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ドキュメンタリー(DOC)の可能性
●映像・エンタメコンテンツ関連の話
今回は、仕事絡みの話を書いていきます。
映像・エンタメ系の話が中心となりますが宜しくどうぞって事で。
僕は、個人的にドキュメンタリーが好きでよく観ます。
限りなくリアルに近く、知らなかった事実や事象を深く伝えてくれるコンテンツである所に魅力を感じています。
まぁ、ドキュメンタリーやノンフィクションだから完全にリアルか?って言われると、そこは作品であるので作家性や見せ方だったり、作り手の思考性が存分に注入されるんで100%ではないです。プロパガンダまではいきませんが、かなりの指向性を持って表現されている作品も多数あります。
世の中で目にする、報道やUGC以外のコンテンツ・メディアについては全て演出が入ってますので、殆どの場合「事実」でない事が多いです。TVやら各種メディアやらで見て・聞いてるものって悪い言い方すればヤラセ。いい言い方は演出。そこはみんな仕事なんで仕方ないです。事実を忠実になんてはなっから無理なので、まぁそーゆーもんです。面白く興味を煽らないとみんな見ないからね。
そんな中にあって、一つの事象や事実を正解不正解は置いといて掘下げ表現するドキュメンタリーって面白いなーと思っていて、その可能性や未来を検証してみた。って感じです。
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盛り上がりを見せる、ドキュメンタリー市場
NetflixやAmazonプライムなどの配信プラットフォームの発展に伴い、非常にスタイリッシュな作品が増えた結果、ドキュメンタリーというジャンルが
ここ最近で急激に増加しています。
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はて、本当にそうなのか?
という事で、各種市場規模やいろんなVODサービス・劇場公開作品の動向なんかを調べてみました。
結論:世界では確かにすごく伸びている。
しかし、日本ではそーでもない。(ドキュメントバラエティ除く)
ドキュメントバラエティは、ここ最近また大盛り上がり!!
天才・たけしの元気が出るテレビ!! から始まり電波少年、ASAYAN、ガチンコ!、ウッチャンナンチャンのウリナリ!!、あいのり、ザ!鉄腕!DASH!!、などなどのTV番組。
バチュラー、テラスハウス、ドキュメンタル、勝ったら1000万円などなど
VOD系のオリジナル番組。
また、Youtubeの企画やAbemaさんなどでも多数制作配信されており、このジャンルは枚挙に遑がありません。
TVドキュメンタリーは数こそ減ったが往年の名番組が健闘
ドキュメンタリーと言えばこの辺を皆さんイメージするんではなかろうか?
テレメンタリー、ザ・ノンフィクション、日本のチカラ、バース・デイ、BS1スペシャル、新美の巨人たち、ザ・ヒューマン、ドキュメントJ、ガリレオX、世界遺産、ダーウィンが来た!、情熱大陸、NNNドキュメント、逆転人生、プロフェッショナル 仕事の流儀、セブンルール、ガイアの夜明け、などなど。これ以外にも、特番系なんかも入れたらまだあります。
思ってた以上にありますね・・・
しかーし、その半分以上はNHK制作ですので民放だけで見ると年々少なくなっています。
ドキュメンタリー映画は少ない・・・
海外は凄い勢いで増えている(特にNetflixなど)
記憶に新しい所で、興行的に成功したと思われるドキュメンタリー系の作品
(邦画に限ってます。海外作品入れるとすごい量になるので・・。興行収入で成功か否かではなく、制作費に対してリターン出たと思われる作品を成功としている)
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この辺で手が止まった・・・。そこまでピンとくる作品がなく。
調べたら出てくるんでしょうが、すぐ思いつくのがこんなもんです。
海外含めると、
マイケル・ジャクソン THIS IS IT
ディープ・ブルー
アース:アメイジング・デイ
ファッションが教えてくれること
スパイネーション/自白
ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢
不都合な真実
オーシャンズ
ボウリング・フォー・コロンバイン
AMY エイミー
華氏119
シッコ
フード・インク
おいしいコーヒーの真実
ザ・トゥルー・コスト~ファストファッション 真の代償~
Netflix含めると、
オーディブル:鼓動を響かせて
ピリオド:羽ばたく女性たち
イカロス
TINDER詐欺師:恋愛は大金を生む
アート・オブ・デザイン
FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー
ザ・フード -アメリカ巨大食品メーカー
監視資本主義: デジタル社会がもたらす光と影
アメリカンファクトリー
ベジタリアン(ヴィーガン)について、おすすめのドキュメンタリー作品を紹介!の作品
などなど、ちょっと出しただけでこの量なので、ドキュメンタリーのマーケット規模が大きいのがわかります。
なんで海外は、ドキュメンタリー系が増えているの?
まず、本当に増えているのか確認します。↓完璧に増えてますね。
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増えてきている理由(個人の見解)
①みんなフィクションに飽きてきた。より、身近なリアリティあるコンテンツを好み出した。
②ドキュメンタリーは長らく真面目で深いけど面白くないフォーマットで表現され続けてきた。が、最近はよりスタイリッシュに考えさせるって感じじゃなくシンプルに伝えるカジュアルな作品が増え、見やすくなった。
③劇場公開による興収に頼らないマネタイズが可能になってきた。(VODの影響大きい)
④ドキュメンタリーに出資するブランドの増加
デジタルビデオマーケティングはもはや単なる宣伝広告だけではなく、顧客と繋がる為の重要なコンテンツである必要があります。コンテンツによって繋がり、モノやサービスはその繋がりを感じるための手段であるというトレンドが近年加速しています。
グローバルブランドが、ドキュメンタリー制作への出資に意欲的になっているのは、従来の広告では想定したオーディエンスを見つけられないことに気づいた為です。
今日の消費者は以前ほど従来の広告を受け入れてはくれません。ドキュメンタリーは、社会への問題提起、ありのままの姿等を描くにうってつけであり、また、優れたブランドの物語を紹介することもできます。ドキュメンタリーは世界でもっともパワフルな語り手で、宣伝臭さのない上質な本物を提供してくれるという意味で、従来の広告マーケティング手法よりもよい仕事ができると注目されています。
この様な要素と視聴人口(英語圏)が組み合わさり、爆発的に増加してきているのだと考察します。
なんで日本はなぜドキュメンタリー系が増えないの?バラエティー系はいっぱいあるのに。
理由(個人の見解)
①単純に儲からないからです。以上っww!
バラティは儲かるから増えてます。
ちなみに、「なんで海外は、ドキュメンタリー系が増えているの?」で理由として挙げた①②は日本でも変わらず当てはまっています。
↓流石に乱暴なんで、少し解説します↓
●ドキュメンタリーってずっとTVの仕事だった。
問題なのは、今もそうな所。
地上波でも、年々ドキュメンタリー番組は減っていってます。要は視聴率取れないって事。視聴率取れない=広告つかないから儲からないって事。(NHKは除く)
ってなったら、制作予算下がりますよね?それでもやります!って制作会社があるんですよ。
ちょいと話脱線しますが、1つの番組って複数班〜10数班で回すんですけど、ドキュメンタリーって持込が殆どでちょこちょこ撮って企画書添えて局Pにプレゼンして通ったらやる。みたいなルーティンな訳ですよ。制作会社からしたら、むちゃしんどいです。苦労して仕事とっても安いし。もうね負のスパイラル。誰も幸せになってない。でも、TVの制作会社って局の飼い殺しな訳ですよ。だって自社で稼ぐ力ないので、局しかお客さんがいないんです。
まぁ、だらっと書きましたがこんな感じで、いまだにTVがファーストビューだから増えないんです。
●ドキュメンタリー映画も、まぁ儲からないでしょうね!!!
だって、タレント出る訳じゃないし人気にあやかった作品じゃないわけで、この手の作品は、本当に誰も観にきてくれません!
だから、スポンサーつかない。出資者少ない。なかなか作れない。
って感じかと。
日本映画界では、ドキュメンタリーは結構タブー視されています。みんな損するだけってカテゴリになっています。
この辺で、大活躍されているのは東海テレビさん一強でしょうね。(興収でも結構儲かってると思います。知らんけどw)
●企業がドキュメンタリーを作ってマーケティングに利用する流れがまだきていない。いずれ来るのかは分かりませんが、グローバルブランドが少ないのもその理由かもしれません。
参考:ドキュメンタリー制作スタジオの守備範囲と提供エリア
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と、ここまで自分なりの考察を書いてみましたが、じゃあどうしよっか?
ってところ。
日本では知り得ない世界と日本の話。
それらは、「世界の片隅の話であって、世界の中心の話である」
ドキュメンタリーに触れて考えてみると心が動くものです。多分。大多数の人は・・・
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日本のドキュメンタリーは、ほとんどがスターや社会的弱者を描いた自叙伝的な物語やお涙頂戴ものがほとんど。興味や感動を作りやすいからね。
でも、社会には認知されてないし置き去りにされているけど、ミクロでみたらとても大きい問題・課題。たかが100人しかその課題を抱えてないかもしれない。とか。そんな、マイノリティだけど課題として確かに存在している現実を広く面白く作品とし咀嚼しやすいようにクリエイティブに落とし込んで伝える事。
TVや映画って枠じゃなく、いつでもどこでも観られるように社会課題にアクセスしやすい環境を作る事。
そしてコンテンツを、消費するだけの楽しみ方だけでなく、企業も巻き込んで、共に解決に向けたアクションを起こせる(希望すれば)仕組みを組み込む。
平たく言えば寄付するという行動までを含んだエシカルなエンタメ(ドキュメンタリー)を作っていきます。
我々は、3.0〜4.0領域(※)でエンタメコンテンツの、新しい未来モデルケースを創り業界の進歩にも寄与していこうかなと!(妄想・・)
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「ドキュメンタリーは、これらを実現できる可能性があり、まだまだ伸ばせる余地がある!!」
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知的好奇心を刺激し、感動させたり心を揺さぶるエンタメとしてのソーシャルドキュメンタリーをきっかけにドネーションが生まれ、
社会課題の解決に持続可能性をもたらし人類全体の幸福総量を増加させる社会システムに貢献していければいいな!
なんて事を考えています。
ちょっと長くなったので、また別の記事で諸々書いていこうと思いますー