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特許ってどうやってとるの?(3)
おねえさん:特許出願するかどうかは、そのうち決めてもらうとして、ざっと概要を説明しようか?
たかしくん:うん、お願いします。
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おねえさん:特許出願のイメージはこんな感じだよ。
願書に必要な書類を添付して特許庁に提出するんだよ。
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おねえさん:法律では特許庁長官とかになってるけど、ここではあまり気にせず、特許庁とのやり取りって考えるね。
たかしくん:出願人とか代理人って何?
おねえさん:出願人は特許出願をする人(者)のことだよ。
出願人は個人でもいいし、会社とかでもいいんだよ。
代理人は、手続の代理をする人(者)で、弁理士や弁理士法人などがやるんだよ。
代理人なしで出願人が特許出願してもいいけど、手続きはとても大変なので、特許事務所とかに依頼することが多いかな。
たかしくん:へー
おねえさん:これは書類や手続きの例だよ。
基本的にはオンライン(出願ソフト)でやり取りするんだよ。
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たかしくん:なんか色々あるね。
拒絶理由通知書って何?
おねえさん:審査結果の通知の一つだね。
例えば、新規性や進歩性がないので特許にできません、とか、発明が明確ではありません、とか、そういった内容が通知されるよ。
たかしくん:へー、なんかこわい。
おねえさん:手続きの流れの例はこんな感じだよ。
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おねえさん:特に、②審査請求(出願審査請求)を覚えておいてね。
特許出願をしただけだと特許にならないよ!
審査請求が必要だよ。
たかしくん:えー!
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おねえさん:出願審査請求をすることで、特許になるかどうかの審査が行われるんだよ。
たかしくん:そうなんだね。
出願してから特許になるまでに、どれくらいの時間がかかるの?
おねえさん:ケースバイケースだから、はっきりとはいえなんだよね。
例えば、
・出願審査請求をいつするか
・早期審査を請求するか
・審査結果がいつくるか、審査結果の内容は何か
・審査結果への対応をいつするか
・審査結果(例えば拒絶理由通知)が何回くるか、審査結果への対応を何回するか
などによって変わってくるよ。
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たかしくん:ざっくりどれくらい?
おねえさん:おおまかに考えてみようか。
<ケース1の例>
・特許出願から審査請求の期限まで:3年
・審査請求をしてから拒絶理由通知がくるまで:だいたい1年弱
・意見書提出期限:基本的に60日
・特許査定:だいたい2、3か月?(案件によって異なる)
ケース1の例は、審査請求を期限ぎりぎりで行って、拒絶理由通知の対応を1回やって特許になったケースだね。
ケース1の例の場合だと、おおまかに、出願してから5年弱くらいかなあ。
審査の結果によっても変わってくるから、あくまでもおおまかな目安だよ。
たかしくん:そんなにかかるんだね・・・
おねえさん:別のケースも考えてみようか。
<ケース2の例>
・特許出願とほぼ同時に審査請求と早期審査請求を行う
・審査請求をしてから拒絶理由通知がくるまで:だいたい2、3か月(?)
・意見書提出期限:基本的に60日
・特許査定:だいたい2、3か月?(案件によって異なる)
ケース2の例は、特許出願とほぼ同時に審査請求と早期審査請求を行って、拒絶理由通知の対応を1回やって特許になったケースだね。
ケース2の例の場合だと、おおまかに、出願してから半年~1年くらいかなあ。実際のところ、半年っていうのはレアなケースだと思うけどね。
審査結果によっても変わってくるから、あくまでもおおまかな目安だよ。
たかしくん:ケース2は早いね。
早期審査請求っていうのがよくわからないけど。
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おねえさん:審査は、色んな文献を調べたり、色んな観点から特許にしてもいいかを検討したりするので、とても大変なんだよ。
日本の特許庁は、審査をとても丁寧にやってくれるし、早期審査をお願いした場合、早く丁寧にやってくれる印象だね。
日本の特許庁の審査は、とても質が高いと思うよ。
たかしくん:へー、すごいね。
おねえさん:特許は、他人の行動(製造や販売など)を制限することにもなる強力な権利だから、審査はしっかりとやる必要があるんだよ。
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おねえさん:ただ、出願してからすぐに審査してもらうのがいい、とは一概にはいえないと思うよ。
出願人、出願の内容、市場の動向などにもよるけど、ケース1よりもケース2の方がいい、ともいいきれないと思うよ。
たかしくん:どういうこと? 出願してからすぐに審査してもらった方がいいんじゃないの?
おねえさん:審査請求は費用もかかるし、審査請求をすることで、審査結果への対応(中間対応)に時間や労力が必要になるよね。それに、特許を維持するための費用や検討の労力も必要になってくるね。
たかしくん:う~ん、そうかも。
おねえさん:ケース1のように、審査請求をするかどうか、審査請求の期限(現行法では出願から3年)まで落ち着いて検討するのも大事だと思うよ。
たかしくん:う~ん。でも、出願した後、早く特許にならないとマネされちゃうんじゃない?
おねえさん:いい質問だね。話がそれちゃうから、機会があるときにしようね、ごめんね(※)
たかしくん:でも、なんか手続きがたくさんあってよくわからないや。
やっぱり特許事務所にお願いした方がいいのかな?
おねえさん:自分でできますっていう自信があればいいけど、特許事務所にお願いした方がいいと思うよ。
ただ、特許取得までの流れは知っておこうね。
たかしくん:うん。
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<作者コメント>
イラストで説明する都合上、説明に少しおかしいところがあるかもしれません。問題がある個所は、適宜修正したいと思います。
特許出願を含めた手続きの種類、流れ、書類などをイラストで紹介したいというのが目的の一つです。特に、出願審査請求を登場させたいと考えていました。
また、普段よく頂くご質問に対して、この記事や他の記事でご説明できればよいと考えています。
このあたりから堅い内容になっていくかもしれません。
イラストをざっと見るだけでも、何となく雰囲気がつかめるようにできたらよいと考えています。(・・・が、けっこう大変です)
TDT(3) ver0.0
<営業>
作者が所属する特許事務所では、特許出願のご依頼をお待ちしております。
商標のご依頼も受けております。
下記URLに記載の電話やメールにご連絡ください。
https://tateno-pat.com/
<※のところのメモ>
この記事に盛り込むか、別の記事にするか。
法律的に間違っていないのか等の確認も必要。
出願してから特許になるまでの期間、第三者、権利の効力。
・出願人、権利者
出願⇒出願公開(1年6月)、補償金請求権⇒審査請求期限(3年)⇒特許査定⇒設定登録
・第三者
①出願前に、特許出願に係る発明を実施等(出願の内容を知らないで)
先使用権(79条)、継続して実施可能
②出願~出願公開までの間で特許出願に係る発明を実施(出願の内容を知らないで)
先使用権(79条)「特許出願の際」(理論上は特許出願の日のうちの時刻)
特許権の存続期間は出願日が起算点(67条「特許出願の日から」)
出願日以降の第三者の実施は制限されるはず
善意の実施(悪意なく実施) 損害賠償? 102条? どの規定か
③出願公開以降の実施
第三者の実施は制限されるはず
所定の要件のもと、補償金請求権の対象(65条 出願公開の効果等)
「その実施に対して受けるべき金銭の額に相当する額の補償金」(65条1項)(実施料相当額の補償金)
不安定な権利(「その発明が特許発明である場合に」)
65条4項「~請求権の行使は、特許権の行使を妨げない。」(補償金請求権の対象でも特許権の行使あり)
・所感
第三者の実施がある場合、権利の効力や行使とかの観点からすると、出願してから早めに特許になった方がいい?
侵害被疑物品の実施がされている状況の場合、早めに対応した方がよさそうだが