見出し画像

Vol6.鞘管をつくる①

前回の記事で下穴を掘ったので、いよいよ掘った穴に鞘管を入れて打ち抜き井戸形式での井戸堀りを開始する。

鞘管とは、打ち抜き井戸に入れる塩ビパイプのこと。このパイプの中を掘ることになる。このパイプを入れることで、柔らかい地層で掘った穴が崩れるのを防ぎながら掘ることができるのである。

画像3

鞘管は直径が75~100mm程度の塩ビパイプを使う事が多い。ホームセンターで市販されている塩ビパイプには大きく2種類、VP管とVU管呼ばれるものがある。

VP管は主に上水道などに使う肉厚のパイプ、VU管は排水などに使うVPよりやや肉薄のパイプだが、鞘管に使う時は肉薄で重さもVPよりも軽いVU管を使うことになる。

なので、直径が75mmのVU管であればVU75と書かれたものを、直径100mmのVU管であればVU100と書かれたものを購入することになる。

鞘管の直径は大きければ良いというものではない。掘りの楽さと貯水量を天秤にかけることになる。どういうことかというと、大きな直径の鞘管を使うとそれだけ穴を掘る時の範囲も大きくなり掘り出す土の量も増える。

地下2~3mならまだしも、10m近く掘るとなると手間が掘る深さのかけ算となる。

一方で、じゃぁ細ければ良いかというとそうでもない。掘った後の鞘管は貯水機能も果たすことになる。運良く良い水脈にあたり、貯水しなくても地下水が次々と流れ込む地層であれば鞘管が細くても問題ない。しかし、地下水沸く量が少ない地層ではある程度鞘管に貯水しておく事が必要となるのである。

なので、鞘管のサイズ選択には、一度の汲み出しでどの程度の水を使う想定なのかを検討しておく必要がある。

東京都水道局HP「もっと知りたい「水道」のこと」に参考となる情報がある。

画像1

洗面や手洗い程度であれば約12リットル。家庭菜園に水をやるのもこの程度だろう。これを直径75mmのVU75管で貯水すると考えると、3m貯水があったとして13.3リットルなので貯水量でまかなうことができる。これが直径100mmのVU管だと1.7mあれば13.4リットルなので同量を確保できる。

実際には貯水だけでなく周囲から流れ込む水がある。なので、貯水量以上使う事ができる可能性もあるが、特に地下水沸く量が少ない地層を掘る場合は、この貯水量を考えた鞘管サイズの選択が必要となる。

適切な鞘管サイズは必要水量と地下水を取水する帯水層からの流量を考慮して選択することが理想だ。しかし、素人の個人が最初からそんな検討をするのも難しいとも思う。よって、分からんかったらとりあえずVU100選択しておけば良いと思う。

また、直径だけでなく、長さも1mのものと2mのものがある。これはVU75で長さが2mのものと1mのもの。

画像2

長い方が継ぎ手(パイプとパイプを接続するパイプ)が不要となり強度も保たれる。しかし、掘る時に地面からはみ出る部分が多くなるので脚立などに上って作業する必要があり効率が少し悪くなる。

自分はVU100を選択、後に4mより下はVU75で掘った。長さについては、最初は恐る恐る1mを使い、3mからは地層が柔らかく掘りやすかったので2mの管を、6mより下は地層が固く掘るのに時間がかかるため1mの管を使って掘り進めた。

鞘管を選択したら、先端に取水用の穴を開ける作業が必要だ。

これは次回に。

(vol7へ続く)

いいなと思ったら応援しよう!