニフォームがこちら。
引用:新ユニホーム発表記者会見が行われ、男女の代表選手たちが世界一への思いを語る
あーあ。
これが私の第一声です。
何が「あーあ」なのかについて語る前に、いいと思ったところからご紹介しましょう。
まず、ホームユニフォームのストライプのギミック。
などという小難しい話は置いておくとしても、こういう「一見なんてことないデザインながら、よ〜く見たら凝った仕掛けになっている」っていうタイプのデザインは大好きです。
「MUSO(無双)STRIPE」とかいうネーミングはともかく、パッと見では赤系のピンストライプにしか見えないながら、よく見ると螺旋構造になっていてそれがダイヤの形を作っているという、ダブルの仕掛けが粋ですよね。
野球のボールっぽい雰囲気がするのもなんか良いです。
...だけ、っていう。本当にそれだけ。あとは文句です。
つまりD.I.S.R.E.S.P.E.C.T ディスリスペクトです。
あ、でもビジターの「上だけピンストライプ」を辞めたのは英断ですかね。アレ変だったんで。
D.I.S.R.E.S.P.E.C.T
一旦冷静になって、一つ一つ片付けていきましょう。
①ラケットラインの呪い
ラケットラインっていうのは絶対にないといけないのでしょうか?
阪神ファンとしてもうかれこれ7年間訴え続けてきて、ようやく阪神のユニフォームが変わり、そしてジャパンのユニフォームも変わるって言うからようやくこの重荷(勝手に背負ってるつもりなだけ)から解放されるかと思ったのに。
私、完全に「ラケットラインの呪い」にかかってます(勝手にかかってるつもりなだけ)。
あえてここでまた改めて言わせていただきますが、「ピンストライプにラケットラインは合わない」です。
関係各位の皆さん、マジでそろそろ気づいてください!!!!!!!
ラケットラインそのものがトレンドじゃないっていうのは置いておくとしても、ピンストライプにラケットラインは合わないんです!!!!!!
②切り返しは「時代遅れ」なんす
まあ、2006年、2009年の連覇時のイメージって言えばこんな感じになるのはある意味仕方ないですけども。
脇の「切り返しデザイン」、はっきり言って時代遅れ。
切り返しとは、色や素材を変えて切り出したパーツ同士を組み合わせてデザインを表現する方法のことで、ユニフォームに限らず一般的な服飾の手法でもあります。
以前にも言及したことありますが、2000年代中盤〜2010年代前半のプロ野球では、どの球団も何かに取り憑かれたかのようにこぞって脇やら肩やらに切り返しをあしらっていたんです。
訳あってオリンピックで使用していた代表ユニが使えず、WBC用に用意された新しい代表ユニもその風潮に倣う形で作られました。
要するにこういうこと。「流石に2010年前後リバイバルはまだ当分来ないよ!」
「古いもの」と括られるものの中にも、「エモい」とか言って持て囃されるものと「ダサい」と切り捨てられるものがあります。
前者はいわゆる「リバイバル」と言われて価値が見直されるまでになったもの。よく「一周回って」とかいうやつです。
それで言えば、後者はまだ半周くらいなので現時点の「いい」から1番遠く、故に「ダサい」と言われてしまう。
野球のユニフォームも同じで、切り返しっていうのはまさに後者に当てはまるもの。
逆に、前者に当てはまる=今一周回ってきてるのは、例えばライン入りのストッキングとかですね。
繰り返しになりますが、確かに2006年、2009年の連覇時のイメージって言えばこんな感じになるのはある意味仕方ないです。
「あの時のユニフォーム」だから見え方に補正がかかってしまうのも仕方ない。実際、ネット上の意見を見る限り好意的に受け止めている人も多いみたいですしね。
私自身も少年時代にリアルタイムで熱狂(発狂)した世代ですから、そういう意見も理解できます。
でも、今のトレンドには全く合ってない。
代表のユニフォームがそれでいいの?という話です。
ついでに「過去の栄光にすがる」みたいな感じがして嫌っていうのもあります。プレミア12、オリンピックと優勝して、新たに「強いジャパン」の歴史を、っていうところだったのでは?
代表のユニフォームがそれでいいの?という話です。
③足し算に次ぐ足し算
①②とも重なる話ではありますが…
というか、①②は③の代表例という感じですね。
その他、目についた「足し算」について羅列していこうと思います。
と、その前に「足し算」とはどういう意味かという点について明確しておきましょう。ユニフォーム研究・デザインの第一人者である綱島理友先生と大岩Larry正志さんによる週べの対談企画でのお言葉です。
引用:綱島理友×大岩Larry正志 ユニフォーム対談「ユニフォームは真っ白なキャンバスではない」
いや〜、何回読んでも「まったくその通りです」って感じですね。
「ユニフォームはフリーのキャンパスではない」という話。
では、本題へ。
⚫︎ラケットラインのなり損ない
ビジター用の襟首あたりに注目して頂きたいのですが、何やら妙なラインが入っているのがお分かりになるかと思います。
ラケットラインの首回りだけみたいなやつ。なり損ないみたいなやつ。
これ何?何のために入ってるん?何を表現してんの?
何か見覚えあるなと思ったら、そう言えば2000年代頃の西武がやたらと多用していたライン。正直今でも意味がよく分からないです。
↓こちらのサイトが非常によくまとまっていますのでぜひご参考に。
なのに、そんなものがよりによってナショナルチームのユニフォームに採用されてしまうというこの絶望感。お分かりいただけるだろうか。
っていうか、ピンストライプがないビジターこそラケットラインの出番なのでは?
ラケットラインそのものがトレンドじゃないとは言え、ピンストライプに合わせるよりはマシですよ。
⚫︎帽子の赤ステッチ
帽子のステッチ(縫い目)が赤い糸で施されているという仕様。ツバの縁が赤になってるのとかも含め、ちょっと遊び過ぎ。
ブランド改革直前の迷走オリックスの雰囲気を思い起こさせますね。
つまり、あまりいい印象はない。
引用:オリックス 11年前の交流戦Vも、山本が投げて、T-岡田が打った「そら、そうよ」
まあさほど目立つ訳ではなさそうので、そこまで目くじら立てるほどの話じゃないかなとも思いましたが、何となく嫌な予感がするので今のうちに言っておこうかな、という感じ。
なんだかんだで悪目立ちしそう、っていう。特にドーム球場とかで。
まあ、ヘルメットにその仕様が流用されなかったっていうのは唯一の救いですが。
⚫︎背番号・背ネーム
「要素を足してる」っていうのとは少し違いますが、個人的にはこの背番号と背ネームの書体が好きではないです。前から思ってましたことですが、この場を借りて言わせて頂きます。
「JAPAN」ロゴとあわせてるっていうところだと思いますが、はっきり言って過剰です。読みにくい。
今回、13年ぶりに胸番号が復活した訳なんですが、それもあって余計にごちゃごちゃして見えます。
もっと普通でいい。ロゴはロゴ、文字は文字。
⚫︎ミズノロゴ、ガンホー
ミズノロゴに関しては別に批判とかではなくて、ミズノがロゴ入れてくるの珍しいなと思ったっていう話です。
NPBの現行ユニフォームでは、広島(ホーム)、日本ハム、阪神、中日、ロッテ、楽天、巨人がミズノ製なのですが、どのユニフォームにもブランドロゴが入っていません。
やっぱり代表は特別ってことなんでしょうかね?そう言えば、アシックスも中日にはロゴ入ってなかったけど、代表では入れてましたね。
ガンホーに関しては半分は批判で、もう半分は悲嘆です。
いや、分かってるんです。代表だろうと国内リーグだろうと、スポンサーあってのものであることに変わりないことは。なので、リーグに関しては5億歩譲ります。
ただ、代表については、もう少し自重してはもらえないんでしょうか。
広告出すなっていう訳じゃないです。だからこそ、ユニフォームデザインの一環として話をしている訳なので。
もう少し「企業ロゴ感」を抑えたものにはできないのでしょうか、ユニフォームとの一体感・親和性という観点で見てもらえないのでしょうかっていう話です。
海外サッカーのような感じにするのは無理なんですかね?
④ペラっペラのテロっテロのテラっテラでダッサダサ
まあ、例によって昇華プリント批判なんですが…
引用:引用:新ユニホーム発表記者会見が行われ、男女の代表選手たちが世界一への思いを語る
ちょっとこれは流石に酷くないですか?
普段は肯定派っていう人でも、これにはおかしいと思って欲しいです。
この感覚・この感情をどう表現するのが適切か分からないんですが、とりあえず「ペラっペラのテロっテロのテラっテラでダッサダサ」とでも言いましょうか。
「国の代表」ってもっと風格とか大事じゃないですか。こんなテロテロ、テラテラした安っぽいペラペラのジャージみたいなんでいいんですか?
こんなんで世界に「強い日本」をアピールできるんですか?
特にアメリカでプレーしてる選手から「マイナーリーグみたいだなw」とか思われちゃうんじゃないかと思ってしまうんですが(アメリカのマイナーリーグはプリント仕様が主流。安く済むから)。
代表のユニフォームがそれでいいの?という話です。
代表に限らず、ここ最近の新ユニフォーム発表って、モデルを務めた選手の「軽くて動きやすそう」っていうコメントがテンプレ化してますが、これって果たして褒め言葉なのかなってマジで思います。
一応野球経験あるんで割と言える立場だと思うんで言いますが、野球のユニフォームってそこまで軽さも動きやすさも要らないはずなんですよね。もし本当に必要でそれを実現させるなら、もっと根本的に見直すべきとこいっぱいあるだろっていう。
それでもあくまでこの形式が維持されてるのは伝統と歴史に基づく「野球のユニフォームっていう形」があるからであって、それならそれに見合う素材選びや装飾・デザインの仕方っていうのもちゃんと考えないといけないんじゃないか、って思う訳で。
ナショナルチームのユニフォームなら尚のこと、安易な選択は許されないんじゃないかと思うのです。
総括
トータルで見て、やはり余計なものがベタベタとくっついてしまってるよなぁという印象です。
あと、「WBC連覇時のイメージ」って言うならちゃんとビジターのパンツはグレーにしてよっていう話もありますね。
代表なんだから、そこはちゃんと世界基準で作ってほしい。上下グレーとは言わないので。
ここまで散々文句を言ってきた訳ですが、何度も言いますが結局「代表のユニフォームがそれでいいの?」の一言に集約されているというか。
ただ、それもやっぱり代表のユニフォームであるからには「最高峰のカッコよさ」を追求して欲しいという思い故のことであって、「だから日本はダメなんだ」とか言いたい訳じゃないんですよ。
自己紹介でも書いてますが、別にアメリカ至上主義とかではないので。アメリカを引き合いに出しがちなのは、単にアメリカの方がカッコいいなと思う割合が高いというだけのことなので。
日本代表ならびに日本野球自体には多大なリスペクトを捧げているつもりです。だからこそ、というか。
最後に、もう一つ今回の新ユニフォームの良いところを見つけましたのでご報告を。
前のユニフォームのホーム用なんですが、シャツのラケットラインと袖ラインはネイビーなのに、パンツ脇のラインは赤とかいうクソ気持ち悪い仕様になってたんです。
今回の新ユニでは、それがちゃんとネイビーに統一されてました。よかったよかった。こういう細かい部分の修正は本当に大事です。
そんな感じです。
以上、侍ジャパンの新ユニフォームについて、忌憚なき意見(=ディス)をぶつけていく特集でした。ありがとうございます。
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