環境が変わると意見も変わる
所得税の基礎控除額をめぐる議論がはじまろうとしている。政治は数合わせ、先の衆院選の結果キャスティングボードを握った国民民主党の主張に与党は落としどころへの歩み寄りをするだろう。
少し前なら、つまり、わたしが現役のころであれば、178万円への基礎控除額引き上げはもろ手をあげて賛成しただろう。収入がふえるほど所得税減額の効果が大きいし、税金が減る分には大歓迎だ。国民民主党の主張には大賛成だ。
国民民主党の支持基盤は労働組合、とくに自動車総連や電力総連、UAゼンセンなどの産業労組が主力だ。支持者は社会保険が適用になっているから、社会保険料の壁など関係がない。所得税を減額する基礎控除引き上げにインパクトがある。そう、支持者の環境はめぐまれているのだ。
現役を辞した今、バイト生活になって考えは違ってきた。
今の収入では所得税額は大したことはない。それよりも社会保険の方が大きいのだ。103万円より106万円のほうがインパクトがある。
週20時間内に抑え、社会保険が適用にならない採用条件だった。それが今年から時給が少しアップし、すんなりと超えてしまったものだから、労働時間も20時間にして社会保険適用になり、手取りが減った。雇用者側も社会保険を半分払わなくてはいけない。
106万円の壁もいっしょに議論してもらわなければ意味がない。所得に応じた税と社会保険料負担軽減をやってほしいのだ。片手落ちでは困る。
環境が変わると意見も変わってくる。