[モンテネグロ] 商標法改正
モンテネグロにおいて商標法が改正され、2023年1月18日から施行された。本改正は、欧州理事会指令(EU)2015/2436並びに商標法に関するシンガポール条約の要請に合わせて、国内法を改正したものである。
主な改正事項は以下の通り。
商標の表示態様
従来は商標を図形的に表すことが要求されていたところ、改正によって当該要件が削除された。音商標については、五線譜だけでなくオーディオファイルによる出願も認められるようになった。さらに、改正前の法律では個人名や立体的形状からなる商標の登録可否について明記されていなかったが、これらも商標を構成する旨が改正後の条文に追加された。
絶対的拒絶理由の拡張
以下の商標は絶対的拒絶理由に該当する旨が規定された。
地理的表示、原産地呼称、ワインの伝統的表現、伝統的特産品保証(TSG)について、欧州連合またはモンテネグロの法律に即していない商標。
モンテネグロまたは欧州連合で登録された品種と同一または特徴的部分を含むものであること。
異議申立
モンテネグロで周知となっている先行商標に基づき異議申立が行われた場合、先行商標と同一または類似する商標は、商品または役務の類否に係わらず登録を受けられない旨が明文化された。
異議申立における和解交渉
従前であれば、和解交渉をするために異議申立を中断した場合、両者は6か月以内に和解交渉を成立させなければならなかった。改正により、当該期間は24か月に延長された。
その他
商標権者に与えられる権利として、以下の使用を禁止できることが明記された。
商標を商号または企業名、もしくは商号またはそれらの一部として使用すること。
誤認広告及び比較広告に関する欧州規則に反する方法で、商標を比較広告に使用すること。
使用権の記録、手続の続行及び誤りの訂正に関する規則は、シンガポール条約に沿って変更された。
取消請求(絶対的理由、相対的理由)及び不使用取消の手続は、従来は裁判所で行われていたところ、改正によって知的財産庁(IPO)で行われるようになった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?