見出し画像

スピリチュアルとの出会い

私が会社を立ち上げて1年半。

3人の小さな会社の業績は危機的な状況だった。

売上は年間で800万円程度。

累積赤字は1000万円に達しようとしていた。

当時私は期待した成果を上げられず、途方に暮れていた。
1年もの間、私の売上は「ゼロ」。

色々と仕掛けたが、

何もかも全くうまく行かない状況だった。

借金ばかりが増え、未来が見えない。

もともと大企業にいた私は、
営業をしたことがなかった。

マーケティングも、セールスも、何もかも。

そんな真っ暗な、先の見えない道がこのままずっと続いていくのか。

家族を養わなければいけない。
自立しなければならない。

そんな気持ちばかりが焦っていた。

そんな時、藁をもすがる気持ちで、
ある異業種交流会に参加した。

知り合いが
「いい客がいるから紹介する」
と言われ、飛びついた。

会場は、川崎の外れの寂れたホテルの宴会場。

そこには、10名ほどの参加者がいた。

自称経営者
ネットワークビジネス
新聞売り込み
保険屋
怪しい若者

今思えば、全くといって魅力がない人たちだった。
しかし、その頃の私は

「何か金になるものはないか」

とばかり考えていて、
そんな怪しい雰囲気と薄々分かっていても、

「なんとかせねば」

と気持ちが焦っていた。

そんな時に舞い込んだ話。

会が始まった。

名刺交換をしながら、

「ハズレだな・・・」

と薄々感じていたことが確信に変わってきた頃、

ある女性が遅れてやってきた。

そして、私の隣の空いている席に座った。

少し間の抜けたような空気感を持った人だった。

だからこそ、少し空気が緩んだ。

私は軽い気持ちで、名刺を交換した。

すると、肩書きには、見慣れない文字が。


「スピリチュアルカウンセラー」


???


当時、私は全くスピリチュアルな世界にアンテナがなかった。

「とうとう怪しい会だな」

10人の面々と一通り話をした後で、

「あー、時間と金の無駄だった」

そう判断していた矢先だったから。

しかし、

当時の私は、場の空気を読んで、それを壊さないように、
「良い子」でいることが得意だった。

だから、隣に座った「スピリチュアルカウンセラー」とも、
「良い子」を演じて、「初対面のそつ無いコミュニケーション」をして過ごした。

しかし、意外にも(失礼!)、

話をしてみると非常にまともな人だった。

結局、会話はある程度盛り上がり、

その人がどんなことをやっているか、一通り聞くことになった。

しかし、私にとっては聞いたことが無いような、

「不思議ワード」が連発だった。


「吉方位とり」
「エネルギー調整」
「オーラソーマ」


「へぇー」

と言いながら、心の中では、
「怪しすぎてもうついていけない」
というつぶやきで頭がいっぱい。

その日は、話を聞くだけですごく疲れて、
そそくさと家に帰った。

家に帰ってから、その日のことをぼんやりと考えていた。

そして、いつもの私の思考が戻ってくる。

「会社の危機的な状況を抜け出したい」
「売上をあげるためにはどうすればよいか」
「お金、お金、お金」

などといつもの「不安の堂々めぐり」をしていた。

そんな時、ふっと思い出した。

そういえば・・・、
大学時代、私が付き合っていた女性は、いわゆる、

「霊感」の持ち主だった。

一緒にいると不思議な体験をすることも多く、
私は、今思えば、面白半分に、彼女にどんなものが見えるのか、などを根掘り葉掘り尋ねたりしていたのを思い出した。

ふっと、そんなことが頭をよぎり、

「そういえば、見えない世界は私にとっては身近なものだった」

次の瞬間、名刺とケータイを手に取っていた。

「今日はありがとうございました。
今度、一度お会いして話を聞いてもらえませんか?」

そのスピリチュアルカウンセラーに連絡をとった私は、
怖さ半分、希望半分で、スピリチュアルな道に一歩足を踏み出した。

次回につづく

いいなと思ったら応援しよう!