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銀閣寺道「日栄軒本舗」の懐中もなか

ベイカリー白川を出て東へ向かう。

こんな日にこそあのアイスキャンデーを食べたい。「アイスキャンデー」「ソフトクリーム」白地に赤黄青の原色のゴシック体で書かれた店先の様子まで思い出せる。でもあの店はもうないのでした。

「長い間ありがとうございました」と書かれた張り紙をみてハアと息をついていたところ、隣におかしやさんが。

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内装はぴかぴかで新しいけれど、並んでいるのは水無月、若あゆ、赤飯…。長そうなお店である。懐中しるこは茶釜のかたちをしている。

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昔絵本でみたぶんぶくちゃがまの茶釜と同じぽってりした形。

お菓子はここで作っているものか尋ねると「そうだよ岩倉に工房があるからそこで作ってるんだよ。」とのこと。きくともう90年続いていて、今は三代目なのだそう。

「前までは下鴨本通り(本町?)でやってたけど、ここに移ってきたのよ。私は一人っ子だから。」とお母さん。下鴨から移転してきたこととお母さんが一人っ子であることの因果関係はよく分からないけれど、その話し方から昔からお母さんは明るく元気な看板娘だったんだろうなということは分かった。

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そこで先ほどのなぜ茶釜なのかという質問をしてみたところ。「そらようけ売れるからですがな。」ですがな?思わず「ずっと京都なんですか?」と尋ねた。さっき90年続いているという話きいたところではないかと自分に突っ込む。当たり前ながらお母さんは生まれも育ちも京都だった。けれどもそこはかとなく漂う大阪の香り。

そこにこちらを覗くお客さんが。「買ってってや!」とすかさず声をかけるお母さん。そのお客さんはお母さんの隣に置いてある椅子に腰かけ「赤飯一つ」と頼む。きくとご近所さんらしい。一芝居うたれた気がして、けれどもそれが心地よくて笑いながらお店を後にしました。

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▶ 日栄軒本舗
住所:〒606-8411 京都市左京区浄土寺東田町56
(白川通今出川交差点南東側)
電話:075-771-1691
営業時間:9時~5時(夏期は5時半まで)
定休日:日曜日

このホームページ斬新すぎて開いたとき大笑いした。

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