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Vol4. 井戸掘る前に墓穴を掘るな(井戸の規制と許可)

いよいよ井戸堀り開始!と思ったところで、ちょっと待って欲しい。

また引き延ばしの記事だ。井戸を掘り始めるまでに、明日のジョーの最終回くらいは引っ張りたいところだ。ちなみに自分は明日のジョーの世代ではなく、見たこともない。

さて、井戸を掘るというときに「許可って入らないの?」と気になった人はいないだろうか。その昔、あちこちで井戸を堀り、水をくみ上げ過ぎたら地盤沈下が起きたというニュースを聞いたことはないだろうか。

井戸を掘るにあたって、場所によっては法律の規制を受けたり許可が必要だったりする。今回は、それらをいつくか紹介しよう。

なお、筆者は法律の専門家ではないので、記載されている内容について責任を持てない事を申し添えておく。

工業用水法・建築物用地下水の採取の規制に関する法律

政令で定められた地域では、「工業用や建築物用(冷房設備、暖房設備、水洗便所、自動車車庫に設けられた洗車設備、公衆浴場など)」に井戸を掘る場合で、「吐出口の断面積が6平方センチメートルを超えるもの」は規制の対象となり許可が必要となる。

よって、家庭用で井戸掘るレベルでは規制の対象にはならないと思われる。

温泉法

温泉法で温泉を出す目的で穴を掘る場合は許可が必要とある。

温泉が出る地域で井戸を掘ろうとする場合は注意が必要だが、まぁ普通の地域なら規制を受ける可能性は無いかと思われる。

第三条 温泉をゆう出させる目的で土地を掘削しようとする者は、環境省令で定めるところにより、都道府県知事に申請してその許可を受けなければならない。

ここまでは多分影響の無い規制を上げたが、次からは影響のある規制についてお知らせしておく。

井戸掘りを始める人たちは墓穴を掘らないようにしっかりと調べておくことをお勧めする。

民法

まず、民法に規制がある。根拠条文は以下のとおりだ。

民法 第237条
井戸、用水だめ、下水だめ又は肥料だめを掘るには境界線から2メートル以上、池、穴蔵又はし尿だめを掘るには境界線から1メートル以上の距離を保たなければならない。

この法律により、隣地境界から2m以上距離を取る必要がある。

狭い土地にの一軒家とかだと引っかかるので要注意だ。民法に書いてあるということは、相当昔からもめ事になったんだろうなと推察。ただ、この条文は隣地所有者の許可があればこの限りではないようだ。

都道府県・市町村の条例

これが一番やっかいで、住んでいる地域によって規制内容が異なる。過去に色々調べたところだと、本州の日本海側の豪雪地帯では結構規制が厳しい。これは家庭で融雪用(井戸水を散水しその水温で雪を溶かす)に井戸を掘るケースが多いことに起因するものと思われる。

ちなみに自分が住む札幌市では「札幌市生活環境の確保に関する条例」という条例で規制があるが、そのなかでは一般家庭で使用する揚水施設は対象外となっている。

地下水を利用するみなさまへ」というチラシも作られていた。

動力を用いて地下水を採取するための施設であって,揚水機の吐き出し口断面積の合計が,6cm2を超える施設です。
ただし,以下のものを除きます
(1) 温泉法による許可の対象となる揚水施設
(2) 河川法による許可の対象となる河川区域内の揚水施設
(3) 水道法に基づき水道事業経営の許可を受けた者が設置する揚水施設
(専用水道は届出対象です。)
(4) 専ら農業,一般家庭又は災害その他の緊急時に使用する揚水施設
(災害時応急協力井戸となっていても,通常時も使用している場合は,届出対象です。)
(5) その他市長が特に認める揚水施設

ということで、札幌であれば定山渓のような温泉地ではなく、平野部で家庭用に井戸を掘るレベルであれば規制を受けるケースはほぼ無いと思われる。

条例は住む地域によって変わってくるので、自分が住む市町村と都道府県の条例を確認しておくことをおすすめする。

今回はちょっとつまらない話をしてしまった。次回はいよいよ穴掘りに着手する。こうご期待。

(Vol5に続く)

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