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それでもまだ私の心臓は固まってる
とろとろと耳に流れ込むメロディ。愛なき世界に降り立って天使。宣教の先に、飛び降りる教会の空、蒼く、やさしく。
声の代わりに差し出したものが何か?
私は声を手に入れたのか?
捨てたような気さえしている、それが、現実になってしまえば、もう足はつかなくて。首にかかる縄がきつく締まっただけだった。
ぼんやり、ぼんやり、愛を欲していた。
自分を愛せなくてつけた傷だって、今は100%の後悔に変化した。ねえ、こんなになるなら魔法だってなんだっていいから予告してよ。パラレル・ワールドのあたしは、いつだって空を飛んだ。
そちらの世界はどうですか?雨やんでいますか?
絞り出した声、かすれて届かない。
伸ばした手も、空を切って落ちた。
・
胸の中に喧騒と、夜長の静寂が、トロイメライで戦争を起こした。
・
ひととせを急かす針
時計は止まらないまま私のなかの時間だけが止まっている
十二ヶ月の愛
・
針は私を刺して
その痛みで急かす
責め立てるようにこう言う─早く諦めなさい
うららかの影を見ないふりの投薬治療に
刹那 愛を見た
優しさが世界を染め上げると思っていた
付け上がった思い違いではなくて
例えば目の前のあなたさえ
私の言葉にその傷を癒されてくれているのだと …思っていた
・
アカシジアと共に落雷。
雨の止まない、湿気の教室に居た君はもう
感傷の水を抜け出している
五感がきちんと働かないなか
第六感だけがようやく息をしていた
アカシジアと共に落雷。
小さな毒の水槽に、稲妻が走る
・
ペトリコールはノイズを踏んだ
空から落ちたわたしの心
雨になって打ち弾けろ
ゆびで作る銃が メルヘンに光る
ココロを膨張させた アナタを許せないわ 許せないの
こんなにも 過去に憑かれた わたしの事 許せない
・
命の重さを理解しないことは罪なのだろうか
涙を流さないことは罪なのだろうか
掻き毟って 掻き毟って 掻き毟って
もうなにもそこには残らないのに
もうなにもそこから進まないのに
ねえ どうしてなの 時計が壊れない
あたしの部屋のカレンダーは
あなたといたあの年のまま
助けてよ 連れ出してよ この月の裏の陰鬱から