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Vol11.どこまで掘れば

現在の状況としては

・3mまで掘った

・水量はMAX20リットル、毎時10リットル貯まる。

・泥水でドブくさい(少し良くなった。)

ということで、水脈には至っていないと判断し、さらに掘り進めてみることにした。

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ところで、いったい何処まで掘れば水脈に当たるのだろう。

ここから先は地層がどんどん固くなる。井戸堀り器にも長いパイプをつけて掘る必要が出てくるので作業効率がどんどん落ちていく。

そんな中で「ここまで掘れば」というゴール感を持つことが、モチベーションを保ち、作業効率を落とさない秘訣と思った。

井戸は掘ってみないと分からないが、実は掘る前に分かることもある。

井戸を掘る前に地層の状況や水脈がありそうな地層を把握するために有効なのが「ボーリング柱状図」である。

ボーリング柱状図というのは、建物を建設する際や学術利用を目的に、地下をボーリングし地層の状況を記録した資料のことである。

柱状図

この柱状図をみると地層の状況が把握できる。地下水は砂礫(砂と石の層)・砂の層があってその下が粘土層になっている地層から出る事が多い。

砂礫・砂の層が水を通し、その下の粘土層が水を通さずに貯水するからである。なので、その深さを見極めて水脈のアタリをつけていく事になる。

水の出る層も1つではない、基本的には深く掘る程に表層の影響を受けなくなり水質も水量も良くなりそうな気がするが案外そうでもなかったりする。どの層から取水するのか、もっと深く掘って次の層でアタリを引くのか、それを見極めるのも井戸堀りの醍醐味であり腕の見せ所でもあるのだ。

なんて奥が深いのだ!!

上記の図だと

「4~6m、9mあたりで水が出そう。ただシルト(砂より細かい粒)混じりの砂なので水量・質は良くないかも。」

「12m以下に厚い砂礫層がありここから水が出る可能性がある。しかし、砂礫層の下まで掘るとなると個人の手堀りではキツそう・・」

といったようにアタリをつける感じである。

このボーリング柱状図は自分の家の土地のものは無いと思う。なので、近隣の土地の調査結果を入手する方法を模索することになる。

一番入手しやすいのは、国土交通省が公開している国土地盤情報検索サイト「KuniJiban」である。

国交省が運営しているだけあって、大きな河川や国道あたりの情報が多いが、その近隣であればここから情報を取得できる。

次に入手しやすいのは、都道府県や市町村の公共施設や下水関係の柱状図である。

都道府県や市町村では施設建設や下水道を作る時にボーリング調査を行っており、その記録が公文書として残されている。この情報を入手する。

自分の場合は、割と近くに札幌市や北海道の市営施設があったため、こちらの情報を入手した。また市に問い合わせる課程で、市の方で下水道のボーリング柱状図を持っていることが分かったのでこちらも手に入れた。

入手方法としては、札幌市の場合は公共施設を管理している部署や下水道を管理している部署に連絡をするとボーリング柱状図を入手する申請書をくれる。申請書を書いて提出し、数日後にデータの入ったCDを受け取る(手数料が数百円かかる)という形である。

北海道の場合は問い合わせたら「情報公開請求」してくれとのことだった。なのでネットから情報公開請求を行い、後日開示された資料(紙)を受領する形で入手した。

こんな感じで入手したボーリング柱状図を元に、どこまで掘れば良いか予想を行う。

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その結果、3mの次は6~7mで水が出そう。8m以下は砂礫層。17mで粘土層があるので、その上あたりは豊富な水がありそうだが、そこまで掘れるか・・・。ということが分かった。

ということで、次の目標は6~7mということに決まった。

(vol12に続く)

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