【娯楽メモ vol.17】サスペンダーズ「財布」
あらすじ
財布を拾ってくれた古川さんに、持ち主の依藤さんがお礼を伝える場面。古川さんは拾った財布の特徴から、あることを期待していた。「財布、もう一度見せてもらってもいいですか。」…はたしてその期待していた内容とは。
感想(※ネタバレあり)
サスペンダーズのコントは日常系でありつつ、ななめ上の発想を行くものが多くて大好きです。
まず、お二人とも演技がお上手。古川さんはキャラがたっているし、依藤さんは女性役でも違和感なく見れる。見せ方がわかっている感じです。
ネタの内容も、古川さんのワードで明確にちゃんとバラシがあるし、依藤さんの切り返しが次の展開に繋がっていたりして、ほんと質が高いなと思います。
これでまだあまり世間に知られてないとは…。それだけ近年ネタのレベルが上がってるということでしょうか。怖い怖い。
今年のキングオブコントも応援しています。
ーーーーーーーーーー
バラシはななめ上を
最初お互いによそよそしい感じ、ソワソワした雰囲気なので、「財布を拾ってもらったお礼がしょうもない」的な展開を予想しました。
でも、取り出した財布がただ純粋にピンクという。そうきたか…(笑)って。
そして「なんでその見た目でこんな財布使ってんだよ」とツッコみたくなるところ、さらにもう一枚被せてきます。
『なんでエロい女じゃないんですかぁ…!!』
このバラシゼリフ最高ですね。ピンクの財布にそのままツッコむのではなく、持ち主がエロい女だと想定していたところに論点を持っていく。
たぶん「女物の財布を拾ったら持ち主は男だった」というタネから広げていったのだろうと思いますが、「エロい女を期待していた男」という設定にキレイに落とし込めるのがさすがです。
ななめ上を行くバラシワードのネタがどんどん増えてくる時代だと思うので、使いこなせるようになりたいですね。
ーーーーーーーーーー
妄想から現実へ
持ち主がエロい女でなかった以上、これ以上期待していた空想の話を続けても間延びしてしまう。そこで次の展開へ。
『エロい女紹介しろぉ!』
確かに、こんな財布とスマホケース使ってる奴ならエロい女と繋がりありそう(笑)。
普通は核として使うであろうこの「拾ってくれたお礼に〜」の部分を、ここで展開の裏づけとして使用。
古川さん側の勝手な妄想が続いていましたが、「確かに一理あるな」と観客をさらに引き付ける自然な展開だなと思いました。
そして連絡したのは、
『下腹にLet's Enjoyのタトゥーが入ったJカップポールダンサーのブラジル人』
この世の全てのエロいを詰め込んだような最適な人物ですね(笑)。
古川さんの尻もち芸も炸裂し、大ウケでした。
この尻もち芸、いいですね。サスペンダーズといえば、という代名詞にもなりますし、古川さんの声と見た目にとても合っていて違和感を感じないちょうどいいライン。
コント師でこういう武器もってる方なかなかいないですけど、あると強いですよね。
ーーーーーーーーーー
綺麗すぎるラスト
連絡先をもらう古川さんがエアースマホなのが気にはなりましたが、まぁそれは置いといて。
用が済んで帰ろうとした依藤さんが足を止め、思い出したように財布を開く。
お礼に気持ちばかりのお金でも渡すのかなと思ったら、蝶々のコンドームを渡して、
『Let's Enjoy!』
…秀逸すぎませんか。すべての伏線を回収していきました。
綺麗すぎて、その後の古川さんの『Yes, we can』が何で「I」じゃなくて「we」なんだろうということも気にならないくらい。
これだけの拍手笑いを受けたらもうきっと癖になりますよね。
僕もいつか、自分の書いたネタでこれくらいの大ウケかっさらって、エンジョイしたいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?