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タダより高いものはない
来年度の予算にむけて、与野党のあいだで無償化がおおはやりだ。小中高校に通う子どもをもつ家庭にとって、授業料や給食費を援助してもらうことに対して「否」はないだろう。でも、無償援助はそれだけでは終わらないはずだ。タダより高いものはないというではないか。
590万円未満の年収世帯は、公立高校で11.9万円、私立高校で39.6万円が授業料補助として支給されている。同910万円では公私立とも11.9万円に減額されるのが現行制度だ。維新が主張している所得制限をなくした公私立高校無償化に自民・公明の与党がすり寄った。
給食費は維新、国民の無償化に立民が乗った3党で予算案を出した。
見返りは何なのか。
授業料が無償になった高校生に、「金を出すからよく勉強しなさい」と言っているのか?「18歳になったら選挙権があるから票を」と匂わせているのか?彼らは余計なお世話だと思うに違いない。
インフレに給料が追いつかない、経済的に厳しい家計への「無償」という形での援助は悪いことではない。でもねえ、与党の過半数割れ、今夏の参議院選、もしかしたら衆参同日選挙になるかもしれないなか、人数合わせや票集めの道具にされているのではないだろうか。
タダより高いものはない