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Vol15.トリチェリとの出会い

8月上旬から井戸堀をはじめ約1ヶ月。

3mまで掘ってドブくさいMAX50リットルの水。6mまで掘ってカナケたっぷりの200リットルの水を得た。

6mからさらに掘ればもっと水量が多く良い水が得られるかも知れない。

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ボーリング柱状図を見ると7.5mから下は砂礫層のようだ。

自宅建設時の杭打ち打ち記録も引っ張り出してみると「8.3mで支持層到達」とある。つまり8m前後から砂礫層があり、透水係数の高い砂礫層であればそこには水脈がある可能性が高い。

しかし、8mを超える井戸は新たな課題も生む。手押しポンプのような真空を作って水を吸い上げるポンプは吸い上げられる水の高さに限界があるのだ。

「トリチェリ」という科学者の名前を聞いたことがあるだろうか。イタリアの物理学者でガリレオ・ガリレイの弟子である。

彼の実験で容器に水銀を満たし、水銀を入れたガラス館を垂直に立てると、水銀はガラス管の中で水銀面から76cm上がったところで止まるということを発見した。容器の水銀の表面にかかる大気圧がガラス管の水銀を押し上げる力となるのだが、1気圧での限界が76cmということになる。

水銀は水より13.6倍重いので、水の場合だと

76cm×13.6倍=10.3m

現実世界では気圧などが微妙に変化するのできっちりこの値にはならないと思われるが、水の場合だと10.3mが押し上げられる限界となる。

そして完璧な真空を作るのは非常に難しいので、井戸界隈では概ね地下水位8mが吸い上げの限界と言われている。

トリチェリ

この限界は井戸の深さではなく貯まっている地下水の水位に対してとなる。なので、地下水位が8mを切った場所から上げるのであれば、真空式ではなく井戸底に水中ポンプを入れて吸い上げるといった方式で水をくみ上げる必要が出てくるのである。

ここまで掘ったのにカナケ水で終われない。サンクコストの呪縛とも言える状況だが、これは単なる趣味だ。そんなことはどうでもいい。

6m以上掘る覚悟はいとわないが、その前に今の状況でできることはないのか。調べていると掘った井戸は汲めば汲むほど水質・水量ともに良くなり、事例によってはカナケが改善した例もあるようだ。

ということで、まずは6mの状況でとにかく汲み出してカナケが改善するかを試してみることにした。

(Vol.16に続く)


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