書評#3 冷静と情熱のあいだBlu
「冷静と情熱のあいだBlu」 辻仁成 著
こんな大恋愛をしたい!という妄想を詰め込んだ小説。昔のことを引きずることはあるけれど、これは引きずりすぎていて少々鬱陶しい。あまりに過去を思っていて気持ち悪いくらいで、21世紀は2001年からで、そういう細部が気になって仕方なかった。結末が知りたくて読み進められたようなもの。
一方で修復士、絵画、芸術に関しては知らないことだらけで、そんなものがあるのかと勉強になった。仕事の描写とあおいを思う描写の対比こそ冷静と情熱というかのようで、そういう部分には惹かれた。
人生には冷静をひとまず置いて走らなければならない瞬間がある!なんて。