Vol17.さらに掘り進む
6mのカナケ井戸は3週間ほどの汲み出しでも水質・水量ともに改善せずしなかった。
季節は10月に入る。
あと1ヶ月少々もすればこの地は雪に閉ざされる。そして4ヶ月は井戸堀りができなくなる・・。
その前にこの先の地層も掘ってみたい。もっと深いところを見てみたい。
そう思う気持ちを抑えきれなくなった。
そしてせっかく設置した井戸ポンプを撤去し、さらに掘り進める事にした。
目指すは8m。
8mより下には厚さが10m近い砂礫層があるっぽい。これは太古の昔にここが川だったということなのだろう。
ということで、掘り再開。
しかし、堀り始めると、いくら掘っても掘っても深くならない・・・?
どうやら6m付近の層が柔らかすぎて、掘ってもその分が崩れて埋まってしまうようだ。
そういや6mまで掘る過程で4m付近から鞘管が沈まなくなり、そこからは鞘管なしの状態だった。
ということで、VU100の鞘管の中にVU75の鞘管を入れて4mより下部の鞘管にすることにした。
鞘管 in 鞘管である。
鞘管の効果はすごい。これまでの崩壊がピタリと止まる。鞘管効果で7m付近までは柔らかい地層なこともあり一気に掘り進む。進捗があると楽しい。
掘り出す土は粒度のある砂っぽい土である。砂とシルトの間くらいか。
これひょっとして地震があったら液状化して吹き出すやつか…
7m50cmくらいまでは一気に掘ることができた。
井戸堀り器を入れる⇒底をつついてほぐす⇒土が貯まったら引き上げる⇒中の土を取り出す
地層が柔らかく掘りやすいとはいえ、この動作を延々と繰り返すことになる。
そして6mを超えると井戸堀り器を引き上げた時のパイプの長さが家の2階を超えるようになり取り回しがきつくなる。
そこで5m以上の持ち手はパイプにネジ式ソケットを追加し2m単位で追加できるようにして掘り進む。
10月にもなると日暮れがかなり早くなる。
日没との戦いもやってくる。
日が暮れる前にあと少し、あと一掘り・・・とついつい欲張ってしまう。
そんな時にあの事件は起こったのである。
(Vol.18に続く)