【娯楽メモvol.20】江戸川ジャンクジャンク「怖い人」
あらすじ
厳しい父が娘に説教をしている。思春期で反抗する娘に対し、父は「怖い人、呼んでます」。すると後ろから知らない男が無言で登場し、すぐ去っていく。その後も怖い人を何度か呼び、娘が「こんな家出てってやる!」と捌けたことをきっかけに、今度は父からの指示にあたふたする怖い人側の視点に切り替わる。
感想
6/15に行われた、ワタナベお笑いNo.1決定戦のファイナリスト。決勝戦で初めて名前を知りました。
3人とも美大卒とのことですが、それ以外の情報はあまり知りません。
でも決勝で披露したトランポリンのネタが、発想・展開ともにすごく好きだったので、今回ラ・ママでのネタも拝見。
こちらもめちゃくちゃおもしろかったです。3年目だそうですが、すぐに注目されるのでは…。
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類まれな発想力
言うこと聞かない思春期の娘に対し、「怖い人、呼んでます」は抜群のキラーワードですよね笑
そして本当に呼んでいるので、さすがの思春期娘も謝るし、出ていっても戻って来ます。
「怖い人、怖いこと言うぞ」とか、「怖いもの持って出てくるぞ」も、得体のしれない人だからこそマジで怖いです笑。
抽象的な表現ですが、だからこそニュアンスが正しく効果を発揮することもあるのですね。
子どものころの、「早く寝ないとおばけが来るよ」とか「悪いことすると鬼が来るよ」みたいな、得体のしれないものが来る恐怖を思い出しました。
それが高校生の娘にリアルでやるとなると「怖い人来るよ」になるんですね笑。
最後のオチも、「お父さんが一番怖いじゃん」と父に話が返ってくるのがキレイで良かったです。
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これまでにない魅せ方
決勝のネタの《音だけでトランポリンを表現する》というのも新しかったですが、今回の《途中から怖い人側の視点になる》という展開も斬新でした。
わかりやすく、かつ自然な展開の変化を描けるのがすごいなと思います。
怖い人がどういう人なんだろう、どういう関係なんだろうという疑問を説明するために、父と娘が外に出て舞台上から居なくなることで、今度は怖い人側の動きを見せる。
実は怖い人も、父からの急なムチャブリにあたふたしていて、父に頼まれてやっているのかなって。怖い人も一人の人間だな、と笑える瞬間でした。
逆に怖がらせすぎて父親に止められるところとか、微妙に娘と鉢合わせちゃうところとか、細かい笑いのポイントも絶妙に埋め込まれていて、完成度高かったです。
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安定した演技力
3人とも演技が上手いですね。これも美大の力…?
セリフが上手いのはもちろん大事なんですけど、細かな動作も自然にできているのがさすがだなと。美大の力…?
そもそも、コントトリオで女子が一人いるだけで設定の幅が広がりますし、各々の見た目を生かした、キャラが引き立つ設定にしているのも構成が上手だなと思いました。これもまた美大の力…?
…3人は美大で何を専攻していたんでしょう。僕も美大行っとけばよかったなぁ。
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