これぞ理想のユニフォーム! 〜西武編〜
各球団のユニフォームについて、こんなんだったらカッコいいだろうなぁという妄想をひたすら垂れ流していくシリーズ企画、「これぞ理想のユニフォーム!」。
第7回目となる今回は、埼玉西武ライオンズ編をお送りする。
過去の記事はこちらから↓
なお、今回は「理想ユニ」第7弾であると同時に、前記事から続く「ライオンズユニフォーム再考=最高」シリーズの第2弾でもある。
そのため、未読の方はぜひそちらの記事に目を通して頂ければ、よりスムーズに本記事を楽しんでもらえると思う。
現行ユニフォーム雑感
まずは、現在使用されているユニフォームについて簡単におさらいする。
西武の現行ユニフォームを語るには、ホームユニとビジターユニとで分ける必要がある、と勝手に思っている。
まずはホームから。
詳細については、実質的な「現行ホームユニフォーム評」となっている『上申書』を読んで頂ければと思うが、ここでも要点をまとめておこう。
私はレジェンドブルー擁護派の立場を採っている。
つまり、今のユニフォームについてある程度肯定的に捉えている、ということだ。
理由としては、現行のホームユニが単純に私好みのシンプルな王道デザインであることがまず1つ目。
「シンプルすぎて無個性的、故にダサい」と評す方も少なくないが、「シンプル=ダサい」という方程式を持ち合わせていない私としては、普通にカッコいいと思う。
それに、いくらシンプルとは言え「西鉄の黒+西武の青=埼玉西武の濃紺」という、球団の歴史に基づいたストーリー性も兼ね備えている。
出来上がりがシンプルだからと言って一概に「無個性」とは言えないと思う、というのが2つ目の理由だ。
様々な歴史・背景・意味を盛り込みつつも仕上がり自体は極めてシンプル、というのはプロ野球のユニフォームとしての理想形の一つと言っていいはずだと思っている。
もっと言えば、「西武の青」に「西鉄の黒」を掛け合わせるという試み自体が、「西武ライオンズ」から「埼玉西武ライオンズ」への生まれ変わりを象徴しているとも言えよう。
30年余りに渡って蓋をし続けてきた「西鉄ライオンズ」の歴史を自らの手で掘り返しただけでなく、その象徴である「黒」を長年愛された「青」と混ぜてしまうという大胆な策に打って出た球団の意気=粋に対して敬意を表したい、というのが3つ目の理由だ。
ただし、このような私の熱い思いは昇華プリントの採用によって半ば裏切られた形になってしまっていることは否定できない。
故に、レジェンドブルー“支持”派ではなく、あくまでレジェンド“擁護”派を名乗っている。
また、『上申書』や今回の記事を書くにあたり色々とリサーチをする中で、「“西鉄+西武=埼玉西武”っていうのは全然分かるけど、にしたって全体的に“西鉄成分”強過ぎだろ」といった主旨の意見をいくつか見聞きした。
確かに。言われてみれば、確かにそうだ。
因みに、この問題については、近日公開予定の「ライオンズユニフォーム再考=最高」シリーズ第3弾にて詳しく扱いたいと思っているので、乞うご期待。
次はビジターユニフォームに関して。
意識的に「ダサい」という言葉を使わないようにしている私が、12球団の現行ユニフォーム全24モデル中、唯一「ダサい」と評しているのが西武のビジターユニである。
先ほどホームユニに関して「様々な歴史・背景・意味を盛り込みつつも仕上がり自体は極めてシンプル、というのはプロ野球のユニフォームとしての理想形の一つ」と表現したが、ビジターユニはその理想からは程遠く、意味を盛り込み過ぎてもうグチャグチャだ。
3つのチームカラーをカラーブロック的に配するセンスはともかく、その3色を白の切り返しやグラデーションでボヤかすのがイマイチだし、何より「Saitama」ロゴを隅に追いやって厚顔無恥に幅を利かせている「Seibu」ロゴはまさに醜悪の極み。
ツバにグラデーションや13コの星を配した帽子にしても、とにかく思いついたものを思いついたままに詰め込んだような酷いデザインだ。
意味があるだけマシなのかもしれない。
いや、逆に「意味のないシンプル」の方がまだマシかもしれない。
ホームユニに関しては、一つ一つ細かくみれば微妙なところもありつつ、トータルで言えば“是”、と評価しているにも関わらず、ランキングで最下位としているのは一重にこのビジターユニが原因だ。
改善案①(現行モデル準拠版)
さて、それを踏まえて現行のユニフォームにちょっと自分好みのアレンジを加えるとしたら?というところからご紹介。
主な変更点は以下の通り。
詳しく見ていこう。
●ラケットラインの取説
ラケットラインは「野球のユニフォーム的なデザイン」の代表格であり、このラインが入っているだけである程度の野球のユニフォームっぽさが担保される、と言っても過言ではない。
ただ、ボタンがかかる部分を補強する意味合いで当て布や折り返しによってあしらわれる「前立て」部分にパイピング加工を施したものが由来である、というそもそもラケットラインが本来持つ意味を考えると、現在の西武のユニフォームのような昇華プリント仕様のユニフォームにプリントでラケットラインを表現する、というのは正直言って違和感がある。
デザインのためのデザインでしかない、と言ったところか。
そのため、現行モデルの仕様をなるべく維持する形で提案する「現行モデル準拠版」に関しては、昇華プリントであることを念頭に置いてラケットラインを廃止。代わりに西鉄ライオンズ風の二重の袖ラインを採用した。
加えて、ロゴにグレーの縁取りをあしらい、胸番号を採用することで、なけなしの重厚感を演出した。
●チームロゴ以外の文字デザインはノイズ
チーム名、背番号、選手名以外の文字情報はなるべくユニフォームに載せるべきではない、というのが私のユニフォーム論だ(広告に関しては致し方ない部分もあるが、ないならない方がいい)。
そのため、右袖の「WE ARE ONE」のスローガンロゴ(ビクトリーエンブレム)は、ユニフォームから排除。
スローガン自体の是非は私如きが云々できるものではないが、ユニフォームデザインとして語るにあたっては紛うことなき“非”である。
また、右胸に鎮座するマジェスティックのロゴも不要だ。
2001年のデサントからナイキへのサプライヤー変更時から一貫して継続されれているメーカーロゴの掲出。
MLB全30球団のユニフォームにさえがっつりとロゴを掲出してしまうほどのガメツさを売りとするナイキはともかく、MLBサプライヤー時代は袖部分に小さくロゴを入れるに留め、NPB進出の際もロゴの掲出を大方自重していたマジェスティックがここまで目立つ形でロゴを掲出しているのは釈然としない。
胸部分にメーカーロゴというスタイルがある種伝統になっている、という見方もできなくはないが…
●ビジターは手直し不能
前章の記述から察してもらえると思うが、現行ビジターユニに関してはもはや手直しで済む範疇を超えているため、
・ネイビーベースの上下セパレート
・黒、青、紺の3色デザイン
・胸ロゴは「西武」
という最低限の要素を残して新しくデザインを考案することとした。
まず、グラデーションや切り返しは全面的に廃止。
3色デザインに関しては、カラーブロック的に各部を色塗りするのではなく、紺をベースに黒と青でロゴやラインを彩った。
じっくり見てもらわないと分からないかもしれないが、ロゴは白字に黒フチ、その上に青フチという構造になっている。
袖ラインは現行モデルを踏襲して「黒+青+紺」という構成とした。
紺がベースであるためパッと見では青の一本ラインに見えるが、それを活かす形でパンツ脇ラインを青の一本ラインとしているのがミソだ。
パンツ脇ラインも「黒+青+紺」にしても良かったのだが、細めラインが特徴であるホームユニとのトータルバランスを考えて、あえて青の一本ラインとした。
そして、お馴染みの「SEIBU」ロゴが復活。
ロゴを「西武」にするなら、書体はこのブロック体しかあり得ない。
「Saitama」ロゴは潔く廃止。ロゴを「西武」にしたいなら、それくらい思い切るべきだと思う。
最後にかなり細かい部分になるが、帽子の空気穴&天ボタンにライオンズブルーをあしらっている。ツバに妙な柄を詰め込むよりも、こういう遊び心に意味を込める方が野球ユニフォームっぽい。
全体的な雰囲気で言えば、シアトル・マリナーズ風に仕上がっているのではないだろうか。
しかし正直に言って、このビジターユニに関しては全く納得のいく出来ではない。
そもそも「ネイビー基調の上下セパレートに黒、青、紺の3色デザイン」という、私の理想論との齟齬が最も顕著な部分を「残し」にしなければいけないという時点で、「詰み」というか「罪」なのだ。
その分と言ってはアレだが、次章の「完全妄想版」では大手を振るって私の好みを反映させているので、是非ともそちらにご期待頂きたい。
改善案②(完全妄想版)
こちらは、私自身の理想をそのまま再現したものとなる。
ホーム用
とは言え、ホーム用に関しては現行のものとデザインはほぼ同じ。
繰り返しになるが、私個人としてはレジェンドブルーのユニフォームに対して全くと言っていいほど拒否反応がない。
前章で手を加えた、ビクトリーエンブレムの廃止、メーカーロゴの廃止、胸番号の追加を現行モデルに反映させた形となっている。
前章では、ロゴにグレーの縁取りを加えラケットラインを廃止していたが、それはあくまで昇華プリントであるなら、という前提に基づいた改善案。
完全妄想版は当然刺繍仕様を念頭に置いているものなので、となればラケットラインはあっていいし、ロゴをグレーで縁取る必要もない。
西武のホームユニを始め、ソフトバンクやロッテなど、デザインは変えずに刺繍から昇華プリントへ移行した球団はいくつかあるが、こういうビフォー&アフターを見ると余計に刺繍の荘厳さ、そしてプリントのチープさが身に染みて感じてしまう。
特に、西武のような余計なものが一切ないシンプルなデザインであれば尚更だ。
叶わぬ願いとは分かっていても、ぜひもう一度刺繍仕様でこのユニフォームが見たい。
因みに、ストッキングにはさりげなく、と言うには主張が強過ぎる形でライオンズブルーを取り入れてみた。
別にライオンズブルー派への忖度という訳ではなく、もとより差し色でライオンズブルーを使うというアイディアには興味があったのだ。
ただ、せっかくのシンプルな完成形であるユニフォーム本体をごちゃごちゃさせてしまうのは忍びなかったため、主張強めのストッキングを採用してみた、という具合である。
ビジター用
(ストッキングを除いて)ネイビー1色でまとめたホームユニとは対照的に、ビジターユニはネイビーをベースに青をふんだんにあしらったデザインとした。
現行モデルの基になったであろう、デトロイト・タイガースのユニフォームに倣い、シンプルなホーム&カラフルなビジターという組み合わせを「(私個人が思う)正しい方法論」に基づいて実現させた形である。
レジェンドブルーとライオンズブルーを併せた形だが、別に「黒・青・紺を併せて球団の歴史を〜」みたいな、頭でっかちなコンセプト臭いものではない。
単に、どちらも現在使用されているチームカラーであり、かつ互いの相性も良いので併せてみた程度のものである。
ロゴは、2020年まで使用されていたビジターユニの「Saitama」ロゴを復活。
レジェンドブルーのロゴをライオンズブルーで縁取り、それを白で縁取るという二重構造とした。番号や背ネームも同様の仕様とする。
帽子は、「現行モデル準拠版」でも提案した空気穴&天ボタンをライオンズブルーとしたものをここでも採用。
ストッキングはホームユニと共通である。
なお、もはや言うまでもないかもしれないが、私の理想のユニフォームとなれば、ビジターユニフォームは上下グレーだ。
西武は2009年の大幅モデルチェンジから2014年までの間、上下ライトグレーの大変素晴らしいビジターユニを採用していたのだが、あえなく短期間で変更されてしまった。
今回は、ライオンズブルーを加えることで華やかさがアップしている分、初期レジェンドブルー時代の地味な印象を払拭できるだろう。
阪神の現行ビジターユニが、暗黒時代と同じ上下グレー&ストライプながら、新たに黄色を加えたことで高い人気を得ているような効果を期待したい。
オルタネート(サード)
前回の阪神編に引き続き、オルタネートユニフォームは「ホームオルタネート」「ビジターオルタネート」と使い分けるタイプのものを考案した。
そのため、(サード)としている章題は、厳密には(3rd&4th)となる。
ホームオルタネートは、2020-21年に使用された70周年記念ユニフォームに対して感じていた“残念ポイント”を適宜修正する形で構築したものである。
ロゴや番号がグラデーションがかっているのが絶妙にコレジャナイ。
→ グラデーションを用いず、シンプルにライオンズブルー1色でカラーリング。ラインの構成に一貫性無し、かつ色の使い方が鈍重。
→ ラインにはライオンズブルーを採用せず、「右袖&右脚にレジェンドブルーと太平洋クラブオレンジのWライン」「左袖&左脚に西鉄ブラックとクラウンライターレッドのWライン」という形で構成。襟ラインは廃止。シンボルマークが帽子と左袖に共通して付いているために情報過多(胸ロゴと併せて3つも「Lions」ロゴが入っている)。
→ 左袖のレオマークは「Lions」ロゴなしバージョンにアレンジ、帽子マークは筆記体の「L」1文字に変更し、ユニフォーム上の情報量を整理。パンツ裾に謎のグラデーション。
→当然廃止。水溜りに落ちたと思われたくない。
通常ユニをレジェンドブルーにしている以上、サードユニでライオンズブルー基調のユニフォームを用意するのが筋だと考える。
MLBでは復刻風のオルタネートユニを用意している球団がいくつかあったりするので、NPBでもそういうユニフォームが見られたら非常に楽しいに違いない。
帽子マークについてはかなり賛否分かれるかもしれないが、このユニフォームは復刻ユニフォームではなく、あくまで昔の要素を切り出して現代風に再構成した新しいユニフォームなのだ、という説明で納得頂ければと思う。
1979-2003年のモデルは胸ロゴと帽子マークの「Lions」ロゴが重複していたし、2004-2008年のモデルは帽子マークと左袖マークが重複していた。
「絶対にダメ」という訳ではないが、もし私がデザインをし直すとすれば、まずはそこから手を付けたい。
ビジターオルタネートは、2013年にサードユニとして採用された後、ビジターユニに昇格して2020年まで使用されファンからの高い人気を誇った、通称「Saitama」ユニフォームをアレンジしたものである。
「Saitama」ユニとの大まかな違いは、
・脇の切り返しを廃止
・ロゴ及び番号に紺の縁取り+赤カゲを追加
・キャップデザインをオリジナルのものへ
・柄入りストッキングを採用
と言ったところ。
「Saitama」ユニも、もう既に約10年前のデザインとなり、こうやって改めて見るとやや古ぼけた印象を受ける。特に脇の切り返しがその象徴だろう。切り返しは2000年代から2010年代前半までに隆盛を極めたデザイン。
2020年代となった今、流石に時代遅れ感は否めない。
ロゴや番号には縁取りが必要ではないか、というのは「Saitama」ユニが現役の時から思っていたこと。
白の単色だと「ネイビーに赤」というベースのデザインの“強さ”に負けて、ロゴが埋もれてしまっているように感じることがあったため、今回は赤を加えることでパンチ力を増強した。
キャップとストッキングに関しては、ビジターユニで紹介したもののライオンズブルー部分を赤に変更したものとなっている。
因みに、ビジター用として使用するものであるため、パンツは当然グレーだ。
通常のビジターユニは「青ビジター」、ビジターオルタネートは「赤ビジター」みたいな愛称で定着させられたら面白い、なんてことも考えている。
まとめ&次回予告
今回は、レジェンドブルーそんなに悪くないと思ってる派が考える理想の西武のユニフォーム、というテーマでお送りした。
西武のユニフォームはテーマとして非常にセンシティブであり、なかなか着手できずにいたのだが、先日の『上申書』を書き上げる過程でかなり思考が整理された感があり、何とかこのまとめを書くところまでに至ることができた。
記事の中でもお伝えしているが、これを機にライオンズのユニフォームについて短期集中的に語っていこうと思っており、「ライオンズユニフォーム再考=最高」シリーズと銘打って様々な企画をお届けしていこうと考えている。
『上申書』が第1弾、今回の『理想ユニ』が第2弾と来て、続く第3弾は来季のユニフォーム予想をお送りする予定だ。
今回はあくまで「私の理想」だったが、今年限りで何かしら変更があると仮定した上でより現実的な形での「予想」をしていきたいと思っている。
乞うご期待だ。いつになるかは保証できないが。
以上、シリーズ「これぞ理想のユニフォーム!」埼玉西武ライオンズ編でした。ありがとうございました。
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