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「顧客メリット」以上に「顧客ベネフィット」が大切
という話は何度かお伝えしてきましたが
今回は、お客さまは「ステークホルダー」すべてがお客さまである
ということについてお伝えしていきたいと思います。

◇ステークホルダーのベネフィットを向上させる◇


「顧客ベネフィット」とは

・誰の
・どのような課題を
・どのように解決するのか

つまり
お金を払ってでも解決したい課題を
お客様に提供できることになります。

一方
以前このことをお伝えしたときに
エンドユーザーだけでなく
ステークホルダーのベネフィットも定義することが重要と
お伝えしたのですが

覚えていらっしゃいますか?

先日、サポートしていたプロジェクトで市場構造の話になりました。

市場構造を把握し
ステークホルダーのベネフィットを明確に定義していないと
エンドユーザーまで届かないという内容です。

お客さまはエンドユーザーだけではありません。

ステークホルダーすべてがお客さまです。

逆に言うと
ステークホルダーのベネフィットを向上させてあげると
差別化につながりビジネスにつながっていきます。

◇物流を効率化することにより得たもの◇


私自身もソニーで記録メディアの商品企画を担当していたときに、
こんなことがありました。(少し昔の話ですが)

記録メディアが、スーパーマーケットやコンビニに並び始めたころ、
営業担当とバイヤーさんを訪問したときの話です。

食品業界では物流対応が進んでいるのに、家電メーカーは遅れている
とのご指摘を受けました。

具体的な話を聞いてみると、店頭用POSコードだけではなくて、
運送用のカートンボックスに物流用のバーコード(ITFコード)
をつけてもらえるだけで、倉庫の作業が格段に効率が上がる
というものでした。

営業担当に聞いてみると、
以前から事業部には伝えているのだけど、
コストアップになるからと聞いてもらえないとのこと。

たしかに何銭単位でコストダウンの努力をしている記録メディアで、
新たなバーコードのシステムを導入するのは相当コストがかかります。

ただ今後確実に伸びていくと思われる
コンビニやスーパーマーケットの対応を先行できることは
メーカーとしては大きなチャンス。

私もまだペイペイのいち担当者でしたが、
対応するので詳しく教えてほしいとお願いし、
バイヤーさんを通していろいろ教えて頂き、
”業界初” で物流バーコードに対応しました。

当然、コンビニやスーパーマーケットでは、
物流効率の良いメーカーを取り扱ってくれ、
おかげさまでシェアがぐんとアップしました。

他社さんも追従されましたが、
半年~1年はかかったと思います。

◇ステークホルダーの「課題」に多くのヒントが隠されている◇


このように、商品やサービス自体に特長が見出せなくても、
途中の物流や関連するステークホルダーのベネフィットをつくることで、
商品企画や新規事業の価値が刺さることが多々あります。

エンドユーザーのみを意識されていた場合には、
ぜひ市場構造を把握し、
ステークホルダーの課題解決、ベネフィットを探してみてください。
かなりヒントが見つかりますよ。

ぜひ、差別化につなげビジネスにつなげてください。

追伸:
順風満帆に聞こえるような話になりましたが、
実は社内説得は本当に大変でした。

ビジネス試算をして企画書をまとめて説明しましたが、
設備投資となるため、
本当にそれでシェアが上がるのか、
売上が上がるのか、
となるわけです。

販売会社のコミットもとりつけ、
事業部長の説得はできたものの、
工場長の説得に相当苦労した記憶があります。

工場長からは
「設備投資が絡む案件をいち担当者だけで説明に来るな」
と怒られ

企画部長に電話すると
「工場長からOKもらうまで帰ってくるな」
と言われ、、、。

最終的には業界初の対応で大成功となり
関係部署からも感謝され企画冥利につきる仕事のひとつでした。

苦労話がいい思い出となっています。

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