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らくがきのはじまり

昔から落書きみたいな絵を描くのが好きで自由気ままに描いていた。
遡ること中学生の頃。
友達とこんなブランドのロゴどうだろうか?とか
こんなキャラクター格好良くない?とか
ワケわかんないモノ描いたりして遊んでいた。

落書き用のノートも準備しつつもお気に入りの落書きスポットは定番中の定番でもあるネタの宝庫。教科書。
教科書の全科目において載ってるイラスト、人物、風景、それらを修正液で消して原形を留めないほどに改造して落書きするのが大好きだった。そして友達に見せた時の反応も密かに楽しみだった

ある日の事を綴ってみようと思う。
当時学校の中で怖いとされてる先生が数名いて、その一人が英語の先生だった。ある日その怖い先生の授業中に事件は起きた。
いつものようにボクは教科書落書きと真剣に向き合っていた。
あまりにも授業そっちのけで集中しすぎていたのだと思う。教壇から見えるボクは様子も当然おかしかったのだろう。そんなボクにガツガツと先生が向かって来ていたのだった。
勉学の如く落書きに取り組んでいたのでバレないと思っていたが先生の存在に気づいた時にはすでに遅く、ボクには机の上の落書き帳教科書を隠蔽する時間などあるはずも無かった。目の前に仁王立ちで立ち止まり鬼の形相でボクと目を合わせるとバッ!と無言で教科書を取り上げた。

ボクは緊張感と焦りで冷や汗が吹き出した。
この瞬間ボクのまわりの時間は止まったようだった。
そして身体の大きさは三割程小さくなっていた気がする。

あぁ。鬼がいる。ここに鬼がいる…

落書き帳と化したボクの教科書を鬼は静かに目の前で一枚一枚めくり目を通していた。教室に重い空気が張り詰める中、鬼は落書きまみれの教科書と言う恰好の獲物を手に入れたのだ。
(あぁ…終わった…)
もしかしたら心の声が出ていたかもしれない。
教壇に戻った鬼は静まり返ったままの教室で、取り上げた獲物を再び一枚一枚めくり隅々まで見ると言う確認作業を始めたのだった。教科書落書きはほぼ全てのページに及び、もはや勉強の為の本とはかけ離れたモノとなっていた。

レストランのメニューならば
《改造教科書カスタム~修正液を添えて~》
と言った感じだろう。

まさかそんな状態のモノを恐怖の鬼に見られる事になるとは夢にも思わなかった。しかしなぜそんなに恐怖なのかと言うと、英語の教師ではあったが体育会系でもあり当時の環境は今で言う体罰がまだまだ断然緩かった。指導の為にオリジナルの武器的アイテムを持ち歩いている先生もいたし、プラスチックのバットをガムテープでぐるぐる巻きにして持ち歩いてる先生や、やたらと大きい三角定規やコンパスを武器のように扱う先生もいた。
その鬼が扱う武器はちょっと忘れてしまったが、そもそも顔面が凶器だった。そんな鬼が怒鳴らずに無言でいる事が恐怖でしかなかった。

静かに落書き帳に目を通し続ける鬼はこれからボクにどんな地獄を見せるのだろうか。考えるだけで恐ろしい。
一通り目を通し終えると教壇からおもむろにボクの教科書を頭の上に掲げ上げた。そしてクラスメイトに向けてペラペラと見せだしたのだ。
「ほら~見てみろ~授業中にこんなに落書きしてるヤツがいるぞ~」
意外と冷静なトーンだった。
あぁ………恥ずかしさと恐怖でボクは更に縮こまっていた。
しかし鬼が続けて発した言葉は意外なものだった。

「落書きするならこの位やらなきゃダメだよな~?」
「なぁ?すごいな~こりゃ」
「まぁ~よくここまで描いたな~」

え?えっ??
なんと落書き帳となった教科書をにこやかに褒めだしたのだ。
教室の空気が一気に緩んだ気がした。
あれ?褒められてる?
クラスメイトの笑い声もポツポツ聞こえ始めた。
よくわからない気持ちもありつつ心の底からホッとした。
ほんの数分前までボクは鬼から金棒でぶん殴られる地獄を迎えるはずだった。
しかし思いもよらずピンチを脱したのだった。

もう授業中に落書きするのはやめよう…
そう心に誓った。

って事はなく。その後も同じように続けましたとさ。
…そんな遠い日の記憶。

この事件からより一層ボクの落書き好きが始まったのかもしれない。
その後も変わらず絵を描く事は好きだったけど、絵を勉強すると言う事にあまり興味はなく完全に自己満足。今思うとちゃんと勉強しておけば良かったなーなんて思ったりもするけど自由に描くのが好きだからこれで良かったのかも。
当時は何かを自由に描く事がストレスの解放だったりとか、もしかしたら知らずにそんな感覚もあったのかも知れない。

そんな落書き的お絵描きも何年も描かなくなっていた。
何かを描こうという気持ちも消え失せていた。
しかし昨年。YouTubeの心霊番組ゼロと言うチャンネルと出会い、勝手にモチーフにさせてもらいつつ落書き的なお絵描きを再び描き始めた。
久々に描いたお絵描きは刺激にもなったし何より楽しかった。
その絵をSNSにアップした際はお繋がりしてる人達に思った以上の反応をもらったりしてそれも嬉しく、自分の書いたモノでほんの少しでもゼロが盛り上がるならこれからも描いてみようと思った。
そしてボクのお絵描き熱は復活した。

勝手に描かせてもらいつつも、それを楽しませてくれる心霊番組ゼロには本当感謝です。

そんなこんなでnoteの使い方の一つとして
なんとなく過去に描いたモノをここに残していこうと思います。


メインパーソナリティ
二宮さんバースデー
その1

その2

ディレクター松本さんの顔出しは無い。
完全にイメージ。

配信の時にパンダを被りサングラス姿だったので、その後はほぼその姿を描くのが自分の中で定番に。

これからも色々と自由に描いていけたらいいなー。

とりあえず
ボクの落書き好きの根底になるのかな?
らくがきのはじまりを綴ってみました。

ちゃんちゃん


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