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Vol14.現れたヤツの正体
6mに到達し、100リットルの水を得て、毎日透明になるのを楽しみに水をくみ出す日々を過ごしていた。
汲みだすほどに透き通っていく井戸水を楽しみに、毎日コツコツ。1週間ほど汲み出しを続ける。
そうすると・・・濁った水では気が付かなかったヤツが徐々にその姿を現す。
汲み出した水を容器に貯めたまま一晩過ごし、翌日汲み出そうと容器を見ると、何やら油膜のようなものがはっているではないか。
ん・・・?油・・・?油田でも掘り当てたか?
しかし、昨日汲み出したときは油膜なんて全くない。そして油膜の下の水がやや赤茶色になっている。
これはひょっとして・・
そう。奴の正体は「カナケ(金気)」である。
カナケとは鉄分のこと。土中に含まれる鉄が酸素を含まない水に触れるとイオン化し水に溶けた状態となる。それが酸素のある地表に出ると酸化鉄(水酸化第二鉄)となり登場するのだそうだ。
そして油膜のようなものは、土中にいる鉄バクテリアという細菌が水に溶けている鉄分を分解して生み出す水酸化第二鉄が膜状になったものということも分かった。
カナケ水は匂いも鉄の匂いがするし洗い物などは着色してしまうため使えない。玄関に水をまけば錆でアスファルトが真っ赤に染まってしまう。
汲み出したときの水はこんな感じだが
一晩おくと
こんな感じで赤くなりそこに赤い沈殿物が蓄積する。
そしてこのカナケ、取り除くのも非常に厄介なのである。
イオン化して水に溶けているため濾過では取り除くことができない。除鉄するには酸化させて鉄を溶けださせてから濾過をするか、イオン交換樹脂のようなもので取り除くかをしなければならない。
ぐぬぬぬぬ・・・
掘った井戸はカナケ井戸。出た水はカナケ水。
カナケ水は扇状地の先端より下流で地下水の流速が遅くなる地域で、地下水が流れる地層が透水度の低い地層の場合に、水が酸欠となり発生することが多いようである。
確かに我が家は扇状地先端よりもやや下流の地域だ。。。
なかなか当たりの水脈を引くのは難しいのである。
(Vol15.に続く)