最近読んだ本_202003
しばしのひとり暮らしとなったので読んだ本の中から面白かったものを備忘録としての残す。なお、普段読んでるものは、仕事関連の本が多いがここでは仕事関係の本は限定的に記載する。
中国旅行に行くときに中国の本を読もうと思って図書館で予約をしたものの人気過ぎてなかなか来ないほどの人気。結局ハヤカワミステリーがkindleでセール下たので購入。3部作計で本国版が合計2100万部、アジア圏の作品として初のヒューゴー賞長篇部門に輝いた、現代中国最大のヒット作というだけあって、面白かった。設定もディテールも中国ならではでありつつ、SFとしてスケールもある。続きの翻訳版は2020年発売予定とのことで楽しみ。
日本の生き方としての典型例を「大企業型」、「地元型」、「残余型」を類型化したうえで、欧米と比べてどういった特徴があり、歴史的になぜこのようになったのかを新書にしては過剰ともいえるほど(さすが小熊氏!)の資料の充実ぶりを伴う説得力を持った本。
最終学歴に応じた採用ルートとその会社内での構造の維持(学歴によるガラスの天井的なもの)や、総合職型採用といったいわゆる日本型雇用が、明治の官僚機構を下敷きに運営されていた近代産業(炭鉱や、鉄工所)が民営化後もその形態を維持したことに端を持っているという話。カイシャを単位とする社会とムラ社会のは、こういった雇用形態と当然関係するがそれ自体が社会の二重構造を生んだというよりは、それを前提として社会福祉制度を意図的に設計したことにより、慣行が制度化され現在に至っているという話が特に興味をひいた。
あと、非正規社員比率が高まっているというのは事実だが、正社員の人数は減っておらず、女性の社会進出や各種産業の企業化(要は小規模自営業の淘汰)により非正規雇用者が増えているという統計はサービスとか考えるうえで頭にとどめておこうと思った。
アルビレックス新潟の社長の是永さんに興味を持ったので読んだ本。本のタイトル通りプロスポーツを理念を活かしながらビジネスとして成り立たせることへの情熱を面白さがあふれていた。シンガポールリーグの強豪となったアルビレックス新潟Sの運営だったり、バルセロナの育成組織ってなんだろ?と思った気になってたことにも触れており、今後のアルビレックス新潟がますます楽しみになった。
リクルートらしい実践的な新規事業の作り方本。実践的といっても、昭和的すぎてやり切れる人は稀と思われるし、いちサラリーマンとして会社でママやることは難しそうではあるが、考え方やエッセンスはとても有用かつ効果的に見える。
食に関する雑学本好きなんだなと読んでて改めて思った。へーと思った雑学としては
- 唐辛子と胡椒がどっちもペッパーなのは、新しいインド航路を拓くと言って資金を得たコロンブスがアメリカ大陸から持ち帰った唐辛子を胡椒の一種と呼ぶ必要があったからでは
- 鳥は受容体から唐辛子を辛いと感じることがないので、普通の果物と同じように種を運ぶ
- トウモロコシは食べられることにうまくできすぎてて植物学的に謎。
-ジャガイモはジャガタラ芋の音便で、ジャカルタの芋の意味。ジャカルタ経由のオランダ船により伝えられたから。
- トマトは植物の果実という意味においてフルーツだが、木の物を本来は意味する日本語の果実としては果実ではない(農水省もこの定義に準じて草本性の果実は野菜なので日本においてはトマトは野菜)
- 大豆をソイビーンズというのは、ソイソースの豆だからであって逆ではない。ペリーが米国に日本から持ち帰るときに、薩摩の言葉で醤油が「ソイ」だったためその名称で定着したという説もある。中国原産で食文化的には日本で花開いたといえる穀物だが、現在はアメリカ大陸で世界の8割以上の収穫。
- 静岡の牧の原が一大茶畑になってるのは、大政奉還で慶喜について駿河に移住した旧幕臣の失業対策として勝海舟が輸出品にと開墾を推奨したことによる