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(仮)よくみえる

目を開けると、薄いピンク色の顔をしたロボットが見えた。それと同時に「子宮はもう私の中にはないのだ」と言う事を思い出した。

いろんな管が私から伸びていて、体内へ液を入れたり出したりしている。
脚はバレリーナのような白いストッキングと、フットポンプで包まれていて数分に一度空気による圧迫で血栓から守ってくれる。
まだそんなには動けない。
いろんなモノに繋がっているので、どこまで動けるのか動いて良いのかわからない。少しの弾みで外れてはいけないものが外れてしまうのではないかと恐る恐るといった調子だ。

もちろん術後すぐは元気ではない。中にはそんな人も居るのかもしれないが、私はただ寝ているしかできない状態だ。
一日中の殆どは体力もないので寝ていたが、誰かが部屋にはいってくると目が醒める。
看護師さん「起こしちゃってすみません」などと謝らないで。元来神経質な私なので仕方がない。

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