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レイヤー視点から読んでみた。コンプレックス・エイジの世界

みさきさくらです。おっさんになったけれど、アニオタの声オタのコスプレオタクです。

ところで、コンプレックス・エイジという漫画をご存知かしら?ボクはたまたま無料立ち読みにて拝見し、一気にコミックスに手を出したわ。趣味をどこまで追求するのか、引き際とはいつなのか?年をとるにつれて出てくるこんな疑問点と向き合う主人公に引き込まれるお話よ。是非読んで欲しいから、ちょっと紹介させてね。尚、少しネタバレを含むから、ごめんなさいね。

主人公の26歳の派遣社員・片浦渚はコスプレイヤー。彼女は所謂完コスを目指すレイヤーの1人。特に大好きな「マジカルずきん☆ウルル」の主人公・ウルルのコスプレをすることに、彼女はすべてを捧げていた。
渚は自身が身長も高めでどちらかというと格好良い女の子。しかし、ウルルは「小さくて可愛い」という、自分にはない魅力を持ったキャラクターだった。ウルルに近づくため、衣装もウィッグもメイクも立ち姿までも近付ける渚。しかし、現実には、少女でもなく身長も変えられない。好きなものとどこまで向き合っていけるのか。渚はどうしたいのか。夢と趣味と現実に生きる主人公の物語

とまあ、大まかに書くとこんな感じかしら?ようはね、

趣味に使えるお金はあるけれど、現実的には若さが無くなってきて、思い描いていたものとかけ離れていく葛藤と、どうむきあっていくのか?

という、まあ普通に生きているボクたちにも当てはまるところがあるわけで、それがたまたま趣味 コスプレという、コスプレをネタにした漫画であり、そういう視点から見る、皆がぶつかる壁を描いているわけよ。

ほら、よくいうじゃない?「大人になって、まだこんなもの好きなのか?」とかいう質問。人の趣味なんだから、放っておいてってかんじよね。おばあちゃんになっても、ジャニーズのおっかけしてる人だっていっぱいいるわ。生きがいや趣味があるのだから、寧ろすごいことよ。

コンプレックス・エイジでは、その趣味の題材がコスプレ。26歳なんて、ボクから見ればまだまだ若くて、寧ろこれから楽しめるでしょっておもうけれど、コスプレは若さがなんぼの時もある趣味の1つ。

アイドルも若ければ若い方がいい。

なんて風潮が日本にはあるわよね。レイヤーの世界も似たようなところがあって、顔のよさや、スタイルのよさだけではなく、若さも重要な武器の1つ。レイヤー界隈で可愛い綺麗ともてはやされても、次から次へと若くて可愛い娘がでてくる。本来、自分が好きなキャラクターになれて、同ジャンルの人とわいわいと楽しむことが目的なのに、少しでも人気が出てき始めると、叩き合い潰し合いが始まる。

素人集団なのに、芸能界並にドロドロしてるってわけ。楽しんでいるだけなのに、陰口叩かれたりしたら、いい気分しないわよね。せっかくの趣味、やめちゃいたくなるかも。

コンプレックス・エイジでは、そんなドロドロした部分も主人公の渚によって、さらっと流されたりしています。まあ、そうしないと、お話は進まないのだけれど、途中で一緒にコスプレをしているアヤちゃんが、炎上しちゃうことでショックを受けるシーンがあるのだけれど、これが普通の神経よね。何年やってたって、悪口はいやなものよ。

コンプレックス・エイジの魅力はそんなレイヤー視点からみても面白いところかしら?それにね、作中にでてくる会話や動作がとても「レイヤーっぽい」のよ。作者は元はレイヤーだったのではないか?と疑うくらい、それっぽいのよ。これ、取材でかかれたとしたら、すごいわよねー。

さてと、では本題に。レイヤーにとって、年齢とは一つのターニングポイントになることは確かなの。ただこれ、キャラクターとの年齢差に悩んでいることではないのよ。だって、レイヤーは、そのキャラクターになれるって思っているからこそ、それが例え幼女だろうとコスプレするわけ。

じゃあ、何が問題かって?それはもちろん、写真映えよ!!!年をとったら、シミシワ問題浮上するじゃない?お化粧が化け物みたくなっていくわけよ!ただでさえ、昨今のコスプレは、顔面アートみたいになっているのに、おっさんがコスプレしたら、もう、仕上がりが悲鳴よ。まあ、加工ソフトがどうにかしてくれるけれどね。加工ソフトは神よ!!

もう一つは、作中にもあったけれど、26歳ころから、同じ趣味の人が減っていくってことよね。これはね、現実を見始めたからでは決してないのよ。仕事彼氏彼女結婚出産という、人生のターニングポイントの岐路に立ったとき、どれかを選べばどれかにかける時間がなくなるの。渚の感じていた、自分の進む道とはという壁も、周りの変化や普通とは?という壁と重なる年齢であったというわけ。

実際にこのくらいの年齢の頃から、コスプレもオタクも離れてしまう人が多い。かくゆうボクもその1人。コスプレにかける時間もアニメや漫画に没頭する時間もなくなって、離れていた時期があったわ。

まあ、ちょい暇になった瞬間、見事に転がり戻ってきたけれどね。

結局渚は、大好きなコスプレとの向き合い方をみつけ、次のステップに進む。コンプレックス・エイジは、こうした何気ない日常にすむ、現代社会の若者たちの普通を描いた作品でもあるとおもう。

昔に比べて今の若者は、自由できままだなんて言われるけれど、実際は違うわよね。団塊の世代のように、人生とはこうあるべきだというレールがない分、自分で道を見つけなければならない。自由な分、選択肢が増えた分、選んだ道が正しかったのかさえ分からない。だから、そんな答えがすぐ見つかる気がして、流行りのものをすぐ手に入れられる気がして、SNSは発達したのかもしれないわね。

まあ、こんな底辺おっさんのボクでも毎日楽しく生きているから、前向きに生きていくことが楽なのかもしれないわね。いーってなった時は、食べるアニメみる漫画読む寝るにかぎるわね!

長々と読んでくれてありがとう。